ロカルちゃ! 富山

マニアックに遊ぶディープな富山情報誌

厳しい風土が逸品を育む和紙・織物

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アイコンの説明

県内に伝わる3つの産地の和紙を総じて「越中和紙」

奈良時代の「正倉院文書」に「越中国紙」として記されるなど歴史は大変古く、現在でも伝統的な和紙はもちろん、新しい加工商品を積極的に開発しているのが特徴です。越中和紙は1988年に国の伝統的工芸品に指定されました。

紙のかめたにお買い物・お土産

和紙製品
蛭谷和紙(びるだんわし)製品もここで買えます!!

越中和紙全種をはじめ和紙商品を豊富に取り揃えた富山市中心部のお店。


[住所]富山市三番町1-23地図

[お問い合わせ]☎076-421-2095

紙のかめたに

五箇山和紙

南砺市の五箇山地方は、江戸時代に加賀藩、富山藩へ和紙を供給する一大産地でした。現在も「世界遺産」相倉合掌造り集落周辺に生産者が多数存在し、昔と変わらぬ手漉き製法の良質な和紙産地として今日に至っています。和傘に使用される最高級のものから書道用紙、障子紙、封筒、祝儀袋など商品の種類も豊富。実際に手漉き和紙制作を手軽に体験できる観光施設が多いのも魅力です。

注目の手職人

「和紙の材料となる楮(こうぞ)は、寒暖の差が厳しい地域の物ほど質が高い。豪雪地帯の五箇山で楮を育てると、繊維自体がとても繊細になるんです。僕らは日本一の楮といわれる那須楮を五箇山で育成し使用しています」(前崎)。

前崎氏は2015年秋にオリジナルブランド「GOKKA」新しくを立ち上げました。五箇山和紙と「江戸型染め」など県外のデザイナーとのコラボ企画商品を開発中とか。目が離せませんね。

紙塑民芸品制作の模様/前崎真也氏
紙塑民芸品制作の模様/前崎真也氏
職人No.08

農事組合法人五箇山和紙
代表理事 伝統工芸士

前崎 真也
まえざき しんや

1960年生まれ。
(農)五箇山和紙 代表理事。富山県和紙(協)専務理事。
富山県伝統工芸士会 理事


紙塑(しそ)民芸品
干支 猿 810円(込)

お買い物・お土産

五箇山和紙の端切れから作られるエコで温もりある人形。招き猫、達磨ほか種類もたくさん。相倉集落内の体験館へ行けば、前崎氏の制作模様も見られるかも!?


[お問い合わせ]
☎0763-66-2016(農事組合法人五箇山和紙)

[営業時間・休業日]
8:15~17:00(本社)
(12~4月/日祝日休業・5~11月/火曜休業)

五箇山和紙の人形

クラフト体験

農事組合法人五箇山和紙クラフト体験

見学:相倉集落内の体験館
五箇山和紙で作られたランプや和傘を展示する、
相倉集落内の体験館

本社と世界遺産相倉集落内にて紙漉き体験を実施。紙に紅葉の葉を乗せたデザインが人気。五箇山和紙が材料の民芸品販売も見逃せない。

[住所]
本社:南砺市下梨148地図
相倉集落内体験館:南砺市相倉(冬季休業)地図

[お問い合わせ]☎0763-66-2016

[ホームページ]www1.tst.ne.jp/gokawasi

体験の様子

道の駅たいら五箇山和紙の里クラフト体験

道の駅にある和紙体験館にて、手漉き和紙、はがき、うちわなどを制作できます。五箇山和紙の歴史が学べる和紙工芸館ほかも併設。

[住所]南砺市東中江215地図

[営業時間・休業日]9:00~17:00(年末年始休業)

[お問い合わせ]☎0763-66-2223

[ホームページ]www.gokayama-washinosato.com

体験の様子

ぢぃの覚え書き

完全手作りの 悠久紙【ゆうきゅうし】

和紙の原料作りから紙漉きまで、昔と変わらないすべて手作業の製造工程を守り続ける「悠久紙」という五箇山の和紙があります。紙質と墨の色が1000年経っても変わらないと言われる逸品を、ぜひ手にとってみてください。

東中江和紙加工生産組合お買い物・お土産

[住所]南砺市東中江582地図

[お問い合わせ]☎0763-66-2420

[ホームページ]www1.tst.ne.jp/yukyushi

悠久紙

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蛭谷和紙

下新川郡朝日町に400年前から伝わる保存性に優れた素材の和紙で、後継者不足から幻と言われた蛭谷和紙。昭和28年の大火に遭うまでは、蛭谷のほとんどの家庭が和紙作りに携わっていたと言われています。

大寺幸八郎商店見学

障子戸や欄間障子に蛭谷和紙を贅沢に使用した、高岡市金屋町の商家。(見学無料)

[住所]高岡市金屋町6-9地図

[お問い合わせ]☎0766-25-1911

大寺幸八郎商店

富山県民会館見学

1階ロビーの壁面と柱に、蛭谷和紙が使用されています。白い立山連峰がちぎり絵で描かれた壁面は、2階から見ると全体像がよく見えます。逆に柱は、近くで見るほど和紙独特の繊維が観察できて面白いですよ。

[住所]
富山市新総曲輪4-18地図

[お問い合わせ]
☎076-432-3111

富山県民会館

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八尾和紙

「越中富山の薬売り」で知られる売薬産業の発展と共に需要が高まり、薬袋や記録用の懸場帳(かけばちょう)等に使用されました。明治の最盛期には、八尾のほとんどの家庭で紙漉きが行われていたと言われています。
八尾和紙の歴史を伝える「桂樹舎」は、和紙の生産も行っているためカラフルかつ豊富な種類がショップに並びます。

名刺入れ
名刺入れ
小物入れ
小物入れ

クラフト体験

桂樹舎クラフト体験お買い物・お土産

紅葉などの模様を乗せた紙漉きを体験。平日のみの予約制。製造見学も可能で、同社制作の和紙カレンダーは毎年大人気。

[住所]富山市八尾町鏡町668-4地図

[営業時間・休業日]9:00~17:00(年末年始休業)

[お問い合わせ]☎076-455-1184

[ホームページ]www.keijusha.com/

体験の様子

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城端絹織物

南砺市の五箇山と福光地方は、江戸時代から明治期にかけて絹生産が盛んに行われました。その繭や糸が集められた場所のひとつが地域最大の町である城端。最盛期には城端の戸数689軒中、375軒が絹織物に関与していたほど絹織物業が隆盛を誇りました。また城端では和紙と絹を貼り合わせた「絹和紙」も多く生産されました。城端別院善徳寺の寺内町という地域らしく、信仰心の厚い人々が仏間の襖など、神聖な場所を絹和紙で飾ろうとした真心も寄与したそうです。「じょうはな織館」では城端絹織物に触れられるだけでなく、実際に織機を使って織物の制作体験もできます。

動画

YouTube 城端絹織物の歴史

城端別院 善徳寺見学

[住所]南砺市城端405地図

[お問い合わせ]☎0763-62-0026

クラフト体験

じょうはな織館クラフト体験お買い物・お土産

ショール・お守り

卓上機、足踏み手織り機を使ってコースタから細幅ショールまで様々な織物を制作できます(織体験要予約)。ギャラリー、ショップ、カフェも完備。

[住所]南砺市城端648-1(曳山会館向い)地図

[お問い合わせ]☎0763-62-8880

[ホームページ]www.oriyakata.com

体験の様子

ぢぃの覚え書き

五箇山で見る養蚕施設の名残

城端織物の絹の産地であった五箇山地方には、養蚕の道具や栽培模様を展示した合掌造りの家が当時の情景そのままにいくつかあります。

民宿 勇助見学

[住所]南砺市相倉591地図

[お問い合わせ]☎0763-66-2555

[ホームページ]www.yusuke-gokayama.com

相倉伝統産業館
相倉伝統産業館見学

[住所]南砺市相倉204-2地図

[お問い合わせ]☎0763-66-2080

株式会社 松井機業見学お買い物・お土産

2頭の蚕がひとつの繭玉を作り、そこから紡いだ絹糸を「玉糸」といいます。糸が太く節も多いそれと通常の絹糸を織り上げると、絹の光沢に玉模様が浮き出る「しけ絹」が誕生します。
松井機業では主にシェードや襖紙に採用し、光の演出を提案しています。また手軽に「しけ絹」の魅力を知ってもらおうと、「ヨハナス」ブランドを発表。明治創業の老舗は、独自の挑戦を続けています。

絹の精錬模様/松井機業
絹の精錬模様/松井機業

施設内でも各種製品を展示、販売中。
施設内でも各種製品を展示、販売中。
通常の絹糸(右)と玉糸(左)
通常の絹糸(右)と玉糸(左)

[住所]
南砺市城端3393地図

[お問い合わせ]
☎0763-62-1230

[ホームページ]
www.shikesilk.com


しけ絹の製造模様を実際に見学できます。参加者には絹のコースター「敷くシルク」をプレゼント。参加費用600円 ※1週間前までに要電話予約

最高級城端しけ絹紙 敷くシルク
最高級城端しけ絹紙 敷くシルク

注目の手職人

光の加減で表情豊かに色合いが変わるシェード
光の加減で表情豊かに色合いが変わるシェード

「絹をシェードに使うと紫外線を大幅にカットしたうえで、独特の光沢によって少ない光でも部屋が明るくなります。また玉糸の節がまだらな透過を生み出して、森の中の木漏れ日のような優しい雰囲気が癒しになるんですよ。」(松井)

松井さん
職人No.10

株式会社 松井機業
松井 紀子
まつい のりこ

2014年「JOHANAS」立ち上げ。
2015年 日本橋三越にて坂本龍一氏×森口邦彦氏とのコラボ企画実施。ニューヨークに展示。
ミラノ国際博覧会出展。

JOHANAS【ヨハナス】お買い物・お土産

2頭の蚕がまるで結婚したかのように生み出された唯一無二の美たるしけ絹。それにあやかり縁起物の祝儀袋や、ハレの日の装いに使えるストールなどを提案する松井機業の新しいオリジナルブランドです。

蚕が共同作業で絹を作ったように御縁ができるよう縁起物として良し!!高級感をアピールするにも良し!!

(左)城端しけ絹紙 祝儀袋 1620円(込)
(右)城端しけ絹紙 心づけ袋 864円(込)

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ぢぃの覚え書き こんな逸品も富山に!!スゴ技職人PICKUP

指ものカッセッタ

[住所]下新川郡朝日町東草野1529地図

[お問い合わせ]☎0765-83-0755(事前連絡後工房見学可能)


木の個性を楽しむ指物

「普段の生活の中で、使えば使うほど味わいが出てくるような物作りを心がけています。各々違う木の個性を感じてもらえれば嬉しいですね」(寺田)。

小さな箪笥

小さな箪笥(四方蟻組技法)
指物とは釘を使わず木や板を差合せて作る木工品の総称。なかでも寺田氏は茶箱、アクセサリなど小物を中心に全て手作業で制作しています。

寺田さん
職人No.11

指物師
寺田 洋子
てらだ ようこ

2000年 大阪工業大学大学院建築学科修了。
指物師:北山利一氏(八尾町)に師事。
2006年 自宅工房「指ものカッセッタ」にて制作活動を開始。


大久保鍛冶屋

[住所]下新川郡朝日町桜町743-8地図

[お問い合わせ]☎0765-82-2187(平日午前のみ工房見学可能)


全国に愛好者がいる泊鉈

鉄の板に鋼を割り込ませてあえて左右不均一な両刃にする事で、強靭さと切れ味を兼ね備える泊(とまり)鉈。その最後の職人が大久保氏。

「山仕事の出稼ぎに出た人達から使いやすく、切れ味がよい鉈と口コミが広がったそうです。現在は全国から注文が来ていますよ」(大久保)。

鉈の上部に刃先を守り、鉈を振り下ろす際の重しにもなる鳥のトンビのクチバシのような突起がある特徴から「トンビ鉈」とも呼ばれます。その使い勝手は絶品!

職人No.12

泊鉈鍛冶職人
大久保 中秋
おおくぼ なかあき

泊鉈鍛冶職歴70 年(85 歳)。
2011 年 「森の名手・名人」(加工部門)に選定される。
(公益社団法人:国土緑化推進機構)




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