からだが喜ぶ、メイド・イン・富山の糀スイーツ。
糀ASOBI 中山緑さん-1

からだが喜ぶ、メイド・イン・富山の糀スイーツ。
糀ASOBI 中山緑さん

郷土料理として知られる「かぶらずし」のように、糀(こうじ)を用いた食文化が根付く富山。

砺波(となみ)の気候や風土が生み出すおいしい水と米を使い、米粉100%・グルテンフリーの糀スイーツを製造販売する「糀ASOBI」の中山緑さんにお話を伺いました。

花のまち砺波で笑顔を咲かせる


糀ASOBIは2017年に砺波チューリップ公園の近くに店舗をオープンしました。
砺波市はチューリップ球根の生産量日本一のまち。毎年春になると「となみチューリップフェア」が開催され、国内外から約30万人の観光客が訪れます。お店には地域の方々をはじめ観光客も足を運び、糀スイーツのおいしさに多くの笑顔が咲いています。

「夢は砺波の老舗になること」と明るい表情を見せる中山さんは、幼い頃から地域のイベントで歌を披露するなど、得意な歌を通して周りの人たちの笑顔を生み出すことに喜びを感じていました。「地元を盛り上げたい」という思いを抱き踏み出したのは糀の道でした。

糀の“道”を極めたい


子育てに励む中で健康な食事づくりの大切さを感じていたところ、発酵食大学(石川県)に通う妹から発酵の話を聞いたことが、糀との出会いでした。その後、発酵の力で魔法のように食材のおいしさが引き立つ面白さに魅了されていき、2014年には自身も発酵食大学に入学。「糀を通して大切な人たちを笑顔にしたい」と学びをスタートさせました。

さまざまな発酵食がある中で“スイーツ”を選んだのは、石川県出身の世界的なパティシエである辻口博啓(ひろのぶ)氏が話した「菓子道」の言葉に触れたことがきっかけでした。「茶道や華道のように日本の文化として根付いていける新たな“道”をつくる」という辻口シェフの話を聞き、古くから富山で馴染みのある糀文化とお菓子を掛け合わせた“道”を極めたいと決意。

「お菓子には特別感がありますよね。自分が食べても喜びを感じ、誰かにプレゼントしてもうれしいという“笑顔の循環”をつくり出せることも魅力だと思いました」。糀を使ったスイーツの試作に取り組み、約3年をかけて試行錯誤を重ねて最初の糀スイーツ「高道(たかんど)ロール」を誕生させました。

 

商品づくりだけではないおもてなし


良い商品を作ることに限らず、お客さんが商品を味わう瞬間まで安心してお買い物できる場を提供することも大切なおもてなしの一つ。店舗での接客ではどんなシチュエーションで食べるのかをお客さんと共有し、気持ちの良い提案ができるように工夫しています。

「大切な人との時間を糀ASOBIのスイーツと一緒に過ごしていただけることへの感謝を胸に、皆さんが笑顔になってもらえるようなおもてなしを続けていきます」と語ります。

 

富山の食材の素晴らしさを全国へ


富山にはおいしい水や食材が育つ環境が整っています。
中山さんは「富山の食べ物に感謝しておいしくいただくだけで健康になるのでは、と思っています」と話します。糀ASOBIのスイーツは、糀、塩、卵、豆乳、米粉、生クリームなど、富山県産のこだわりの素材を使った深みのある味わいが特徴です。

近年はグルテンフリーや発酵食への注目度も増しています。
健康志向が追い風となり、ECショップに限らず、東京で開催される富山県の物産展や、JRの駅で販売されるなど、ますます多くの人が “メイドイン富山”の糀スイーツに触れる機会が広がっています。これを受け、中山さんは次なるステージに進んでいると感じています。

 

特別から日常へのステップアップ


お菓子を通じて糀の手軽さを知ってもらった今、普段の料理にも取り入れてもらうため「糀と料理の組み合わせ方の発信にも注力したい」とより一層浸透させる取り組みを進めていこうと意気込みます。

「糀の魅力を本当に伝えたい相手は、健康に気を付けることすら難しい状況にある忙しい人たちです。だからこそ、糀を手軽に簡単に取り入れ、健康に、笑顔になれるような方法を届けたいと取り組んできました。

今後も糀の魅力を広めていくと同時に、より多くの人たちの笑顔をつくっていきたいです」と決意を語る中山さんの挑戦は、これからも続きます。
 

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