黒部峡谷トロッコ電車で巡る絶景旅~宇奈月温泉まで楽しむ観光ガイド~
黒部市の宇奈月駅から欅平駅までを黒部川沿いに沿って走り抜ける黒部峡谷トロッコ電車。宇奈月温泉を出発し、切り立つ断崖や清流を眺めながら進む時間は、ここでしか味わえない特別な体験です。沿線には黒部峡谷の見どころが盛りだくさん!秘境の大自然を満喫できるスポットや秘湯をご案内します。
この記事では、黒部峡谷トロッコ電車の見どころや料金、予約方法に加え、宇奈月温泉とあわせた楽しみ方までわかりやすくご紹介します。
黒部峡谷トロッコ電車とは?
黒部峡谷トロッコ電車とは、黒部峡谷の玄関口・宇奈月から欅平まで約20kmを結ぶ観光鉄道です。日本一深いともいわれるV字峡谷を縫うように走り、車窓からは切り立つ断崖や清流など、黒部峡谷ならではの大自然を満喫できます。
新緑が美しい春〜夏、鮮やかな紅葉に彩られる秋と、季節ごとに異なる絶景が楽しめるのも魅力です。発着駅の宇奈月温泉周辺には温泉街が広がっており、トロッコ電車の旅とあわせて温泉を満喫するのもおすすめです。
※2026年9月30日まで宇奈月駅~猫又駅間の一部区間折り返し運転となっており、釣鐘駅、欅平駅へは行くことができません。10月1日以降の運行区間は、7月上旬までにご案内予定です。
トロッコの基本情報|料金、アクセス、予約方法
料 金
宇奈月⇔黒薙(往復)大人1,660円、子供840円、宇奈月⇔猫又(往復)大人2,820円、子供1,420円
リラックス客車の使用には車両券600円が必要です。
所要時間
宇奈月⇔黒薙(片道)約30分、宇奈月⇔猫又(片道)約2時間
予 約
電話または公式WEBサイトから予約ができます。当日券も販売していますが、
混雑時は希望の時間に乗れないこともありますので、事前予約がおすすめです。
アクセス
■電車の場合
富山駅から富山地方鉄道で約1時間45分
新黒部から富山地方鉄道で約30分
■車の場合
黒部インターから宇奈月駅まで約20分
宇奈月駅前に有料駐車場(約350台)があります。
※乗車手続きのため、約20分前までにお越しください。
2タイプの車両から選ぶ
※2026年4月現在は、宇奈月駅~猫又駅間の一部区間折り返し運転となっており、釣鐘駅、欅平駅へは行くことができません。10月以降の運行区間は未定です。
4月中旬から11月末の期間、壮大な峡谷を駆け抜けるトロッコ電車。客車タイプは2種類、旅の目的や気分によって選ぶのも楽しみのひとつです。
○普通客車
窓がないオープンタイプ。座席は横一列4人掛け。運賃のみ。車内を吹き抜ける風を感じ、黒部川のせせらぎを聞きながら絶景を楽しめます。
○リラックス客車
開閉可能の窓付きタイプ。座席は転換できるクロスシートで横一列3人掛け。運賃+600円。ゆったり旅を堪能できます。時刻によっては乗降口が大きいバリアフリータイプの客車もあります。
すべて定員制で、全員座って旅を楽しめます。峡谷は夏でも肌寒いことがあるので、普通客車に乗る場合は上着を用意しておくと安心ですよ!
トロッコ電車の車窓から絶景を楽しもう!
トロッコ電車の醍醐味は車窓から絶景を楽しめること!黒部川の清流とともに、春は新緑を、秋は燃えるような紅葉を車窓から堪能できます。行きは進行方向の右手側に絶景ポイントが集まっているので、座る位置にもこだわってみましょう。また、車内放送では黒部峡谷のみどころをご案内。地元富山県出身の室井滋さんの素敵なナレーションに耳を傾けながら絶景をお楽しみください!
ー宇奈月駅〜黒薙駅間
始発の宇奈月駅を出発するとはやくもみどころ満載です!
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新山彦橋
宇奈月駅を出発してすぐ、最初に渡る真紅の鉄橋。渓流からの高さは約40mあり、電車から下を覗き込むと思わず歓声が出るほど!列車が鉄橋を渡る音がやまびこのように温泉街に聞こえることからこの名がつきました。
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うなづき湖
宇奈月ダム完成によって生まれた人工湖。エメラルドグリーンの湖面と黒部峡谷の大自然は写真に収めたくなる美しさ。湖にはサルが対岸に渡れるように作られた吊り橋(サル橋)があり、運が良ければ渡る様子が見られるかも!
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新柳河原発電所
湖に浮かぶヨーロッパの古城を思わせる美しい佇まいはなんと水路式の水力発電所!1993年、宇奈月ダムの完成により水没した柳河原発電所の替わりに建設されました。
ー黒薙駅~猫又駅間
黒薙駅を過ぎると峡谷の自然美が続きます!
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後曳橋(あとびきばし)
黒薙駅を出てすぐに渡る青い鉄橋。沿線で最も険しい谷に架かる橋は黒薙川の川底まで約60m!入山者が谷の深さに思わず後ずさりしたことから「後曳」と呼ばれています。車窓からもスリリングな景観が味わえます!
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出し六峰
出平駅の少し手前にある出し平ダムの奥に見える「出し六峰」。1つの大きな山の山頂部が6つの峰に分かれてそそり立っています。峡谷の凛とした空気のなか、湖に向かって尾根が切り込む姿はまるで水墨画のよう。
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ねずみ返しの岩壁
猫又駅に近づくあたりから見える、高さ約200mの大岩壁!猫に追われたねずみも登れずに引き返すほど切り立っていることからこの名がつきました。紅葉の時期は岩肌の美しい紅葉に魅せられます。
トロッコを降りて秘境を体感しよう!
車窓からの風景を堪能したらトロッコ電車から降りてみましょう!鐘釣駅から終点の欅平駅周辺には大自然を感じるスポットや秘湯、秘境散策など魅力が満載です。往復乗車券での途中下車はできないので、途中駅のスポットに行きたい場合は最初に下車する駅までの片道乗車券を購入しましょう。
※2026年は、9月30日まで宇奈月駅~猫又駅間の一部区間折り返し運転となっており、釣鐘駅、欅平駅へは行くことができません。10月1日以降の運行区間は、7月上旬までにご案内予定です。
ー猫又駅周辺
本来「猫又駅」は、工事関係者のための駅で、一般乗客は、乗降ができないのですが、現在は折り返し運転のため、期間限定で新たにホームが新設され、「猫又駅」で乗降できます。
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フォトスポット
「猫又駅」にちなみ、「猫に追われているネズミに追われている」ような写真を撮影できます。手前のスマホスタンドにスマホを乗せて、広角で撮影するとキレイに写すことができます。
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展望台
展望台からは、対岸の黒部川の景色を眺めることができます。
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ー鐘釣駅周辺
鐘釣駅周辺では秘境ならではのスポットも楽しめます。
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鐘釣河原
鐘釣駅から10分程歩いた所にある階段を下りて黒部川へ。河原では水遊びをお楽しみください!ひんやり冷たい水に手足をつけて夏の涼をとりましょう。河原からは温泉も湧き出ており岩風呂や足湯も楽しめますよ。
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黒部万年雪展望台
百貫山に降った雪が雪崩によって谷に積み上がり、雪の塊となったものがすべて解ける前に冬を迎えることもあるため、「万年雪」となります。対岸の展望台から雪渓を間近で見られます。5月頃から初夏がおすすめ。鐘釣駅から徒歩約3分。
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国内では珍しい鐘釣駅スイッチバック
断崖絶壁の黒部峡谷。駅の両側に勾配があって狭く、電車がすれ違うスペースが確保できなかったため、「スイッチバック」という方法で、上りと下りの列車交換を行っています。本線から引き込み線に入って一度停車。発車する際に一旦バックして本線に入り、出発します。国内では数少ないスイッチバックは鉄道ファンのみならずとも必見です!
ー欅平駅周辺
欅平駅周辺の代表的なスポットをご紹介します。
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猿飛峡
もっと見る国の特別天然記念物と特別名勝の両方に選定されている、黒部峡谷を代表するスポット。黒部峡谷本流で最も川幅が狭く、両岸の断岸が迫る壮観な風景に圧倒されます。別名「景雲峡」。(現在遊歩道が補修中のため、猿飛峡へ行くことはできません)
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奥鐘橋
黒部川の本流に架かる朱塗りの橋は、奥鐘山や名剣山などを見渡せる絶景ポイント。高さ34mからの迫力ある景色に吸い込まれそう。欅平駅屋上展望台から見る橋の朱色と山々のコントラストも必見。
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人喰岩
欅平駅から奥鐘橋を渡ると見えてくる、岩壁をえぐり取って造られた歩道。頭上に迫る岩肌は歩く人を飲み込むようかのに見えて迫力満点!人気のフォトスポットです。
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欅平ビジターセンター
黒部峡谷の自然や開発の歴史を紹介。欅平周辺のスポットや登山道の状況などをリアルタイムに案内しています。広場には大きな木のベンチがあり、散策途中に気軽に休憩できますよ。
トロッコ電車でしか行けない秘湯をめぐろう!
黒部峡谷の秘湯中の秘湯をご紹介します。
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黒薙温泉旅館(黒薙駅)
1645年に発見された峡谷最古の温泉。混浴大露天風呂は河原に隣接しているので、大自然に包まれながら癒やしのひとときを過ごせます。女性専用露天風呂や内湯もあり、日帰り入浴も楽しめます。黒薙駅から徒歩約20分。
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鐘釣美山荘(鐘釣駅)
鐘釣駅に隣接し黒部川を挟んだ対岸に万年雪を望み、黒部峡谷の自然をゆっくり満喫できます。部屋の窓からはトロッコ電車が走る光景が見ることが出来ますよ。宿泊や軽食も楽しめます。
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欅平温泉猿飛山荘(欅平駅)
欅平駅から徒歩約5分。散策中に立ち寄る日帰り入浴やお食事がゆっくりできる猿飛山荘。峡谷の原生林に囲まれた露天風呂は男女別になっていて秘湯情緒を堪能できます。岩魚や山菜を使った料理も味わえます。
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名剣温泉(欅平駅)
祖母谷川沿いの段崖にある名剣温泉。露天風呂は峡谷を見下ろす絶景!滝の音に耳を澄ませながら入る温泉は格別。きれいなお部屋と山菜料理に旅の疲れも癒やされます。欅平駅から徒歩約15分。
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祖母谷温泉(欅平駅)
欅平駅から歩いて約60分、黒部峡谷に奥深くある一軒宿はまさに秘境の湯!渓谷沿いにある露天風呂は開放感たっぷり。河原では湧き出す温泉と川の水で自分専用の露天風呂を造って楽しむことができます。
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黒部川電源開発で開かれた秘境 ~黒部峡谷と鉄道の歴史~
トロッコ電車の愛称で親しまれている黒部峡谷鉄道。黒部峡谷の秘境に列車が走るようになるまでには、大変な歴史があります。人々を寄せつけない秘境の地だった黒部峡谷は、降雨量が多く急峻な河川であるため、水力発電のための電源開発を行うのに適している地形でした。1923年、発電所などの建設に使用する資材運搬用鉄道として、トロッコ電車の敷設が開始されました。その後、電源開発のための工事は過酷を極めながらも、黒部川をさかのぼって柳河原、黒部川第二、黒部川第三、黒部川第四といくつもの発電所が建設されました。なかでも黒部川第四は通称「くろよん」と呼ばれ、世紀の大工事として今も語り継がれています。資材運搬用だったトロッコ電車は地元の方の生活用として走っていましたが、徐々に観光客が乗るようになり、1953年に「黒部鉄道」として旅客輸送へと移行し、黒部峡谷の観光が栄えるようになりました。
トロッコ電車に乗る前に!乗った後に!宇奈月温泉で癒やされよう
黒部峡谷の玄関口、宇奈月温泉は富山県随一の規模を誇る温泉地。1923年の開湯以来、多く観光客で賑わっています。宇奈月温泉のお湯は「美肌の湯」として有名!日本一の透明度ともいわれる無色透明、弱アルカリ性の泉質は肌に優しく、自分へのごほうびにぴったりです。トロッコ電車が運行する4月から11月はもちろん、冬の季節もおすすめ。源泉温度は約90度と高く、体の芯から温まって心も身体も癒やされます。温泉街には観光スポットや美味しいグルメのほか、散策途中に立ち寄れる足湯や日帰り温泉など魅力がいっぱい!ゆったりお楽しみください。
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宇奈月温泉に泊まろう
黒部峡谷の秘境も満喫したい!温泉でもゆっくり癒やされたい!という方は宇奈月温泉に泊まって両方楽しみましょう。絶景を一望できる露天風呂や富山湾の幸をたっぷり堪能できる夕食など、旅のひとときをお過ごしください。