冬は富山へグルメ旅、天然ぶりの美味しさに魅了される-1

冬は富山へグルメ旅、天然ぶりの美味しさに魅了される

真冬に美味しいものが食べたくなったら、富山を目指しましょう。寒ぶりは「富山湾の冬の王者」と呼ばれる存在で、富山に寒ぶりを美味しい料理で味わえる飲食店や宿泊施設がたくさんあります。ぶりしゃぶ、ぶり大根など絶品料理を味わえば、おなかも心も満たされます。

富山のブリが美味しい理由

ブリは日本各地で水揚げが行われている有名な魚ですが、なかでも富山湾の寒ブリは脂のノリがよく、抜群の知名度を誇ります。もともとブリは東シナ海がメインの産卵場で、夏から秋にかけて餌を求めて北海道付近まで北上し、冬から春にかけて脂肪を蓄えたブリが産卵のために南下します。水温が14度以下の場所を避けて移動していると言われており、富山湾での水揚げ時期も、その年の海水温の下がり具合によって決まります。
また、能登半島の付け根にある富山湾は、西側に半島が大きく広がり沿岸まで深い海底谷が続くため、天然の定置網となって、ブリなどの回遊魚を湾の奥まで誘い込みます。
さらに富山湾沿岸にある「越中式定置網」により、毎日新鮮な魚を水揚げすることができます。

富山県の西端(石川県側)にある氷見漁港に揚がるブリは「ひみ寒ぶり」とブランド名が付けられています。全国的な知名度の高さの理由は、大きく分けて3つあります。1つ目は富山県内で漁獲量が最も多いためで、過去10年間に水揚げされた富山湾のブリのうち、78%が氷見漁港に揚がりました。2つ目はブリがストレスを感じない定置網漁で漁獲されており、網が漁港の近くに仕掛けられているから。これにより味が落ちるのを防げます。3つ目は氷をたっぷりと使い、ブリを船上で沖締めにしているから。鮮度が保持された状態でブリが競り落とされされているのです。
(富山県水産研究所 海洋資源課  阿部さんにブリに関するお話しをうかがいました。)

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「鰤起こし」が豊漁のサイン!?-1

「鰤起こし」が豊漁のサイン!?

富山ではブリが揚がる少し前になると荒天が続き、猛烈な風が吹いたり激しい雷が鳴ったりします。富山の人は、この晩秋から初冬にかけての荒天を「鰤起こし(ぶりおこし)」と呼んで、ブリが揚がる合図だと考えてきました。荒天とブリの水揚げの関係は科学的に証明されているわけではありませんが、ちょうどブリが日本海を南下する時期と重なっているので、現代になっても地元の人々は「鰤起こし」に豊漁への期待を膨らませます。

本格的なシーズンを告げる「ひみ寒ぶり宣言」

氷見の漁業者や仲買人、氷見漁協の代表でつくる判定委員会は、ブリの大きさや質、水揚げ量を総合的に判断し、「寒ぶり」の本格的なシーズンを告げる「ひみ寒ぶり宣言」をしています。寒ぶりの品質を保つため宣言期間中は「ひみ寒ぶり」としてブランド化され、ひみ寒ぶりとして条件のそろった重さ6キロ以上で脂ののったブリが出荷されます。1本に1枚ずつ販売証明書が付けられ、統一の青い魚箱に入れて出荷されます。氷見漁協のホームページでは、宣言期間中に水揚げ本数の告知も行われています。終了宣言以降は数が減るものの水揚げは続くこともあり、飲食店や宿泊施設での料理の提供が続きます。

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ブリは出世魚

ブリは縁起のいい出世魚でもあり、富山ではモジャコ→ツバイソ→コズクラ→フクラギ→ガンド→ブリというように、成長段階で呼び名が変わります。新年や祝い事などハレの日に食べるのも出世魚だからです。

多彩な食べ方で「ひみ寒ぶり」を味わう

極上の旨味を堪能できる「ぶりしゃぶ」
刺身でも味わえる鮮度抜群の「ひみ寒ぶり」を出汁に泳がせてからいただく「ぶりしゃぶ」は、ぶり料理の中でも特に人気があります。出汁にくぐらせたブリは、ほどよく脂が落ち、中はレアの状態。熱が入ることで身がギュッと締まるので、ブリの旨味が凝縮します。野菜とともに、ポン酢や大根おろしでさっぱりと堪能するのがおすすめ。

鮮度が光る「ぶりの刺身」
「ひみ寒ぶり」の美味しさを、ダイレクトに味わうなら刺身がおすすめ。水揚げ地だからこそ、素材の魅力を感じるシンプルな食べ方でいただきましょう。腹身と背身では脂のノリや身の締まり具合が違うので、刺身なら部位ごとの美味しさの違いを知ることもできます。地元で醸造された甘めの醤油とも相性抜群です。

富山の郷土料理「ぶり大根」
ぶり大根は富山を代表する郷土料理で、ブリのアラを使って作られます。アラを使うことで、ブリの身も旨味も余すことなく十分に味わえます。もともと大根が美味しくいただけるよう考えられた料理で、作ってすぐではなく、よく味が染み込んだ翌日以降に食べるのが一般的です。味付けは醤油ですることが多いですが、味噌で作るお店や家庭もあります。濃厚なブリの旨味を抱えた熱々の大根を頬張り、富山の冬の美味しさを感じましょう。

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「とやま食の匠」が腕が光る-1

「とやま食の匠」が腕が光る

氷見市の中心部にある「秀月」は、地域で育まれた富山の食を伝承する「とやま食の匠」の認定を受ける店主が腕を振るっています。氷見の新鮮な魚介を活かした会席、定食、丼などがメニューに並び、美味しい魚を食べに県外から足を運ぶ観光客もたくさんいます。一年で最も活気があるのは「ひみ寒ぶり宣言」期間中。このタイミングに訪れる場合は、早めの予約がおすすめです。春から秋にかけても、氷見の活魚を使ったおいしい料理が味わえます。

秀月

海を眺めながら、旬の海の幸を味わう

氷見市漁業文化交流センターの中には、すぐそばの氷見漁港で水揚げされた鮮魚が食べられる飲食スペースがあり、お食事の提供のほか新鮮な魚介、惣菜や加工品の販売を行っています。お食事も惣菜も、その日の仕入れで内容が決まるのが特徴で、当日の朝に氷見漁港に水揚げされた魚介を7~8種類のせた旬を伝える「氷見ちらし定食」が主役です。「ひみ寒ぶり」のシーズンは、ブリのいろんな部位をのせた「天然ぶりちらし定食」も人気を集めています。

ひみぶりフェア

氷見では毎年12月から2月にかけて、旅館、民宿、ホテル、割烹、寿司店、居酒屋でブリづくしの料理を堪能できる「ひみぶりフェア」が開催されています。ぶりの刺身、ぶりしゃぶ、ぶり大根、焼き物、寿司など、シーズンしか堪能できない多彩なブリ料理を味わいましょう。旅のプランに合わせて、お店や宿泊施設選びをしてみてくださいね。要予約がおすすめです。

氷見市街地(ひみ番屋街)までの交通アクセス 

海岸沿いに建ち、大小約30の専門店や飲食店が一堂に集結する氷見観光の中心的な存在です。食事処では漁港から直送された鮮魚を使った回転寿司をはじめ、氷見うどんなど地元の名物料理が味わうことができます。

●JR氷見線利用の場合
氷見駅から徒歩約20分

●車を利用の場合
能越自動車道 氷見ICから車で約5分

●「富山ぶりかにバス」利用の場合 
10月から3月は、富山駅前から「富山ぶりかにバス」が運行しています。氷見漁港前、ひみ番屋街で乗降できます。期間、出発時刻など、詳細は富山地鉄ホームページでご確認ください。

●「わくライナー」利用の場合
高岡から氷見へのアクセスは、あいの風とやま鉄道 高岡駅から北陸新幹線新高岡駅を経由して、氷見へ向かう「わくライナー」の利用も便利です。ひみ番屋街、ひみ阿尾の浦温泉、岩井戸温泉に停留所があります。運行日、出発時刻など、詳細は加越能バスホームページでご確認ください。

お土産は、氷見らしさを伝える海の幸を選ぼう

氷見漁港近くの商店街と「ひみ番屋街」に店舗を持つ「堀与商店」は、地元で造られた加工品を豊富に販売しています。もともと漁村だった氷見は一夜干しやみりん干し、塩ぶり、昆布締めなどの加工品の製造を行っており、今もその製法を受け継ぐ加工会社が数社あります。昔ながらの氷見の味を、お土産にしてみるのもおすすめです。

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氷見ージョ-1

氷見ージョ

氷見では魚介を使った加工品づくりが活発に行われています。近年発売になった「氷見ージョ」は、みりん干しの会社が発売する氷見イワシを原料にしたアヒージョです。常温で持ち帰れるのでお土産にしやすく、現代の食卓にも取り入れやすい商品です。パンや野菜に沿えたり、パスタソースにしたりするのもおすすめです。氷見-ジョ専用Instagram ID : himi_jo104

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海越しの立山連峰の眺めを楽しむ氷見温泉郷

氷見市内には、海岸沿いを中心にいくつもの温泉が点在し、「能登半島国定公園 氷見温泉郷」と呼ばれています。泉質はナトリウムー塩化物泉で肌がツルツルになるといわれ、「美肌効果抜群!」と評判です。また、眺望の素晴らしさも人気で海越しの立山連峰の眺めを楽しめます。ゆっくり景色を楽しみながら、新鮮な魚介料理を味わいながら、氷見ならではの贅沢を満喫しませんか。

冬は特別な季節

富山湾には約500種類の魚が生息するといわれており、春夏秋冬のいつでも新鮮な魚介が味わえます。冬は、ブリの他に、カニ、ゲンゲなど寒い時期ならではのおいしい味わいを楽しむことができる特別な季節です。

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氷見周辺のおすすめ観光スポット10選!-1

氷見周辺のおすすめ観光スポット10選!

氷見観光の決定版!おすすめ観光スポットやグルメ、アクセス方法などをご紹介します。
富山湾と立山連峰の絶景がさまざまなアプローチから楽しめ、美人の湯と評判な温泉も、ひみ寒ぶりや氷見牛といったグルメも揃う氷見。その魅力をたっぷりお届けします。

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