民芸と棟方志功、極上のアートに出会う-1

民芸と棟方志功、極上のアートに出会う

[富山旅10to5]新高岡駅からはじまる7時間の旅

名もなき職人の手から生み出された生活道具に「美」を見出した民芸運動。創始者の柳宗悦は、南砺市城端の善徳寺に逗留し、その思想の集大成として『美の法門』を書き上げました。また柳宗悦を師と仰いだ板画家・棟方志功は、南砺市福光の光徳寺に疎開していました。
富山と民芸のかかわりを知る旅に出かけましょう。新高岡駅を車で出発し、福光美術館、光徳寺、善徳寺をめぐります。そこから足を延ばして民芸の世界観が体現された五箇山へ。帰りは能越自動車道を走って一気に新高岡駅に戻りましょう。

南砺市立福光美術館

「世界のムナカタ」がわかる美術館

世界にその名を知られる板画家・棟方志功は、第二次大戦末期の昭和20年、家族とともに南砺市福光町に疎開し、6年8ヵ月を過ごしました。福光美術館では棟方が世界へ躍進する直前の福光時代に焦点をあて、調査、収集、展示を行っています。森の緑と野鳥のさえずりに包まれた立地も魅力です。

躅飛山 光徳寺

棟方が一気に描き上げた襖絵は圧巻!

棟方が疎開した当初、身を寄せていたのがここ光徳寺です。先々代の18世住職が棟方に福光への疎開をすすめたそう。一気に描き上げたという襖絵『華厳松』をはじめ、数多くの棟方作品を鑑賞できます。
光徳寺は一見普通のお寺ですが、山門をくぐると、境内にぽってりとした壷や鉢がいくつも置かれており、その不思議な景色に圧倒されます。18世住職は民芸運動への深い共感から、世界各地から工芸品を収集したそうで、お寺の各部屋にも展示されています。

【楽しさをプラス】福光・城端エリアでのランチ

「手打ちそば 蕎笑」は、南砺産100%の石臼挽き二八そばなど、地のモノを積極的に使った料理が楽しめるほか、ミシュランガイドに掲載された名店です。
また、民芸運動、創始者の柳宗悦は「そば猪口(そばちょく)」という器に特別な愛着を抱いていたといわれています。

福光・城端エリアででランチをするならこちら

  • 手打そば 萱笑

    手打そば 萱笑

    名物は地元富山県南砺市産の玄そばを、必要な分だけを石臼挽きにして使用したこだわりの本格そば。

    手打そば 萱笑
  • ランソレイエ

    ランソレイエ

    南砺市の豊かな大地で作られる無農薬・減農薬野菜や富山県産のお肉や魚をふんだんにつかったフレンチレストラン。
    ランソレイエ
  • エピスリースリジェ

    エピスリースリジェ

    地元野菜を使ったサンドイッチが美味しい、週末だけ開くパン屋さん

    エピスリースリジェ
  • レストラン ジョウハナーレ

    レストラン ジョウハナーレ

    地産地消の食材で和食や洋食等が頂ける。専属パティシエ特製のスイーツは要チェック。

    レストラン ジョウハナーレ

城端別院 善徳寺

『美の法門』が生まれた場所

南砺市城端は石畳や細い路地が残り、坂の多い地形とあいまってノスタルジックな空気が流れるまちです。その中心に建つ善徳寺は、室町時代に本願寺第8代蓮如上人により創建され、今に至るまで真宗王国・富山の核を担っています。
民芸運動の創始者である柳宗悦は、この善徳寺に62日間逗留し、思想的な集大成として『美の法門』を書き上げました。最近は、柳宗悦の足跡をたどって訪れる人が増えているそうです。

国指定重要文化財 村上家

合掌造りの構造や暮らしぶりを知る

城端から国道304号線を進めば、五箇山に出ます。村上家は五箇山で最も古い合掌家屋のひとつ。約400年の歴史を伝える建物内に数千点の民俗資料が展示されています。

五箇山 相倉 合掌造り集落

おとぎ話のような風景に癒やされて

五箇山の相倉と菅沼の2つの合掌造り集落は、岐阜の白川郷とともにユネスコの世界文化遺産に登録されています。いずれの集落でも人々は日常の暮らしを営んでおり、世界的にも珍しい「人が住まう世界遺産」です。
相倉集落には、20棟の合掌造りの家屋が並びます。山間の気候風土に合わせて発達した合掌造りの家屋と、そこで育まれた独自の生活文化には、民芸の世界観が凝縮されています。 

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