おわら風の盆2025|幻想の町流しをめぐる八尾の夜【アクセス・鑑賞ポイント・楽しみ方まとめ】
編み笠を深くかぶり、三味線や胡弓の音色に合わせて静かに踊る姿——。富山市八尾で毎年9月に行われる「おわら風の盆」は、300年以上の歴史を持つ幻想的な祭りです。石畳の町並みにぼんぼりが灯り、ゆったりと流れる踊りと音色が訪れる人を別世界へと誘います。
本記事では、2025年の開催スケジュールやアクセス方法、観賞のコツ、そしておすすめの楽しみ方まで徹底解説。
八尾の町流しを歩きながら、地元グルメや近くのスポットも巡ってみませんか。旅の計画づくりに役立つ完全ガイドです。
「おわら風の盆」とは
「おわら風の盆」は、富山市八尾町で毎年9月1日から3日にかけて開催される伝統ある祭りです。この祭りは江戸時代から300年以上続いており、秋の訪れを告げる風物詩として親しまれています。編み笠をかぶった踊り手たちが、胡弓や三味線、越中おわら節の唄の調べに合わせ、静かで優美な舞を披露します。歴史ある街並みと相まって、その光景はまるで時代を超えた幻想的な世界へ誘われるかのようです。
おわら風の盆の日時とアクセス
●日時
9月1日(月)・2日(火)17時~23時
(交通規制:16時~24時)
9月3日(水)19時~23時
(交通規制:18時~24時)
●アクセス
<電車の方>
JR越中八尾駅下車(JR高山本線):JR富山駅から25分~30分
<車の方>
富山インターまたは富山西インターから40~60分
駐車場:八尾スポーツアリーナ、八尾クリニック(協力金3,000円/台)
「おわら風の盆」の楽しみ方と見どころ
三味線や胡弓の音色に合わせて舞う優雅な踊り、情緒あふれる八尾の町並み、そして祭りの雰囲気を存分に味わえる見どころなど、初めて訪れる方にもわかりやすく、おわら風の盆の魅力や楽しみ方をご紹介します。
【見どころ①】 町流しと支部ごとの魅力
おわら風の盆の期間中は、毎日午後5時ごろから、11の支部がそれぞれの踊りや衣装、唄を披露する「町流し」が始まります。支部ごとの個性あふれる踊りを眺めながら街を歩いたり、八尾町内の神社で優雅な舞を鑑賞したりするのは、この祭りならではの醍醐味です。
例えば、越中八尾駅前では福島支部による最大規模の町流しが行われ、東新町支部では早乙女衣装を着た小学生が可愛らしい舞を披露します。さらに、諏訪町では夜の石畳に映える情緒たっぷりの踊りが楽しめます。
ー11支部の特徴をご紹介
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西新町
腰を深く落としてから大きく伸び上がる男踊りと、繊細かつ優美な女踊りが相まった町流しは、見応え十分。
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東新町
若宮八幡宮の境内で披露されるおわらには独特の風情がある。小学生の女子が早乙女衣装をまとって踊るのが支部の特徴。
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諏訪町
東新町へ続く緩やかな坂道に雪洞(ぼんぼり)が並び、坂のまち風情を色濃く残す。
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鏡町
かつて花街として賑わった場所で、女踊りには芸妓踊りの名残があり、女踊りの艶と華やかさには定評。おたや階段に座って鑑賞できる。
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上新町
旧町で一番道幅が広く、比較的町流しを見やすい。午後10時からはじまる「大輪踊り」は、観光客も輪に入って踊ることができる。
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東町
かつては旦那町と呼ばれていた町。他支部と違う色合いの女性の衣装が特徴。
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西町
土蔵造りの酒造や格子戸の旅籠など情緒あふれる建物が残る。昼間には、禅寺坂を下った先の禅寺橋で、荘厳な石垣を背景に輪踊りを繰り広げる。
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今町
聞名寺の正面に位置する町。戸数が少ないため、一家総出で参加したり、今町を離れた人も参加して守り継いでいる。
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下新町
勾配のある坂道がある地区で、坂の中腹に八幡社がある。鮮やかな朱色を基調とした女性の浴衣が特徴的。
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天満町
おわらの唄の上句の途中に「よっこらしょ」と囃子が入る。音程を下げて力強く歌う独特の唄いを聴ける。おわらの情緒に触れる最初の場所として、多くの人が訪れる。
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福島
11の支部で最大のおわら人口を誇り、大人数で広い通りを埋め尽くす様子は迫力満点。越中八尾駅のそばの特設舞台でステージ踊りも披露される。
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ー11支部の踊りの場所はこちら
地図上の各支部のエリアの主要道路を中心に町流しが行われます。
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【見どころ②】 昼と夜で変わる風情を堪能
明るい時間の町流しでは、踊り手の表情や浴衣の美しさ、細やかな振り付けに注目できます。一方、夜が訪れると町全体がぼんぼりや夜灯りに包まれ、幻想的な雰囲気が漂います。灯りに照らし出された踊りは、まさに「おわら風の盆」の醍醐味と言えるでしょう。
【見どころ③】競演会ステージでの鑑賞
初めて訪れる方は、富山市八尾曳山展示館ホール(屋内)での競演会ステージ(有料)での鑑賞もおすすめです。混雑を避けながら、踊りについての説明を聞きつつ、ゆったりとその美しさを堪能できます。
【見どころ④】屋台グルメやお土産
曳山展示館前のロータリーや町なかの空き地には、屋台やキッチンカーが立ち並び、祭りをさらに盛り上げます。香ばしい匂いに誘われて立ち寄れば、焼きたてのグルメやご当地ならではの味に出会えるのも魅力のひとつ。踊りの合間には、地元の人や観光客でにぎわい、食べ歩きを楽しむ笑顔があふれます。
また、屋台では旅の思い出になるようなお土産や雑貨も販売されており、祭りを歩きながら“ここだけの一品”を探す楽しみも。舞の余韻に包まれながら味わうグルメや買い物体験は、おわら風の盆を訪れる人だけが味わえる特別な時間です。
おわら風の盆のオリジナルグッズ
・うちわ
八尾町在住のイラストレーター・坪田千生(つぼた ちなり)さんがデザイン。おわら風の盆が行われる11町の「町紋」が描かれた、記念に残る一品です。
・2026年カレンダー
11町それぞれの光景を楽しむことのできる見応えたっぷりの月めくりカレンダー。今年はサイズが拡大しておわらの臨場感もアップし、さらには各町のおわらのスナップ写真が楽しめる二次元コード付いて、おわら風の盆の風情をより深く味わうことができます。
オリジナルグッズは、八尾曳山展示館で販売しています。八尾曳山展示館では、オリジナルグッズの販売に加え、地元グルメを味わえる飲食屋台が登場。競演会ステージ(有料)も開催され、おわら風の盆の雰囲気を、目で、耳で、味で、たっぷりと満喫
できるスポットです。オリジナルグッズはインターネットでもご購入いただけます。
オリジナルグッズに関するお問い合わせは、八尾観光協会までお願いします。
会場近くのおすすめスポット
八尾おわら資料館
おわら風の盆の歴史、歌詞や踊り、地方について詳しく紹介している施設です。映像展示室では、幻想的で優美なおわらの映像が大画面で上映されています。踊り子のように編み笠を被って写真が撮れる大パネルも人気が高いそう。格子戸と日本瓦葺き、漆喰仕上げの美しい町屋の佇まいにも魅了されます。
福鶴酒造
嘉永元年(1848年)創業の福鶴酒造は、八尾に佇む、歴史ある酒蔵です。店内では、常時4~5種類の地酒を飲み比べでき、代表銘柄の「風の盆」シリーズは、淡麗辛口でスッと飲みやすく、食事にもよく合います。中でも「純米酒 風の盆」は、有機JAS認定の富山県産コシヒカリを100%使用した、芳醇で安心な一杯。全国的に知られる「おわら風の盆」の町で、伝統の味わいをぜひ楽しんでみてください。
玉旭酒造
『玉旭(たまあさひ)酒造』に足を踏み入れると、まず目を引くのは店内の試飲サーバー。専用コインを入れると、常時さまざまな種類の日本酒を自分で注いで飲み比べできます。さらに、日本酒ラベルをデザインした缶バッチガチャも人気で、“あたり”が出れば同じお酒をそのままプレゼント。遊び心いっぱいの仕掛けに、大人もつい夢中になります。
玉旭酒造は県内屈指の老舗蔵元ながら、熟成期間を短くしたり特徴的な酵母を使ったりと、セオリーに縛られない酒造りが魅力。甘くフルーティーなものから発泡タイプまで、どれも個性豊かな味わいです。仕込みにはすべて富山県産米を使い、地元の人と共に育てた米や北アルプスの伏流水が一杯一杯に息づいています。代表銘柄は、娘のように大切に育てられた「おわら娘」。ここでしか出会えない一本を、ぜひ体験してみてください。
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「おわら風の盆」の情報確認
詳細は公式の「おわら風の盆行事運営委員会」ホームページをチェックしてください。交通アクセスや宿泊計画をしっかり立てて、豊かな情緒に満ちた「おわら風の盆」の世界を心ゆくまでお楽しみください。