「おわら風の盆」の八尾巡り!風の盆に想いを寄せてノスタルジックな気分にひたる
富山市八尾(やつお)は民謡おわら節の調べで踊る祭「おわら風の盆」で全国的に知られています。
お祭りのない日常の八尾は、どこか懐かしいノスタルジックな雰囲気。今回はしっとりとした雰囲気で愉しむ八尾散歩をご紹介します。
【1.手打ちそば 高野】太めの蕎麦に出汁の旨味
〜手打ちにされても 八尾の蕎麦だよ ちょっとやそっとで なかなか切れない 〜
〜八尾よいとこ おわらの出たとこ そばは名物 良い紙たんと出る〜
おわらの歌詞にも唄われるように、八尾は昔からおいしいそばの産地でもあり、近辺にもおそば屋さんが多くみられます。
明治25年創業の「高野」は4代目のご夫婦が切り盛りしている老舗のそば屋です。
こちらの蕎麦は北海道産のそば粉と小麦を6対4で打ったつるっと滑らかで歯応えのある平打ち麺。温かいそばは甘めのやさしいお出汁がよくあいます。
「千両そば」は甘辛く煮たニシンに海老の天ぷら、ナメコ、玉子、トロロと具材のフルコース。お出汁は最後の一口まで飲み干す美味しさ。麺も具も食べ応えがあり、大満足できる一杯です。
手打ちそば 高野(たかの)
住所:富山市八尾町西町2232
営業時間:11:00〜19:00
駐車場:なし
定休日:水
【2.こどもや村井商店】100円で楽しむ世界線
物価高と言われている今。100円で楽しむ世界線は、まだ八尾に残っています。
終戦後から80年近く営業する「こどもや村井商店」は今や絶滅危惧種とも言える貴重で尊い駄菓子屋さんです。
こどもたちに予算200円でどれだけ買えるかお題を出したところ、計算しながら一生懸命購入していました。
中には5円の飴や10円のガムまで。タイムリープしたのかと錯覚しました。「秋には値上げするかもしれんけどね」と店主・村井さん。
八尾の福島地区にある「餅の苗代屋」。こちらのアイスキャンデー「餅 愛す」も「こどもや」で販売されています。
「餅 愛す」は葛粉で作った皮でサッパリとしたフルーツのアイスを包んだモチモチのアイスキャンデー。見た目もハート型でとってもキュートです。
こちらのアイスキャンデー(150円)は当たりがでるともう1個プレゼントされます。
そして…
試しに購入してみたところ、なんと「あたり」が!「当たりが2回続けて出る人もいるよ」と店主・村井さんに言われたところ
なんと…
2回連続で当たりが出ました!!!!
10個に1つ当たりがあるそうです。
モモとミカンを2つもいただきました。
フルーツはコンスタントに変わるそうなので、また違う味も試してみたいと思います。
駄菓子には当たりが出るともう一個楽しめるエンタメ性もあります。その面白さもこみでぜひ楽しんでみてください。
こどもや 村井商店
住所:富山市八尾町東町2082-4
営業時間:7:00〜18:00、日曜9:00〜18:00
駐車場:なし
定休日:なし
【3.桂樹舎】型染め和紙の佇まい
八尾の和紙づくりは室町時代(1336年~1573年)から。
養蚕業と養蚕のための紙の生産、日本全国に名を馳せた“富山の売薬”の包装紙の生産などで繁栄しました。
その後、紙生産の産業は減少していきましたが、民藝運動に深く共感した吉田桂介氏がこの地に越中和紙「桂樹舎(けいじゅしゃ)」を創立。
日本民芸運動の創始者である柳宗悦が「感心した紙の一つは越中八尾の産である。…如何にも和紙らしい和紙である」と著書『和紙の美』でも述べるほど八尾の和紙は全国的にも知られています。
桂樹舎の和紙はなんといっても型染めの美しさ。
型の持つキレの良さと和紙の独特の風合いが相まって、唯一無二の存在感を醸し出しています。
重要無形文化財「型絵染」の保持者で人間国宝、芹沢銈介が手掛けることになり今のスタイルが確立したそうです。
インテリアにもなる芹沢銈介型染めカレンダーは、現在も一枚一枚手作業で制作。販売時期は毎年秋頃から発売しています。
そのほか、デザイン性の高い「鯉のぼり」や。日本に多い苗字をパターン化した封筒など、お祝いやお土産にピッタリなアイテムが並んでいます。
…と取材してきたことを書いてみましたが
兎にも角にも桂樹舎の和紙は独特のデザインと佇まいが美しく、オススメです。ぜひお店で手にとって独特のデザインと和紙の風合いをお試しください。
【4.林盛堂本店】食べる民藝
林盛堂本店は老舗の和菓子屋さんです。
明治初期に富山市八尾町上新町にて和菓子屋「さゞや」として創業し、今は八尾町福島でお店を構えていらっしゃいます。
こちらの和菓子は味だけでなく、パッケージデザインにも特徴があります。
八尾地区に伝わる和菓子「玉天」。林盛堂本店では「おわら玉天」として販売しています。
「おわら玉天」は卵白ベースのふんわりとした淡雪羹に黄身の衣をまとわせ焼き上げた、マシュマロのような和菓子です。
独特の優しい歯応えと甘さで、私も子供のときから大好きです。
こちらのパッケージ。薄葉紙に淡いグリーンで刷られたロゴマークは、かの有名な版画家の棟方志功(むなかたしこう)が手がけたそうです。大胆に彫られた力強い線が特徴です。
バター生地に細かくきざんだマロンあんとフルーツの洋酒漬けを混ぜ込んで焼いた「あまんだら」。
自家製粉の小豆粉を季朝餅木型の幾何学文様で形を整えた「ひしきりこ」。
同店ののれんや看板、パッケージは、「桂樹舎」創始者 吉田桂介が手掛けたものも。桂樹舎ならではの型染めの美しさがお菓子にも活かされ続けています。
どのお菓子もどこか懐かしく素朴でありながら、凛とした印象を感じます。お土産にオススメですよ。
【5.喫茶 明日香】昭和レトロを感じる喫茶店
八尾が全国的に知られるようになったきっかけの一つが小説「風の盆恋歌」。その小説に登場する喫茶店のモデルとなったのが昭和54年に開業した「喫茶明日香」です。
地元の人たちに愛されているお店は昭和レトロな雰囲気。八尾を知り尽くした女将がいれるコーヒーを味わって、一休みしてみてはいかがでしょうか?
喫茶 明日香(あすか)
住所:上新町2632-2
営業時間: 8:30~20:30
駐車場:なし
定休日:なし
日常の八尾と「おわら風の盆」の時期の八尾は全く違う雰囲気。ぜひ平生の八尾もぶらりと散歩して、愉しんでみてはいかがでしょうか?
2025【おわら風の盆 特別企画】のご案内
VISIT富山県
【おわら風の盆特別企画】旧料亭・杉風荘(さんぷうそう)で愛でる 「お座敷おわら」<お弁当・お休み処付>
アメリカの「The New York Times」の「2025に行くべき52カ所」でも紹介された、富山県を代表する伝統行事「おわら風の盆」。
その舞台となる富山市八尾地区は、江戸時代に養蚕業や飛騨と日本海を結ぶ交通の要所として栄え、富山藩の御納戸として隆盛を極めました。なかでも、おたや階段で知られる鏡町は、かつて花街として多くの旦那衆が集う華やかな町でした。
今年のおわら風の盆では、その歴史ある鏡町の旧料亭「杉風荘(さんぷうそう)」にて、優美な「お座敷おわら」を間近でご鑑賞いただける特別プランをご用意しました。
胡弓や三味線の哀愁漂う音色に包まれながら、優美な舞の世界へと誘われる贅沢なひとときをお過ごしください。
さらに、越中八尾おわら保存会の方による「おわらにまつわるお話」もお楽しみいただけます。
夕食には、地元で愛される和食店のお弁当をご用意。
また、こちらのプランの参加者限定で、15~22時まで、杉風荘をお休み処としてもご活用いだだけます。
歴史が息づく特別な空間で、心ゆくまで「おわら」の世界をご堪能ください。
■設定日 :2025年9月3日(水)
■時間 :【第1部】17:00~18:00 【第2部】18:00~19:00
■所要時間:約1時間
■料金 :おひとりさま(中学生以上)22,000円
■含まれるもの:お座敷おわら鑑賞料(スペシャルトークを含む)、お弁当代、施設使用料
■お申込み :下記リンクより詳細をご確認の上、お申込みください。