北陸新幹線で行く!富山駅周辺で 名物「ます寿し」を食べ比べ-1

北陸新幹線で行く!富山駅周辺で 名物「ます寿し」を食べ比べ

富山の郷土料理「ます寿し」

富山の名物と聞くと、真っ先に「ます寿し」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。それほど「ます寿し」は、全国的に有名な富山の郷土料理です。県民の中にはお気に入りの店を持つ人も多く、店ごとに味の違いがあるのも魅力です。丸型になったのは140年余り前で、神通川のそばにあった2軒の魚屋が作り始めました。笹を開くと魚が上になる「オモテ置き」、魚が下になる「ウラ置き」の2通りがあるのは、元祖となる2軒の魚屋で製法が異なり、それぞれの店で修行をした職人が美味しさを広めたからです。

神通川のサクラマスを使い、全国へ味を広める

誕生したのは江戸時代(享保年間)と言われ、料理が得意だった越中富山藩士の吉村新八が、3代藩主の前田利興に「鮎寿し」を作ったのが始まりとされています。利興が当時の将軍であった徳川吉宗に献上したところ、その味を褒め称られました。その後、春に神通川に遡上するサクラマスでも作られるようになり、これが現在の「ます寿し」の原型となりました。全国に広まったのは、大正時代ごろから駅弁に使われるようになったのがきっかけ。鉄道の発展とともに「ます寿し」の全国的な知名度がアップしていきました。

店ごとに、鱒の厚さや酸味、飯の硬さが異なる

木桶に入って笹に包まれている姿は同じですが、店ごとに素材を厳選し、製法も少しずつ異なります。マスは塩漬けにしてから洗い、合わせ酢で締めます。このときの分量の差、締める時間によって、味に違いが出るのです。ご飯の硬さも店ごとにこだわりを持っています。かつては重石を乗せる時間が長かったのですが、移動や輸送の手段が発展したことや人々の好みの変化など時代の移ろいとともに、重石を短時間にする店が増えました。輪ゴムで蓋を閉めているので、出来上がってからも熟成が進み、マスの旨味がご飯へ広がっていきます。
市内にある「源 ますのすしミュージアム」では、歴史の紹介や手作り体験を実施しています。

食べ比べには「ぐるっとグルメぐりクーポン」

富山駅ではおよそ100年前から駅弁として「ます寿し」が販売され始めました。富山駅で北陸新幹線を降りると、市内を走る路面電車(市内電車)に乗り換えられます。市内電車に乗って「ます寿し」の食べ比べに出掛けてみませんか。その際には、市内電車の1日乗り放題と「ます寿し」(1/8切)の交換クーポンがセットになった「ぐるっとグルメぐりクーポン」の利用がおすすめです。富山駅構内の「とやま観光案内所」や電鉄富山駅横にある「富山地鉄乗車券センター」で購入でき、引換券は2枚付きと5枚付きの2種類があります。

路面電車に乗ってます寿し店を巡ろう

市内電車は1日に何度も乗り降り可能で、クーポンを利用できるます寿し店は全7店舗。最寄りの停留所から徒歩5分以内とアクセスしやすい場所にあります。お店に到着し、クーポンを利用する旨を伝えれば「ます寿し」(1/8切)と交換してくれます。引き換え時間は15時頃まで(吉田屋鱒寿し店は14時まで)ですが、人気のあるお店は午前中で売り切れてしまう場合もあり、早めに訪れることをオススメします。クーポンは「ます寿し」以外にも街なかの和菓子や、北前船で栄えた港町岩瀬(大町通り)の各種グルメとも交換できます。お気に入りの1品を見つけてお土産にしましょう。

新味を次々と開発、富山らしい昆布入も[吉田屋鱒寿し本舗]

市内電車の通り沿いに店を構える『吉田屋鱒寿し本舗』は、マスの締め加減、酢飯の味わい、笹の香りのバランスがいい「ます寿し」を作っています。出来立て当日はマスも酢飯も柔らかく、翌日になると熟成が増して甘みも出てきます。3代目店主の吉田正寿さんは「お好みのタイミングで食べてください」と話します。この10年ほどで新商品が続々と登場しており、ばってら昆布ととろろ昆布を使った「昆布鱒寿し」や、切り込みの入った食べきりやすい棒鮨もあります。棒鮨にも、とろろ昆布や梅しそを使うなど、従来の「ます寿し」にはなかった味を作り出し、お客さんを楽しませています。

●『吉田屋鱒寿し本舗』へのアクセス方法
      市電[安野屋]電停から徒歩約1分

天然のサクラマスにこだわる[元祖 関野屋]

創業以来、製法と技を脈々と受け継いできた『元祖 関野屋』。天然サクラマスと富山県産コシヒカリを使い、従来の味わいを守っています。神通川に遡上するサクラマスの漁獲量が減ってからは、北海道沖の船上で神経締めされた魚を使うことでお客さんを満足させてきました。7代目の関野伸也さんは、東京にある富山県のアンテナショップで働いた経験の持ち主です。「ます寿し」を買い求める生の声をたくさん耳にしました。首都圏の人たちの声を生かし、近年は冷凍商品なども生み出して、富山の「ます寿し」界に新たな息吹をもたらしています。

●『元祖 関野屋』へのアクセス方法
  市電・環状線[丸の内]電停から徒歩約5分

家宝の青石で「ます寿し」を押す[川上鱒寿し店]

毎朝6時半に店が開く『川上鱒寿し店』は、早い時間帯に県外へ出発する人にとても重宝されています。マスは肉厚で酸味の少ない素朴な味付け、お米は富山県内でも自然豊かな場所で実ったコシヒカリを使っています。酢飯の粘りと甘さが、マスの酢加減と相性がいいのが魅力です。店頭に置かれた25kgある青石は、毎朝「ます寿し」を押すのに使うもの。創業者が神通川の上流で拾ってきた、店の家宝でもあります。3代目の川上弥さんは、バックパッカーで世界を旅した経験を活かし、観光やビジネスで店を訪れた人たちに「富山に来てよかった」と感じるような接客を心がけています。

●『川上鱒寿し店』へのアクセス方法
  市電・環状線[丸の内]電停から徒歩約3分

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    富山市ガラス美術館は、世界的な建築家の隈研吾氏が設計を手掛けた複合施設「TOYAMAキラリ」内にあります。現代ガラス美術の巨匠デイル・チフーリ氏によるインスタレーション(空間芸術)作品をはじめ、国内外の現代グラスアート作品など、常設展に加え様々な企画展が開催されています。

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※この特集はJR東日本グループ(株)JR東日本びゅうツーリズム&セールスの旅行商品と連携した記事です

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