
入善町で様々なイベントを通じ、地域活性化をねらう
入善町商工会 青年部長 中村智也さん
県東部に位置する入善町(にゅうぜんまち)。豊富な水資源に恵まれており、この地では農業が盛んです。近年では、洋上風力発電の風車が海上に設置され、この町の新たな景観として定着しました。
この地で地域活性化に向けて様々なイベントを仕掛ける、入善町商工会青年部・青年部長の中村智也(なかむらともや)さんにお話を伺いました。
「水の町」入善
黒部川が形成した広大な扇状地が広がる入善町。黒部川や地下水などの水資源に恵まれています。「海洋深層水」やそれを使った牡蠣の浄化をはじめ、米、入善ジャンボ西瓜などの農業のほか、良質な水を求めて飲料メーカーの工場なども進出しています。
今回お話を伺った中村さんも、この地で電気工事業を営んでいます。中村さんは2023年の4月から入善町商工会の青年部長を務めています。「先輩方が築いてきた取り組みを次世代にもつないでいきたい」と奮闘しています。
地域への恩返しのために
入善町商工会では、「入善ラーメンまつり」の開催、「入善ふるさと七夕まつり」での一部の催しの企画・運営、「にゅうぜんハロウィンパーリィ」の実施といくつものイベント運営に携わっています。同商工会内には、それぞれのイベントの実務を担う実行委員会があります。中村さんはそれらのイベント運営の中心メンバーとして活動しています。
同商工会がここまで数多くのイベントを実施する理由を尋ねたところ、「わたしたちはこの地で仕事をして生計を立てている。地域の人たちへの感謝を還元し、この地を地域の外の人にも知ってもらうきっかけにもしたい」と、地域への思いを話していただきました。
「入善ラーメンまつり」
毎年2月に開催している「入善ラーメンまつり」は、入善を代表するイベントの1つです。2日間の開催でのべ3万人以上が来場し、全国各地から人気のラーメン店が一堂に集まります。2024年2月に24回目を迎えた同イベントですが、スタート時は地域のお店だけで始まった小さなイベントだったと言います。
「もともとはイベントが少ない冬に老若男女に楽しんでもらえるイベントとして始まりました。地域のラーメン店だけで始まったイベントですが、より多くの人に楽しんでもらえるように企画を改良するうちに大規模なイベントになっていました」と当時のことを教えてもらいました。
現在では全国から20店舗以上の人気店が集まるイベントとして、富山だけではなく近隣県からも人が集まるイベントに成長しました。集まるのは入場客だけでなく、ラーメン店からも出店希望の連絡が届くと言います。
また4~5年前からは、ステージイベントも実施するようになりました。タレントによるトークショーをはじめ、地元のダンスチームや獅子舞チームの発表など、地域で頑張る人たちのお披露目の場にもなっています。
「入善ふるさと七夕まつり」
「入善ふるさと七夕まつり」に同商工会は共催として参画しています。青年部は毎年子ども向けの催しを担当しています。「このお祭りは地元の人に楽しんでもらえるよう実施しています。子どもたちに楽しんでもらえるよう、毎年コンテンツは変えています」と話します。
商工会青年部には大工や電気工事士をはじめ、様々な業種のプロがいるため、力を合わせればいろいろなコンテンツが実現できるといいます。
「にゅうぜんハロウィンパーリィ」
ハロウィンの時期に開催している「にゅうぜんハロウィンパーリィ」も人気のイベントです。仮装をしながら催しを楽しめます。行う催しはさまざまな年代の参加者が楽しめるように企画しており、昨年は入善町産の食材を使ったバイキングの実施、今年は子ども向けの宝探し企画を実施しました。「このイベントでは、定員を超える応募がある年もあり、射水市や高岡市、糸魚川市など入善町以外の方も多く訪れてもらえます」と話します。
四季を通して訪れてもらいたい
年間を通してイベント運営に携わる中村さん。春はにゅうぜんフラワーロード、夏は入善ジャンボ西瓜、秋には新米が出て、冬はラーメンまつりと、イベントを通して入善の四季ごとの魅力も知ってもらいたいと話します。
「ラーメンまつりなどは規模も大きいため、商工会だけでなく農協さんの力も借りてイベントを運営しています。おそらく農商工が連携してイベントを実施しているのは珍しいのではないかと思っています。オール入善で力を合わせておもてなしするので、ぜひ足を運んでほしい」と語ります。