【冬の白木峰】一面銀世界!
多くの人々に愛される名山・白木峰の冬の姿をご紹介します!

  • 白木峰(1596m)山頂です

    白木峰(1596m)山頂です

こんにちは!富山県警山岳警備隊です。
『白木峰』・・富山県にお住まいの方は、普段登山をしなくても、この山の名前を聞いたことがある方は多いはず。
白木峰は「日本300名山」に選ばれており、初夏から盛夏に見頃を迎えるニッコウキスゲなど夏や秋には山頂周辺で美しい草原や池塘を見ることができる山です。
そんな白木峰の冬の姿や、登山を行う上での注意点について紹介します。

どうやって登るの?

普段山登りをしない方・・冬山登山の経験の浅い方は・・すみません、お1人では登らないでください!必ず経験豊富な方と一緒にお願いします。
登山口は夏と同じですが、国道471・472号線は大長谷集落先から岐阜県方面は冬季間車両通行止めとなります。
新雪が多ければ登山口までの『車道ラッセル』が必要になるかもしれません。

登山口などについては、白木峰登山ガイドをチェックしてください。

登山道の状況

では、冬に白木峰に登る人は誰もいないの?警備隊!なんてところを紹介してくれるんだ!と思いの方。いえいえ、世の中には『白木峰ファン』の登山者がたくさんいるんですよ!登山道には雪が降り積もり、時には深~い『ラッセル』が必要になることもありますよ!

山頂周辺からの眺望

車道を歩き・・『ラッセル』にあえぎながら辿り着いた白木峰の山頂!天気の良い日は見渡す限りの絶景です!剱岳、立山、白山・・・そして日本海!写真を撮る手が止まらない♪

積雪量とともに変化する白木峰の姿

冬の白木峰・・・一口に言っていますが、雪が降り始める12月と、しっかりと雪が降り積もる1,2月とではその姿は全く違います。
12月は、『わかん』や『スノーシュー』で登山をする方がほとんどです。一方で、積雪の多い1,2月は、周辺の山々に『スキー』で上り、滑走を楽しむ方も多く見られます。

安全に登山をするために

なによりも警戒しなければならないのは、やはり雪です。特に道迷いや雪崩には十分な警戒が必要です。そして忘れてはならないのは寒さ!風、日射、雪や雨による濡れ・・あらゆる要素により一気に体温は奪われていきます。夏とは違った美しさ、面白さを感じることのできる冬山登山ですが、一方で多くの危険を伴うことも、同時にご理解ください。
冬の白木峰を登りたい!という人向けに、特に注意していただきたい点を紹介します。
 

・転倒、滑落
白木峰は山頂周辺のたおやかな山容の印象が強い山です。しかし、実は山頂に至るまでには長い急登が続きます!夏には大活躍の『手がかりロープ』も雪が降れば埋まってしまいます。また、雪が少ない時期には、薄い雪と落ち葉のミックスで非常に滑りやすくなります。これが非常に歩きにくいので、転倒、滑落には十分に気を付けてください。
ルート状況とご自身の技量に合わせ、途中で引き返すという判断も登山においては非常に大切なことです。

・道迷い
視界不良時は特に警戒してください!平坦で目標物の少ない地形は、視界がなくなるとルート特定が非常に困難になります。GPS機器を携行し、いざという時に備えていただくことも大切ですが、猛吹雪の中では、GPS機器を起動させることもままならない・・ということもあります。安全が最優先です。ご自身の技量と相談し、天気の良い日に登ることをお勧めします。

・雪崩(落雪)
斜面を滑走するバックカントリースキー・スノーボーダーの方は、雪崩事故防止のため積雪の安定性に留意してください。特に多量の新雪が積もっている場合は、安易に斜面に飛び込むことのないよう注意してください。もちろん、大量降雪時には登山道上(尾根上)であっても雪崩が発生することもありますので、冬山登山者の方も十分な警戒が必要です。『自宅の周りで除雪が必要』そんな天気の時には、登山を控えることをお勧めします。

・低体温症、凍傷
低体温症や凍傷の対策には、レイヤリング(衣類調整)・ツェルトの携行・エネルギー補給などお願いしたいことはたくさんありますが、今回はルート上の安全地帯について事前把握しておくことの重要性についてお話します!
基本的に、悪天時は常に引き返しを意識した行動をしていただきたいというのが大前提です。ただ、もしもの時のために、ルート上の安全地帯はどこか?と調べておくことはとても大切です!白木峰には山頂の北側に『白木山荘』と呼ばれる立派な避難小屋があります(富山市が維持管理していますが、冬季はトイレが使えません)。山頂で吹雪かれ、風と寒さでもう歩けない。そんな時、この小屋の存在があなたの命を救うことになるかもしれません。

・通信環境
白木峰周辺は岐阜県との県境付近であり、携帯電波不感地帯(通信可能な場所もあります)であることも認識しておく必要があります。

おわりに

冬の白木峰の魅力、そして冬山登山の注意点、伝わったでしょうか?今後も富山県内の魅力的な山々や、登山に役立つ情報を紹介していきたいと思います!
以上、富山県警山岳警備隊でした!

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富山県 山のグレーディングとは?-1

富山県 山のグレーディングとは?

県内山岳関係者等によるワーキンググループを開催し、「自分の力量に合った山選び」に資する登山道の難易度情報の提供を目的として、県内の代表的な登山道のグレーディングを作成しました。グレーディングとは客観的な基準に基づく10段階の「体力度(キツさ)」と5段階の「技術的難易度(難しさ)」を組み合わせて、登山ルートの総合的な難易度を表現したものです。

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