【弥陀ヶ原】国際的にも重要な湿地であり、魅力がいっぱいの弥陀ヶ原周辺を散策してみませんか!

  • 剱岳北面と山岳警備隊員

    剱岳北面と山岳警備隊員

こんにちは、富山県警察山岳警備隊です。
先月デビューしたばかりの新人ふぉとやまライターになります。
『喧騒を離れ、ゆっくり静かに山を楽しみたい…』
そんなみなさまに、今回は立山黒部アルペンルートを利用して気軽に立ち寄ることの出来る観光スポット「弥陀ヶ原」を紹介します。

魅力がいっぱいの弥陀ヶ原

弥陀ヶ原は室堂の南西、標高約1600mから約2000mに広がる火山活動により形成された高原湿地です。周辺にはガキの田と呼ばれる池塘(゛ちとう゛水たまり)や湿原特有の植物が多く存在し、夏にはチングルマをはじめとする高山植物のお花畑、秋には真っ赤に染まるナナカマドの紅葉や雪化粧した大日連山等、季節毎に様々な風景が見られます。また、アルペンルートの開通する4月以降の残雪期には、山スキーやスノートレッキングも楽しめます。

また、貴重な自然環境として国際的にも認められており、称名峡谷を挟んで対岸に位置する大日平と共に、重要な湿地を保全することを目的とした条約である『ラムサール条約』にも登録されています。

周辺ルートの紹介

弥陀ヶ原にはいくつかの散策コースがあり、いずれも遊歩道が整備されているので、トレッキング初心者の方でも気軽に楽しむことができます。簡単に各ルートを紹介します。

1 西側 木道散策ルート

弥陀ヶ原西側には遊歩道(木道)や案内板、ベンチ等の休憩スペースがきれいに整備され、トレッキング初心者の方も安心して散策できます。ただし、雨で濡れた木道や、朝晩の露や霜がおりた木道はとても滑りやすく注意が必要です!過去に転倒による遭難事故も発生しています。

〇木道における注意点

遊歩道に綺麗に敷かれた木道も、傾斜が急なところや濡れているところは大変滑りやすく、転倒の原因になります。歩行の際は歩幅を小さくして慎重に歩きましょう。
そして靴も大切です!スニーカーや革靴は滑りやすいので、トレッキングシューズ等の滑りにくい靴を履きましょう!

〇自分に合ったコースを選択

四方に遊歩道(木道)が設けられていますので、自分の体力や時間に応じたルートを選択しましょう。アレンジは自由です!
トレッキング経験が少ない方は、「ガキの田広場」から分岐する内回りルートが安心です。所要時間は40分程度です。
弥陀ヶ原をゆっくりと味わいたい方は、外回りルートがおすすめです。北にそびえる大日連山や点在する池塘を眺めながら「一の谷分岐」、「追分分岐」を回るルートです。所要時間は1時間程度です。

2 南側の展望ルート

さて続いては、弥陀ヶ原南側にある2つの展望ルートを紹介します。
〇カルデラ展望台ルート
砂防分野で全国的に有名な立山カルデラを一望したい方は、カルデラ展望台ルートがおすすめです。展望台からは現在も崩壊を続ける大崩壊地や、鳶山、鷲岳等の山々が一望できます。天候に恵まれれば、刈込池や立山温泉跡等も望むこともできます。木道はなく少々のアップダウンもあり、一般的な登山道に近いルートです。所要時間は往復40分程度です。
〇松尾峠展望台ルート
同じく立山カルデラを眺めることが出来るスポット「松尾峠」を目指す周回ルートです。時期によってはミズバショウ等の高山植物を見ることもできます。所要時間は1時間10分程度です。
また、松尾峠は「日本最初の冬山遭難」と言われる、大正12年1月に発生した遭難事故現場としても、登山家の中では有名な場所です。

 

3 天狗平に向かう登山ルート

弥陀ヶ原から室堂方向への登山道には、足場の悪い場所や鎖場等があり、本格的な登山となります。過去転倒事故や道迷い遭難も発生していますので、装備品等の準備が必要です。
〇一ノ谷・獅子鼻岩ルート
 西側木道ルートから室堂方面に向かう上級者向けの登山ルートです。獅子鼻(ししがばな)岩周辺は本格的な鎖場となることから確実な足運びが必要です。また、距離も長いことから十分な体力も必要です。所要時間は3~4時間程度です。
〇旧道ルート
 弥陀ヶ原バス停からバス道路を室堂方向に数分歩くと、道路東側に登山口があります。登山者も少なく静かな山行を楽しめますが、小さい沢の横断等もあり滑りやすい場所もありますので注意が必要です。所要時間は2時間程度です。

おわりに

今回は、弥陀ヶ原の周辺ルートを紹介しました。
ぜひ、魅力がいっぱいの弥陀ヶ原を体感してみてください。くれぐれも転倒や道迷いにはご注意を!
それでは、新人ふぉとやまライター『富山県警察山岳警備隊』からでした!

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