寿司と自然・歴史・文化の、美味しい関係に出会う旅
1泊2日旅【氷見・射水・高岡編】-1

寿司と自然・歴史・文化の、美味しい関係に出会う旅
1泊2日旅【氷見・射水・高岡編】


富山県は、標高約3,000mの立山連峰から、水深約1,000mの富山湾に至る「高低差4,000m」の地形が、水や作物、海の幸などの多彩な恵みを生み出しています。また地域ごとに豊かな自然や風土、歴史を背景にした魅力あふれる文化や習慣が育まれ、大切に受け継がれてきました。

「天然のいけす」と言われる魚種の豊富な富山湾の魚介、肥沃な大地や雪解け水によって育まれるお米で握った寿司を楽しみながら、富山の個性や素晴らしさを発見する旅に出かけませんか。

地域の人たちの暮らしぶりを知る何気ないひとときが、旅に豊かさをもたらし、心に残る思い出を作ってくれるはずです。


それでは、1泊2日のモデルコース旅に出かけましょう。

モデルコースの巡り方

11:00 ー 内川周辺|【暮らし】
ノスタルジックな漁師町の川辺をのんびりと散歩


「日本のベニス」とも呼ばれている、富山県射水市にある内川エリア。海と海をつなぐ東西約3.4㎞の運河の両岸には漁船が係留されていて、漁師さんたちはここから富山湾へと出港します。どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせる漁師町は、川べりに民家にまじって、カフェや宿が立ち並んでいます。一本入った通りには、秋祭りに使われる曳山の倉庫、人が普段から使う商店街などもあり、港町の歴史や文化が感じられるとともに、暮らす人の息づかいまで聞こえるようです。のんびりと川辺を散歩し、心をフル充電させましょう。
 

【トピック】


10月から3月末にかけて、富山駅前から富山県西部の港町に行ける「富山ぶりかにバス」が運行しています。内川周辺を訪れるときは「川の駅新湊」で下車してください。
目の前にノスタルジックな港町が広がります。

11:30 ー IMATO|【食文化】
鮮度のよさが伝わる、塩分を抑えた手作り干物


内川沿いで干物や加工品を販売している『IMATO』。漁師でもある東海さんが、自ら採った魚や、新湊漁港の競りで買い付けた新鮮な魚を使い、富山湾の海洋深層水塩を最小限のみ加えた干物作りをしています。

どの商品も家庭で手軽に調理できること、子供からお年寄りまで幅広い世代に食べやすい味にすることが考えられていて、干物はまるで生魚を焼いたような食べ応え。また研いだお米に合わせて炊くとカニ飯が作れる「かにぼし」や「越の干蟹」、富山湾の海洋深層水塩を天日製法で仕上げた「いまとの塩」も好評です。事前に予約すれば、漁船を使ったプライベート富山湾クルーズもできます。

12:00 ー 浪花鮨 本店|【寿司】
店主が新湊の競りで目利きした、新鮮で良質な活魚を握る


1968年に創業した『浪花鮨』。二代目店主の京谷さんは、父である先代から暖簾を受け継ぎました。新湊漁港の競りに参加できる買参権を持ち、京谷さん自身が厳しい目で鮮度や品質を見極め、毎日良質な活魚を仕入れています。「新湊は底引きや一本釣りなどいろんな漁法があるから、富山県内の漁港の中でも魚の種類が豊富。店の魚はほとんど新湊に揚がったもの」と話します。

一目で新鮮さが伝わる魚介が美しく並んでいるのを眺めていると、握りへの期待感が最高潮に。舎利には甘みの強い富山県産のミルキークイーンを使っていて、新鮮な魚との相性が抜群です。

13:00 ー 中六醸造元|【食文化】
漁師町の食卓に欠かせない「中六醤油」をお土産に


『中六醸造元』は新湊地区で醤油と味噌の醸造をしている唯一の場所です。現在は4代目の板林さんが中心となって5人ほどで製造をしています。「中六醤油(あまくち)」は店の代名詞で、地元の家庭や飲食店で欠かせない味です。板林さんは「新湊に揚がる甘エビやイカなど、淡白な魚に合わせて掛け醤油に使ってもらっています。地元の人たちが、新湊の魚を、新湊の醤油で食べるのが一番美味しいと感じて選んでくださっている」と話します。味噌は漁師さんが船上で汁ものを作るときに使われてきたため、柔らかくて溶けやすく、塩分が濃いめ。魚介のあら汁を作るときにおすすめです。
 

【トピック】


13:33『川の駅 新湊』発の「富山ぶりかにバス」に乗車すると、14:05に『氷見漁港前』で下車できます。

14:15 ー HOUSEHOLD|【暮らし・風土】
氷見の日常を感じる海辺の宿で、寿司作り体験


氷見の海岸沿いにある『HOUSEHOLD』は、4階建てのビルをリノベーションした1日2組限定の宿。オーナーの笹倉夫妻は東京からの移住者で、2人で見つけたガイドブックには載っていない氷見の魅力を伝える宿の運営をしています。夕食は付いておらず、近くのお店に出かけたり食材を買ってきて宿のキッチンで調理したりして楽しみます

「本気の酢めしづくりからはじめる、富山の魚を愉しむ寿司作りプラン」は、自分の手で握った寿司を夕食にできるプラン。ネタは近所にある寿司屋の大将が捌いた、新鮮な富山湾の幸を用意してくれます。富山県産てんたかくを使った酢飯作りから、握りまでを体験でき、寿司職人気分が味わえます。

15:00 ー 姿鮮魚店|【暮らし・食文化】
地元の人たちが、日常づかいする鮮魚店


『HOUSEHOLD』の笹倉夫妻がおすすめしてくれたのが、宿から徒歩12分の場所にある地元のショッピングセンター『HAPPY TOWN』の中にある鮮魚店『姿屋』です。店先には、その日に水揚げされた新鮮な魚介が、ずらりと並んでいます。タイミングが合えば、店頭から魚介を捌く姿ものぞけます。

地元の人にも人気のお店で、お刺身や惣菜は並べたそばから次々と売れていきます。宿に持ち帰って、夕食のおかずに一品プラスするのもよさそうですね。

Column

氷見漁港の朝セリ-1

氷見漁港の朝セリ

氷見漁港の朝セリ

早起きして『氷見漁港』に行くと、6:00から開かれている競りを間近で見られます。見学者が入れるのは2Fのテラス。すぐ下で繰り広げられる威勢のいい競りの様子から、港町の活気が伝わってきます。『氷見魚市場食堂』も6:30から営業しています。

スポット情報|氷見漁港

9:00 ー ひみ番屋街|【食文化】
自然豊かな氷見の、美味しいものを集めた施設


港町のイメージが強い氷見ですが、実は山も近く、豊かな自然がたくさんの産物をもたらしています。新鮮な魚介を使った寿司、干物や煮干し、かまぼこなどの加工品のほかにも、氷見牛や氷見うどん、お米、梅干し、日本酒、ワインなど美味しいものが豊富にある土地です。

『ひみ番屋街』は、氷見の食材を生かした幅広いグルメが満喫できる場所で、歩いているだけでも楽しめるスポット。敷地内には天然温泉を利用した無料の足湯もあり、旅の疲れを癒すのもおすすめです。

Column

スポット情報|道の駅 雨晴-1

スポット情報|道の駅 雨晴

氷見駅から雨晴海岸を目指す場合は、JR氷見線を利用して雨晴駅で下車しましょう。歩いて約5分の場所には『道の駅 雨晴』があり、食事や休憩、お土産の購入ができます。また展望デッキが設置されていて、そこからの眺めも格別。目の前の道路と踏切を渡れば、海岸にも出られます。

道の駅 雨晴

12:00 ー クラフタン|【食文化】
富山の食文化を伝える、昆布締めの専門店


伝統的建造物群保存地区に指定されている山町筋にある『クラフタン』は、富山の郷土食である昆布締めの専門店です。江戸時代に北前船の寄港地だったことをきっかけにもたらされ、消費量が全国トップクラスになった富山の昆布文化を伝えています。

昆布締めは、お白身魚の刺身だけでなく、牛肉や鶏肉、野菜など、多彩な素材で味わえます。穏やかな昆布の味わいがクセになり、県外からのお客さんはお店で食べたのをきっかけに手作りする人もいるそう。小鉢や漬物にも昆布が使われ、昆布づくしのランチが味わえます。

13:30 ー 利三郎|【伝統工芸】
高岡鋳物の技術を継ぐ、金屋町の鋳物工場


伝統的建造物群保存地区に指定されている金屋町通りから一本入った場所に、風炉窯や風鈴、ドアノブなどを造る『鋳物工房 利三郎』があります。高岡鋳物の発祥地である金屋町で現在も鋳込み作業をする数少ない工場で、事前にお願いすれば見学できます。

工場では高岡銅器伝統工芸士の神初宗一郎さん、祐二さん親子が作業し、90歳になった宗一郎さんは「今も悩みながら、一つひとつ丁寧に造っている」と話してくれました。錫製品づくりの体験もでき、下絵を描いて砂型を作り、錫を流し込みます。自分で手作りした工芸品を思い出とともにお土産にしてください。

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