境内の隅々に漂う歴史に
心揺さぶられる寺院めぐり-1

世界に響く、とやま
境内の隅々に漂う歴史に
心揺さぶられる寺院めぐり

県内唯一の国宝である瑞龍寺をはじめ、瑞泉寺、勝興(しょうこう)寺、日石(にっせき)寺など、富山には時を超えた美しさを誇る寺院が点在しています。創建した古の人々の想いに触れ、心鎮まる寺院でのひとときは、富山の旅をきっと印象づけてくれることでしょう。

瑞龍寺で"お寺アート"を満喫

全国屈指の技術を集結させた伽藍はまさに美の集大成。

富山には堂々たる存在感を放ち、魅力的な建築美を誇るお寺が数多くあります。代表的なのが国宝でもある高岡市の瑞龍寺。ものづくりの町・高岡の開祖、前田利長の菩提寺として約380年前に創建されました。かつては「北陸の平等院」との異名を持ったほど、細部に至るまで美が追求されています。


山門と法堂をつなぐ回廊に囲まれた敷地は黄金比率に忠実に設計され、左右対称の伽藍配置、赤と青の戸室石を市松に配した参道、樹齢600年もの欅の木目を雲海に見立てた仏殿など、当時の最高峰の材料と技が集められており、江戸時代初期の禅宗寺院建築として高く評価されています。住職やガイドさんの丁寧な案内にも是非耳を傾けてみて。教科書では学ばなかった驚きのエピソードやユニークな考察も聞きどころです。


瑞龍寺には、前田利長、前田利家、織田信長、側室正覚院、織田信忠、それぞれの石廟(特定の人物を祀る石の建物)もあります。禅堂と法堂を繋ぐ回廊の裏手にあり、福井の笏谷(しゃくだに)石が使われています。境内には前田家しか使えなかった赤と青の戸室石も使われていて、滋賀の穴太(あのう)衆と呼ばれる伝説の石工らも造築に参加するなど、全国各地の当時最高峰の素材と技が集約されています。

瑞龍寺の伽藍配置の秘密

そこに立ってみて初めてわかる、空間のマジックとは?

瑞龍寺は総門、山門、仏殿、法堂が一直線に並び、それを中心に禅堂と大庫裏、さらに、かつての浴室と七間浄頭(お手洗い)が左右対称に配置されており、そこに佇むだけで清らかな時間に浸るような心地よさがあります。ディテールの美しさはもとより、空間全体でも美を表現しています。「瑞龍寺には平地だからこそ作ることのできる空間の美学があります。当時ならではの『映え』ポイントも満載ですよ!」と語るのは、瑞龍寺住職の四津谷道宏(よつやどうこう)さん。

見どころ満載・富山のお寺

23年に亘る「平成の大改修」を2021年に終えたばかりの勝興寺、富山が誇る井波彫刻を随所に散りばめた瑞泉寺、巨岩に掘り出された不動明王像で知られる日石寺などもおすすめ。お寺巡りで、歴史のなかで培われてきたさまざまな美(アート)に触れることができます。

歌人・大伴家持ゆかりの地に建つ古刹【雲龍山 勝興寺】
約3万㎡もの境内の、本堂をはじめとする12棟の建造物が重要文化財に。秋にはアートイベントも催される。

井波が誇る日本有数の木造建築寺院【井波別院 瑞泉寺】
1918年に井波彫刻の粋を集めて再建された太子堂が見どころ。見事な鳳凰や龍などが彫られた手挟(たばさみ)や木鼻(きばな)は必見。

迫力満点の不動明王像は圧巻!【大岩山 日石寺】
巨岩から浮き出るように彫られている不動明王像は中部地方の最高傑作とも。大寒の滝打ちの業も知られる。


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