富山で見つける“働く旅”。地域とつながる「とやまお仕事マッチングツアー」体験レポート

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仕事をきっかけに土地を訪れ、そこで過ごす時間に触れる。そんな“働く旅”のかたち。

旅するように働く人と地域をつなぐ「SAGOJO(サゴジョー)」が企画した「とやまお仕事マッチングツアー」が、今年も開催されました。

地域の人々と関わり、日常の一部として仕事を体験するこのツアー。今回はその一つとして、富山市で農業を営む「とやまのめ」を訪れた旅人たちの様子を取材しました。

富山で“暮らしに近い仕事”を体験

取材に伺ったのは、秋晴れが心地よい日。

ビニールハウスの中では、旅人の齋藤さん(青森県出身)と岡野さん(香川県出身)が、代表の山岸さんのもとで農業体験に取り組んでいました。2人とも「とやまお仕事マッチングツアー」への参加は今回が初めてです。

齋藤さんは、地域おこし協力隊に関心があり、北陸地方を中心に探していたときにこのプログラムを見つけたといいます。「地域と関わりながら働けるのが魅力でした。」と話します。

一方、岡野さんは海外を拠点にプログラマーとして働きながら、多拠点生活を送っています。「日本に帰ってきたとき、ただ過ごすだけでなく、地域の人と関われる場所がほしいと思っていました。こうした体験を通して、また帰ってきたいと思える土地が増えたらうれしいです」と語ります。

Column

SAGOJOとは?-1

SAGOJOとは?

「SAGOJO(サゴジョー)」は、“旅するように働く人”と、地域や企業をつなぐマッチングサービス。
「旅をしながら働く」「働きながら旅をする」など、自由な働き方を実現したい人に向けて、全国各地の仕事やプロジェクトを紹介しています。

掲載されている仕事は、観光PRや地域の手伝い、イベント運営などさまざま。
単なる「短期バイト」ではなく、その土地の人と関わりながら“暮らすように働く”体験ができるのが特徴です。

今回の「とやまお仕事マッチングツアー」も、そんなSAGOJOが手がけるプログラムのひとつ。
旅を通して仕事と地域をつなぎ、新しい関係や発見を生み出しています。

SAGOJOホームページ

仕事を通して見える“過程”と“人”

体験内容は、ハウス内での種まきから水やり、洗い、パッキングまで。

一連の作業を通じて、ふだん何気なく目にしている野菜がどのように育ち、届けられているかを学びます。

 

齋藤さんは「イメージしていた“外で土をいじる農業”とは違って、こうしたハウスでの作業もあるんだと知りました。農業にもいろんなかたちがあるんですね」と話します。

岡野さんは「作業をしてみると、スーパーで並ぶ野菜の裏には想像以上に丁寧な工程があるんだと感じて、新鮮でした」と語ります。

お昼には山岸さん、齋藤さんと3人でラーメンを食べに行き、地域の話や暮らしのことなどを気さくに語り合う時間もあったそうです

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とやまのめ-1

とやまのめ

富山市近郊・射水(いみず)市にある農園「とやまのめ」では、スプラウト(発芽野菜)を中心に栽培から販売までを手がけています。
「体験を通して、野菜の見え方が少し変わるきっかけになれば」と代表の山岸さん。
築100年の古民家を拠点に、地域とのつながりを大切にしながら“作る”と“暮らす”が交わる場を育んでいます。

とやまのめ 公式サイト

農業の魅力を“共有”する場所へ

受け入れ先の「とやまのめ」では、野菜の栽培から販売までを一貫して行っています。
山岸さんは「自分自身も農業を始めるまでは、スーパーに並ぶ野菜を当たり前に見ていました。でも実際に育ててみると、苦労や面白さ、作り手の想いが見えてくる。
体験を通して、見える景色が少しでも変わるきっかけになれば」と話します。

また「旅が好きな人たちと話すのは刺激的。地元にいながら新しい視点をもらえます」と笑顔を見せました。

“働く”をきっかけに、富山を知る

今回のマッチングツアーは、仕事体験を通じて富山の人や文化に触れる新しい試みです。

観光として訪れるだけでなく、「働くこと」を通してその土地の暮らしを知る。そんな小さなきっかけが、地域と人をゆるやかにつなげていくのかもしれません。

 

また、2025年11月には第2回目となるマッチングツアーの開催も予定されています。

富山の人や仕事、暮らしに出会う“働く旅”へ——次はあなたも参加してみませんか?

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