【VISIT富山県】魚津をまるごと満喫!藍染め屋aiyaで「藍染め体験」とカフェをめぐる1日旅

  • 富山県魚津市「鹿熊」集落の景色

    富山県魚津市「鹿熊」集落の景色

富山県魚津市は海と山に囲まれた自然豊かな地域です。
今回私は、のんびりとした自然に囲まれた藍染め屋「aiya」で江戸時代から続く伝統技法「天然灰汁発酵(てんねんあくはっこう)建て」で染める藍染めを体験しました。
藍染め体験のあとは、地元の食材を味わえるカフェやジェラート、そして2000年前の森に出会える博物館まで、おすすめスポットを巡ってきました。魚津をまるっと一日楽しめたので、その様子をレポートします!

自然豊かな山あいにある藍染め屋「aiya」

国道8号線から側道に入り、南に5キロほど進んだのどかな山あいの集落「鹿熊(かくま)」。かつては城下町として栄えたこの集落に、藍染め屋「aiya」があります。到着すると、「aiya」の南部歩美さんが出迎えてくれました。住宅兼アトリエとなっている古民家は、「大きな田舎のお家」で、ちょっと低い天井や柱や壁の雰囲気が懐かしく、田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような感覚になります。

「aiya」の藍染めは、江戸時代から続く伝統技法「天然灰汁発酵建て(てんねんあくはっこうだて)」を用いています。化学薬品を一切使わない、自然のものから生まれる「里山ブルー」は環境にも身体にも優しい色合いです。

まずは素材と柄を決める

まずは染める素材と柄を決めます。
基本の素材は手ぬぐい、ハンカチ、ミニトートですが、オプションで大きなトートや靴下などを選ぶことができます(追加料金)。

素材を決めたら、今度は染めたい柄を考えていきます。写真のように見本が沢山あるのでその中から選びます。板を使用したり、針と糸を使ったりと、模様を作る方法が柄によって違うので、模様を作る方法を聞いて参考にするのも良いと思います。
私は「ビー玉絞り」と「むら染め」の組み合わせで柄を作ることにしました。

手しごとに没頭

ここからは、思い描く柄を想像しながらの手しごとです。「ビー玉絞り」の柄を出すため、ビー玉を手ぬぐいでくるんで輪ゴムで絞めていきます。ビー玉だけではなく、南部さんが川で拾ってきた石を使って大小の絞り模様をつくっていきました。

絞り模様を作ったら、「むら染め」するため、絞りの柄を上に向け、適当にくしゅくしゅと縮めてネットに入れました。
ここまで終わったら、いよいよ「染め」の体験です!

いざ藍染へ

染めの体験をするのは、かつての台所。大きな甕(かめ)の中には、独特の香りを放つ「藍染液」が入っています。
「タデアイ」がこのような染料になるには、2回の発酵が必要です。まず1回目は収穫した「タデアイ」に水をかけて発酵させ「すくも(という染料)」という状態にします。そして次にこの「すくも」に自然の材料を混ぜて再び発酵させます。染液は微生物の働きで発酵しているため、毎日お世話が必要だそう。そんな手間ひまを惜しまず作られている染液で染めること自体、とても愛おしく思えます。

藍色は染液につけた後、空気に触れることで発色するので、これを数回繰り返します。模様を染めたらネットから出して広げ、藍色になるまでしばらく待ちます。縮めてネットに入れていたので、布には染めの濃淡(むら)ができています。最後に広げて染液に浸し、布全体に「藍色」を入れました。

染め終わったら、絞り模様の輪ゴムを外して布を洗って体験は終了です。

「里山ブルー」手ぬぐい完成

仕上がった手ぬぐいは南部さんがアイロンをかけて乾かしてくれました。アイロンがけの間、体験を振り返ったり、あれやこれやと話しているといつの間にか出来上がりです。
絞りの柄が入った藍染手ぬぐいは、素敵な「里山ブルー」に染まりました!
体験時間は約2時間。染め体験は子供も出来るので、親子や夫婦、友人など老若男女楽しめると思います。

「藍」を通じた人とのつながり

南部さんの藍染め体験では、藍染めを楽しむだけでなく、「藍」そのもののことや、「鹿熊」という里山の暮らしについても知ることができます。
南部さんは集落の休耕田を活用して、「藍」の原料「タデアイ」を育てています。少子高齢化が進むこの地域で、「藍染め」を通じて人と人とのつながりを育み、新た交流の場を生み出しています。
体験のあとに、「タデアイ」畑を見学させてもらいました。畑のすぐ横には「角川(かどがわ)」が流れ、目の前には山々が広がるのんびりとした景色。

南部さんは「タデアイ」の栽培から、染料「すくも」を作り、染料の発酵まで、一年を通して「藍染め」に関わっています。その過程で、地域の人々と関わりながら、「わくわくするようなつながりを生み出したい」と話していました。藍染めは、布に色を付けるだけではなく、「発酵」という微生物の力を利用した奥深い技術。今回の体験を通して、自然と地域とのつながり、これからの暮らしのことを、ちょっと考えるきっかけをもらったように思います。

体がよろこぶ発酵ランチ「bakery&cafe Karvan(カールヴァーン)」

そんな素敵な体験を終えるとすっかりお昼。南部さんおすすめ、魚津市吉野にある「bakery&cafe karvan(カールヴァーン)」を訪れました。カールヴァーンでは、「グルテンフリー」×「発酵」をテーマにした、体にやさしい「うおづはっこう食堂ランチ」を食べることができます。

「うおづはっこう食堂ランチ」は富山県産の食材を中心に、安心安全な材料で手作りしています。訪れた日のランチは、乳酸菌発酵させた鶏ささみの豆腐ハンバーグ、夏野菜の糠漬け、魚津で採れた無農薬米のおにぎり、かぼちゃのすり流し、胡瓜の甘糀漬物でした。自家製昆布佃煮が上にのったおにぎりはぴかぴかと光り、米の粒がしっかりとしていて旨味がありました。おにぎりと一緒に盛り付けられた料理は、それぞれの素材が生きるように味付けされていて、丁寧に調理されていることがわかります。おなかも心も満たされるランチでした。

「カールヴァーン」は、金坂諭志・佳子さん兄妹が20年ぶりに地元へ戻り、移転オープンしたベーカリー&カフェです。

お店は、かつて実家の倉庫だった建物を丁寧に改装して生まれ変わりました。床には倉庫時代のままのコンクリートが残されていて、素朴で静か。店内は、白い壁と明るい木のインテリアに包まれ、やわらかな光が差し込む穏やかな空間です。大きな窓からは田んぼや遠くの山々が見渡せ、四季折々の自然が心を和ませてくれます。流れているのは、「いだきしん」氏のピアノの音色。金坂さんにとって、この音楽は心の源であり、カールヴァーンの空間に静かで深い呼吸をもたらしています。

「カールヴァーン」では、エチオピアの森で育った野生の珈琲豆を販売されています。この珈琲はエチオピアの飢餓解決を目的とした支援活動の一環として生まれたもので、「矛盾のないコーヒービジネス」として高麗恵子氏がはじめられました。その出会いが、金坂さんが「カールヴァーン」を始めるきっかけとなりました。

食後の珈琲にはグルテンフリーのスイーツとのペアリングも提案してくれます。私が選んだのはレモンケーキ。油を使用しないケーキは生地がぎゅっと詰まっていて、コーングリッツのぷちぷちした食感が楽しい食べ応えのあるケーキでした。
エチオピアの野生の珈琲は、とてもすっきりして美味しく、レモンケーキとよく合いました。

「カールヴァーン」では富山県砺波市の庄川挽物(ひきもの)木地・但田(ただ)木地工房と三助焼(さんすけやき)の窯元と共同制作したお盆や器も販売されています。店内で提供される料理やスイーツにも、これらの器が使われており、手仕事の温かさを感じられるようになっています。
 

金坂さんは、「人と人との繋がりを大切に、純粋な気持ちから生まれる商品や、場を、分かち合えたら何より嬉しい」と言います。自身が感じた心のぬくもりを、そのままのかたちで表現し、それがここを訪れる人に静かに響いていく。そんな共感の連鎖が、この場所に流れているような気がします。

こだわりのヴィーガンジェラート「BOBO.gelate」

魚津市宮津にある「BOBO.gelato」は老舗「宮本みそ店」が手がける、完全無添加・植物由来のヴィーガンジェラート専門店です。乳化剤・安定剤を一切使わず、自家製コシヒカリ米と富山県魚津産の真大正もち米、塩だけで仕込んだ「飲む糀」をベースにしたジェラートは、まろやかでやさしい甘さと深いコクがあります。

メニューには「ラベンダーミルク」や「完熟青梅アーモンド」、「甘酒ストロベリーソルベ」など、素材の持ち味を引き出しながらも意外性のある組み合わせが楽しいです。
糀のやさしさと素材の個性が重なり合った、ここでしか味わえないジェラート、是非味わってみてください。

BOBO.gelatoでは軽食も食べられます。
通常は白米と味噌󠄀汁のセットですが、夏季限定で冷汁になります。味噌と魚の出汁、地元の夏野菜の組合せは、さっぱりとしていくらでも食べられる美味しさでした。
ジェラートと一緒に注文するとお得になります。

こちらの記事ではBOBO.gelatoが詳しく紹介されていますので是非ご覧くださいね。

「BOBO(ぼぼ)」とは、富山(魚津)弁で「小さな丸い粒」という意味です。これは味噌の原料である「米」や「豆」などを連想させるもの。それと同時に、宮本みそ店の新たなアイデアにいろんな人が関わり、豊かな地域を創りたいという思いが込められています。

Column

立ち寄りスポットは他にも

「のろしファーム」は里山で米作りをしている農業法人。米作りを通して地域の人とつながり、里山の景色・環境を守る取り組みをしています。そんな農家がつくるとっておきのおにぎりを「おにぎーり」で食べることができますよ。

「のろしファーム のおにぎーり」instagram

魚津の神秘を知る「魚津埋没林博物館」

魚津埋没林博物館は、魚津の神秘「蜃気楼(しんきろう)」と、約2000年前にそびえていた巨木「埋没林」の不思議を体感できる施設です。博物館の周囲は、まさにその巨木が生い茂っていた場所で、埋没林の一部が発掘されたそのままの状態で水中に保存・展示されています。

「埋没林」は特別天然記念物に指定されており、その価値は「国宝級」。館内のハイビジョンホールでは、蜃気楼や巨木にまつわる自然の不思議が映像で分かりやすく紹介されています。

展望デッキからは富山湾を眺めることができます。魚津の景色も楽しめるおすすめスポットです。

おわりに

いかがでしたか?魚津の自然や伝統、そして人の思いや温もりにふれた一日は、どこか懐かしくて新しい発見の連続でした。藍染めの「里山ブルー」、地元の素材にこだわるランチやジェラート、そして太古の森に思いをはせる。そんな魚津ならではの魅力がぎゅっと詰まった旅でした。この土地の豊かさを、是非体験してみてくださいね。

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今回ご紹介した体験プランの詳細・ご予約はこちら

  VISIT富山県    藍染め屋「aiya」で「藍染め体験

■実施場所:藍染め屋「aiya」(富山県魚津市鹿熊1690)
■所要時間:約2時間
■料金  :1回4,500円(税込)※1~5名迄
■対象年齢:5歳以上 
■最新情報及び詳細は下記サイトにてご確認ください。

*こちらはVISIT富山県とのタイアップ記事です。

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