日本のアート「富山県水墨美術館」の魅力をレポート!日本の美と四季を体感!

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「富山県水墨美術館」は富山市五福にある和風の美術館。今回私は、水墨美術館学芸員の金山さんにお話を訊きました。
訪れたことのある私にも目から鱗な話が盛り沢山。とにかく日本の美と四季にこだわった美術館なのです。
これを読んだら、これからの人も、行ったことがある人もきっと訪れたくなるはず!?せっかくなら隅々まで美術館を楽しんでほしい!そんな思いで「水墨美術館」の魅力を全力でレポートします!

敷地全体で感じる「和」と「四季」

「富山県水墨美術館」は平屋の美術館。建物の周りは、手入れの行き届いた和風の庭園に囲まれています。このように敷地面積が広く、広大な庭があるということ自体、都会の美術館にはない贅沢な敷地の使い方になっています。

館内のドアから中庭に出ることができます。中庭へ出ると建物全体がよく見え、屋根を見ると、柔らかく丸みを帯びているのがわかります。これはむくり屋根といい、温かみのある印象を演出しています。また瓦の色は、「墨」を表現しているそうですよ。外観から柔らかくて優しい雰囲気を醸し出していますよね~。
 

中庭の芝生の上は、自由に歩くことができます。芝生の周りには季節で表情を変える木々が植えられており、四季折々の姿が見られます。是非ゆっくり歩いて季節を感じてくださいね。大の字になって空を見上げるのもあり!

美術館の庭園側は総ガラス張りになっており、窓ガラスに中庭が綺麗に映ります。リフレクションで自撮りもできます。映える写真が撮れるので、おすすめですよ。

水墨画だけじゃない!様々な日本美術を鑑賞

水墨美術館の「水墨」は、日本の文化や美を象徴的に表現できることばとして用いられています。
「水墨」と名がつくので、「水墨画」だけを展示していると思いがちですが、そんなことはなく、日本画を中心に、明治期から近代までの日本の美術品も展示しています。
私が訪れた時は、刀剣が展示されていました。常設展示は季節に合うよう年4回作品の入れ替えを行っているそうです。季節ごとに、どんな作品に出会えるのか楽しみでもありますね。常設展示の一部の作品は「ポケット学芸員(スマホアプリ)」を使用して解説を聞くことができます。解説を聞くと作品をより深く知ることができますよ。もちろん感性で鑑賞も良きです!

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展示室内が暗い理由-1

展示室内が暗い理由

水墨美術館の展示室内は照明が落とされ、少し暗い感じがします。それは日本美術(特に日本画)に使用される絵具が光に弱いから。できるだけ美術品に負担をかけない照明になっています。なるほど、だから暗いと感じるのですね。

館内から眺める庭園

館内からは、いつでも庭を眺めることができます。展示室から出る度に庭が見えるので、その度に気分がリセットされるようです。
屋根は雨樋がないため、雨が降ると雨粒が屋根を伝ってそのまま落ちてきます。天気が悪いと残念に思いがちですが、しとしと降る雨は「和」と合います。雨垂れも楽しんでください。

 

フロアには大きなベンチが沢山あります。好きな場所に座って只々庭を眺めるのも贅沢な時間です。

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ルーブル美術館のライムストーン-1

ルーブル美術館のライムストーン

水墨美術館内にあるベンチの足には、かつてルーブル美術館で使用されたライムストーンが使用されているそうです。このタイプのベンチはいくつかあります。是非ルーブルを感じてくださいね。

下保昭(かほあきら)作品室で日本美術の楽しみ方を体験

水墨美術館創設のきっかけとなった富山県出身の日本画家「下保昭(かほあきら)」の作品が展示されている作品室は、館内一番奥。
室内では、床の間のある畳の間に座って美術品を鑑賞することができます。

日本人は古来、蝋燭の明かりや、障子戸から入るぼんやりとした光の中で生まれる陰翳(いんえい)に美しさを見出していました。ですから薄暗いと感じる明るさの中で鑑賞するのが、一番美術品が美しく映えるのだとか。金山さんに聞いた谷崎潤一郎の「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」は、まさに日本古来の美についてのエッセイ。興味があれば是非読んでみてください。電灯の眩い明るさに慣れてしまった私達、現代の日本人が忘れかけている本来の美術品の楽しみ方を是非体験してみてくださいね。

墨光庵(ぼっこうあん)で感じる四季

美術館の奥の離れにあるのは、富山県出身の建築家、中村外二氏が晩年に手がけた「墨光庵」です。
日本古来の数寄屋造りの茶室建築は、素朴な中にも整えられた美しさが感じられます。障子戸から柔らかな光が入り、室内の調度品は季節を感じることができるように演出されています。

天井は少しでも室内が明るく見えるように、和紙が貼ってあります。優しく光が入る障子窓には雨戸が隠されています。どこに隠れているか現地で探してみてくださいね。

3月から11月の土日祝日のみ、お菓子と抹茶をいただくことができます(有料)。お菓子は企画展に合わせたテーマで考案されているので、これも楽しみの一つ。立礼席でゆっくりしながら季節を感じてくださいね。(臨時営業日あり)

おわりに

企画展開催中はショップが営業しており、オリジナルグッズや富山県内の工芸品が展示販売されています。私が気になったのはオリジナル一筆箋。所蔵品の絵画をプリントしているので、品が良くてとても素敵です。ここでしか購入できないので、興味のある方は是非。

いかがでしたか。どんな季節に訪れても、日本の美しさを再認識できる「富山県水墨美術館」。展示室以外は無料で楽しむことができるので、気軽に訪れてくださいね。

「水墨美術館」へのアクセス

「水墨美術館」は富山市五福にあり、広い無料駐車場も完備しています。

富山駅からアクセスするなら、おすすめは路面電車。「富山大学前行」に乗車して6駅です。「丸の内」を過ぎて右折すると、進行方向反対側に立山連峰がみえます。電車と立山連峰が見られる富山らしい風景です。是非景色も楽しんでくださいね。
「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福前」で降りてください。徒歩約10分で美術館に到着です。

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