今日の富山の基礎を築いた、伝統の技や美、産業を知る-1

今日の富山の基礎を築いた、伝統の技や美、産業を知る

富山の礎を築いたのは、それぞれの地域で発展した産業であり、人々の手で育まれた技や美意識です。富山県内には歴史ある寺社仏閣が点在し、それぞれの成り立ちに由来があります。またその近くには町が広がり豊かな文化も生まれました。そして富山市の発展においては江戸時代から続く越中売薬、北前船交易の歴史も忘れてはなりません。このように長い歳月の中での出来事や、町で生きた無数の人々の思いが重なり響き合いながら、富山の歴史は醸成されてきました。

【寺社仏閣】高岡山 瑞龍寺

北陸新幹線 新高岡駅から徒歩15分ほどの場所にある「瑞龍寺」は、山門や仏殿、法堂が国宝に指定されています。また総門や禅堂などは、国指定重要文化財です。高岡の伝統工芸の礎を築いた加賀藩二代藩主の前田利長の菩提を弔うために、前田利常が建立させた曹洞宗の名刹で、江戸初期を代表する禅宗建築として高い評価を受けています。総門から山門、仏殿、法堂までは一直線に配置され、山門から仏殿までの石畳の両脇は芝の青さに建築が映えます。また伽藍は300mの回廊で囲まれており、随所から建築美を感じることができます。法堂に祀られた烏瑟沙摩明王は「瑞龍寺」で最も古い仏像と伝わり、衣には極彩色が残されています。

  • 勝興寺

    【寺社仏閣】雲龍山 勝興寺

    3万平方メートルの広大な境内に、本堂をはじめ12の国指定重要文化財があります。加賀藩前田家と縁が深く、近代まで富山の浄土真宗の触頭として隆盛を極めました。実ならずの銀杏、天から降った石など七不思議も伝わります。2021年に23年間にわたる「平成の大修理」を終えました。

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  • 【寺社仏閣】埴生護国八幡宮

    【寺社仏閣】埴生護国八幡宮

    平安時代に源義仲が戦の勝利を祈願したと伝えられ、今は合格や必勝を祈願する人が全国から訪れます。江戸初期にできた社殿は、国指定重要文化財。義仲の騎馬像や、義仲が鳩の案内で見つけたと伝わる名水もあります。

    「埴生護国八幡宮」公式サイト
  • 本堂の不動明王像

    【寺社仏閣】大岩山日石寺

    平安時代に行基が大岩に不動明王を刻んだことが起源とされ、本堂にある高さ3.46mの磨崖仏 不動明王像は国指定重要文化財です。境内の六本滝は六欲煩悩を洗い落とすことができるといわれ、滝行を体験できます。

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日本遺産に登録された富山の町並み「山町筋」(高岡市)

「山町筋」は高岡市街地に延びる600mの通りで、国指定の重要伝統的建造物群保存地区です。毎年5月1日に実施される高岡関野神社の春季例大祭「高岡御車山祭」で御車山を曳き回すことから「山町筋」という名が付けられました。江戸期以降に商人の町として栄えた高岡の中心となった場所で、加賀藩二代藩主の前田利長が近隣の城下町から商人を呼び寄せて住まわせていたのが発展のきっかけとなったといいます。今は明治33年の大火以降に建てられた防火建築の町屋や土蔵が並び、重厚かつ繊細な意匠が評価を受けています。また通りにはレンガ造りや洋風の建造物など特徴的な建物がいくつも残されています。

  • 山町ヴァレー

    山町ヴァレー

    木造3階建の洋風建築の大商家とその土蔵群をリノベーションして誕生した複合施設です。富山県が全国トップクラスの消費量を誇る昆布料理専門店や、高岡鋳物の着色体験ショップ等が入居しています。

    「山町ヴァレー」公式サイト
  • とこなつ本舗 大野屋

    とこなつ本舗 大野屋

    1838年から和菓子を作り続けています。「とこなつ」は大伴家持の和歌にちなんだ伝統銘菓で白小豆と和三盆の穏やかな甘みに魅了されます。富山県産コシヒカリを原材料にした「高岡ラムネ」も人気があります。

    高岡ラムネ
  • 山町茶屋

    山町茶屋

    もとは呉服屋だった場所を改装したカフェは、散策途中の休憩にぴったりの場所です。折々の味が楽しめ、食事のほか、近所の「大野屋」の和菓子も味わえます。窓外に広がる日本庭園も見事です。

  • 菅野家住宅

    菅野家住宅

    菅野家は高岡の政財界をリードしてきた名家で、現在も住居として使われています。壁面は黒漆喰、2階は観音開きの扉があり、屋根には大きな箱棟を付けるなど、高岡の土蔵造りの特徴を全て備えており、高岡の土蔵造りの家屋の代表的な存在でもあります。

  • 高岡市土蔵造りのまち資料館

    高岡市土蔵造りのまち資料館(旧室崎家住宅)

    昭和20年まで綿糸や綿布の卸売業を営んでいた住宅が、資料館として公開されています。山町筋の土蔵造りの建造物の中で、主屋内部を一通り見学できる唯一の施設です。数寄屋風の座敷、仏間、縁側のほか、2階の窓からは通りの風景を楽しむことができます。

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日本遺産に登録された富山の町並み「金屋町」(高岡市) 

高岡市金屋町は、富山の伝統産業である高岡鋳物の発祥の地として、現在もその歴史を脈々と受け継ぎながら鋳物文化を広めています。町の歴史は400年も遡り、加賀藩二代藩主の前田利長がこの地に鋳物師を住まわせたことに始まりました。御影石を使った石畳の通りを挟むようにして、千本格子の商店や家屋、鋳物工房などが軒を連ねる町並みは、豊かな風情を感じさせます。また袖壁のある建物は2階部分を低く抑えた造りが特徴にもなっています。江戸期には鋳物をはじめ漆芸においても生産力を向上させ、高岡は「加賀藩の台所」と呼ばれるほど隆盛を極めました。工業の中心地だった金屋町も大いに栄えたといいます。

  • 高岡市鋳物資料館

    高岡市鋳物資料館

    今日まで技が継承されてきた高岡鋳物の発展の歴史を紹介する資料館が金屋町にあります。展示品には由緒ある古文書や初期の鋳造技術を伝える鋳物製品、制作道具などもあり、培われてきた技を五感で感じられます。

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  • 大寺幸八郎商店

    大寺幸八郎商店

    江戸末期に創業して以来、高岡銅器の問屋として企画や小売りを行ってきました。現在は江戸期の建物を生かし、カフェやギャラリーとしても活用されています。予約制で錫のアクセサリー作り体験にも参加できます。

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  • 鋳物工房 利三郎

    鋳物工房 利三郎

    明治元年に創業して以来、茶道具の風炉づくりを得意としてきました。お店の裏に工房があり、事前に予約しておけば鋳造の様子を見学できます。また風鈴やぐい呑などを造る鋳物体験も実施しています。

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日本遺産に登録された富山の町並み「岩瀬」(富山市)

幕末から明治期にかけて東岩瀬港は北前船の寄港地として最盛期を迎えました。主に北海道や上方との交易を盛んに行い、東岩瀬には多くの富や文化がもたらされたといいます。行きも帰りも荷物を積んで往復で儲かることから、岩瀬では北前船のことを「バイ船」と呼びます。北前船廻船問屋は「バイ船」で儲けた利益で栄華を極め「岩瀬五大家」と呼ばれました。現在の町並みにも、当時の面影が色濃く残っており「北前船廻船問屋 森家」は資料館として公開されています。またほかの廻船問屋やその土蔵群は、和食やフランス料理店、作家の工房となって生かされています。

  • 沙石

    沙石

    岩瀬にある桝田酒造店が醸した「満寿泉」を100種類以上試飲できる、有料のスタンディングバーです。市場流通していないお酒や「沙石」限定のものもあり、日本酒ファンならずとも訪れたくなる場所です。

  • しっとりと佇む老舗料亭は1911年創業

    松月

    岩瀬が北前船交易で栄えていた明治時代末期に創業した料理屋で、浜の旦那衆が通い詰めていた当時の面影を今も色濃く残しています。店主が考案したシロエビ料理「福団子」を目当てに訪れる人が絶えません。

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  • 北前船廻船問屋 森家

    北前船廻船問屋 森家

    明治期に建てられた廻船問屋で当時の森家の財力を伝える存在でもあります。国重要文化財の指定を受けており、建物は富山における町家建築の構造を引き継いでいます。2階建ての母屋と土蔵を見学できます。

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  • 外観(大町通り側)

    馬場家(旧馬場家住宅)

    「岩瀬五大家」の筆頭に挙げられる馬場家は、北陸の「五大北前船主」にも数えられています。馬場家は東岩瀬の中でも最大級の広さがある住宅で、国の登録有形文化財に指定されています。

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  • 大塚屋

    大塚屋

    岩瀬の名物のひとつが「大塚屋」のどら焼きです。三角形のどら焼きは全国的にも珍しく、お店では昭和8年の創業時からこの形で作り続けているといいます。モチモチとした薄皮に粒あんが包まれています。

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富岩運河ー岩瀬-1

富岩運河ー岩瀬

富山駅から岩瀬へ行くには、富岩水上ラインの利用もおすすめです。環水公園から中島閘門を通り、岩瀬まではクルーズ船で約1時間。乗船チケットには富山地鉄富山港線の乗車券がセットになっていますよ。

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日本遺産に登録された町並み「八日町通り」(南砺市井波)

富山県の南西部にある南砺市井波は、木彫刻工房が120ヵ所もある日本を代表する木彫の町で、その技術の高さや芸術性が全国で認められています。2018年には「井波別院 瑞泉寺]を中心とした木彫の伝統が高く評価されて「木彫刻のまち・井波」が「日本遺産」に認定されました。瑞泉寺の表参道である「八日町通り」は、石畳の道の両側に多くの木彫刻工房が並ぶとともに、郷土玩具の店や蔵元などが軒を連ねています。工房は見学が可能な場所も多く、作業の様子を見たり作り手と会話したりしながら観光する人の姿も見かけます。通りには至る所に七福神や十二支などの木彫刻が飾られ、表札や看板、バス停なども木彫刻で造られています。歩いているとどこからともなく鑿を打つ音が聞こえ、木の香も漂ってきます。

  • 井波別院 瑞泉寺

    井波別院 瑞泉寺

    600年以上の歴史を誇る名刹で、現在の本堂は明治18年に再建されました。木造建築寺院では北陸最大級の広さで、各建物の隅龍や太子堂の手狭、勅使門の「獅子の子落とし」など見事な井波彫刻の技を見られます。

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  • 季の実

    季の実

    地元作家の手仕事の素晴らしさを伝える作品や、富山のおいしい食べ物を揃えているショップ兼ギャラリーです。オリジナル商品の販売やイベントの企画なども行いながら、豊かな暮らしを提案しています。

    「季の実」公式サイト
  • 田舎まんじゅうよしむら本店

    田舎まんじゅうよしむら本店

    80年の歴史を持つ「よしむら」の田舎まんじゅうは、八日町通りの散策に欠かせない甘味です。田んぼに雪が降り積もった姿をイメージして考案されたといい、たっぷりの粒あんが薄皮に包まれています。

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八日町通りの木彫り猫探し-1

八日町通りの木彫り猫探し

2017年から八日町通りで木彫り猫の設置が進められており、現在は29匹の木彫り猫が通りでくつろいでいます。看板に登っている猫もいれば、軒下に隠れている猫も。散策マップを片手に探してみましょう。

富山から全国へ薬を届ける「売薬さん」の歴史

「売薬さん」の呼び名で親しまれる富山の薬売りは、300年以上前から全国各地の家庭に配置薬を届けています。富山の薬売りの歴史は、1690年に江戸城で起きた出来事に遡ります。腹痛を起こした大名に、富山藩の二代藩主である前田正甫が「反魂丹(はんごんたん)」を渡したところ、大名の痛みはたちまち治ったというエピソードです。居合わせた大名たちも「反魂丹」の効き目に驚き、それぞれの藩で富山の薬の行商が認められるようになりました。これ以来、歴代の富山藩主たちは薬の研究や売薬商人の育成に力を注ぎ、越中の薬売りが全国に定着したとのことです。現在も売薬さんは、置き薬(先用後利)という独自の販売システムをとっています。先に薬を預け、次の訪問時に使った分だけ代金を受け取るというものです。毎年定期的に家庭を訪問することで、家主との信頼関係が作られています。

  • 富山市民俗民芸村 売薬資料館

    富山市民俗民芸村 売薬資料館

    富山売薬の歴史をゆかりの品とともに展示しており、収蔵品のうち846点は国重要有形民俗文化財に指定されています。別館は富山を代表する売薬商家の旧密田家土蔵が移築されたもので、同家の資料も公開されています。

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  • 池田屋安兵衞商店

    池田屋安兵衞商店

    明治以降西洋医学の導入で廃止に追い込まれた「反魂丹」の製造を戦後にスタートし、越中反魂丹を現代の人々にも通用する新しい和漢薬として復活させたました。店頭では丸薬製造の無料体験ができます。

    「池田屋安兵衞商店」公式サイト
  • 当時を再現!壁一面の薬たんすが圧巻!

    富山県民会館分館 薬種商の館 金岡邸

    薬種商を営んでいた「金岡邸」が、富山売薬の歴史や資料を保存展示する売薬資料館として活用されています。母屋は明治初期の薬種商店の構造をとどめ、新屋は伝統的な木造建築の特徴を生かした総檜造りの建物です。

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  • 広貫堂資料館

    広貫堂資料館

    越中売薬のきっかけを作った江戸城での出来事や、全国で商いをした売薬さんの様子をジオラマで再現しています。売薬のお土産として配られた売薬版画、「広貫堂」が所有する薬業史における貴重な資料も公開されています。

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富山やくぜん-1

富山やくぜん

古くから健康面で効果があるとされる食材や、富山の新鮮な食材を使って、安心安全面に配慮して作られた料理が「富山やくぜん」に認定されています。和食や寿司、中華料理、スイーツなど、幅広い味が認定を受けています。

「とやま薬膳」公式サイト

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