富山駅・市中心部の朝食3選!たまごかけごはん・昭和喫茶モーニング・駅そば
旅の朝は、美味しい朝食から始まる。富山市中心部で泊まった翌日、どんな朝の味覚に出会えるだろうか。宿泊施設のビュッフェを味わう人もいれば、近くのコンビニエンスストアで手軽に済ませる人もいるだろう。一方、朝から営業している飲食店で、地元ならではの味を楽しむのも旅の醍醐味のひとつだ。今回は富山駅周辺と市中心部のおすすめモーニングスポットを3つ紹介する。
【地場もん屋食堂fil】卵と醤油にこだわる「たまごかけごはん定食」
まず紹介するのは、富山市中心部の荒町に位置する「地場もん屋食堂fil(フィル)」。2023年3月にオープンした新しい飲食店で、朝は7:30から営業している。店内はテーブルとカウンター席があり、晴れた日には柔らかな日差しが差し込み、落ち着いた雰囲気の中で食事が楽しめる。
朝食メニューは5種類。今回は700円と手ごろな価格で人気の「たまごかけごはん定食」を注文した。
運ばれてきた御膳には、富山県産の白米に卵、具だくさんのみそ汁、にんじんのラぺ、漬物、味付け海苔が並ぶ。思わず「This is 朝食」と言いたくなる、典型的な日本の「あさげ」だ。
この定食には、深いこだわりがある。卵は富山市の社会福祉法人「めひの野園」で生産された「平飼い」の品を使用。市場流通率1%とされる希少なもので、ストレスの少ない環境で育った鶏のため、栄養価が高く、味のコクも良いという。
さっそく卵を割ってかき混ぜ、白米の真ん中に穴を作って注ぎ込む。その上から垂らすのは射水(いみず)市「ナカロク」の甘口醤油。数ある県内産の中から、一番相性が良いと選ばれたものだ。まんべんなく混ぜ合わせ、黄色に染まったご飯を専用スプーンで口に運ぶ。卵の濃厚なコクに、炊き立てご飯のつやつやの食感、さらに醤油のほんのりとした甘みが重なり、思わずもう一口と手が伸びる。
みそ汁には厚揚げ、しめじ、大根、にんじんと具が豊富。まろみのある味付けに、キノコ類と根菜のシャキッとした舌ざわりが加わり、食べ応えがある。甘じょっぱいにんじんのラぺ、みずみずしさを感じる漬物も良いアクセントだ。味付け海苔でごはんを“味変”しながら、朝のひとときを満喫した。
「地場もん屋食堂fil」では、富山の郷土料理「昆布〆(こぶじめ)」を宇和島の鯛めし風にアレンジした「こぶじめし」もおすすめ。昆布〆を乗せて食べる、贅沢なたまごかけごはんだ。もちろん「昆布〆定食」もある。さらに自家製カレーライスも朝から味わえる。中心部を行き交う人と車の流れを眺めながら、富山の朝をゆっくりと過ごせるスポットだ。
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地場もん屋食堂fil
【住所】富山市荒町5-5
【TEL】076‐460‐3215
【営業時間】7:30~15:00
【朝食メニュー】7:30〜10:30
【昼食メニュー】11:30〜14:00
【カフェメニュー】7:30〜15:00
【定休日】不定休
【やまむろ】昭和創業の老舗喫茶で味わう、サイフォンコーヒーとトーストの朝
続いては、昭和創業で45年以上の歴史を刻む老舗喫茶店「やまむろ」。富山市中心部、城址公園前交差点からほど近い場所にある店で、朝8:00から営業している。店内はほどよく照明を落とした空間で、年季の入ったカウンターやテーブル、ソファーが照明と相まって渋みを醸し出している。カウンターにはコーヒーのサイフォンが置かれ、じっくり時間をかけてコーヒーを淹れる様子がうかがえる。ゆったりとした朝を味わいたい人にとって、うってつけの場所だ。
コーヒーに自家製パン、サラダなどが付いたセットメニューは4種類あり、そのうちの「トーストセット」(850円)を注文した。
まずはコーヒーを一口。柔らかな口当たりに、雑味のない澄み切った味わい。サイフォン式の抽出でもたらされる芳醇な風味に、心がほっと休まる。トマトなどの生野菜とポテトサラダを挟み、トーストをかじる。サクッとした香ばしく軽い食感が心地良く、バターのみの味付けもシンプルだ。自家製のパンはこのほか、ホットサンド、サンドイッチ、ロールパンでも楽しめる。塩のみで味付けされたハムエッグと交互に口に運び、コーヒーカップを傾けると、気分が満ちてくる。
店内には、窓際で文庫本を手に読書に耽る人や、地元の年配グループが近くの百貨店を話題に話に花を咲かせるなど、さまざまな光景が見られる。穏やかな時が過ぎるこの空間にいると、ついつい周囲の様子を観察してしまう。また、喫煙もでき、愛煙家にも優しい。「やまむろ」は、老舗喫茶店ならではの空気が流れ、富山の日常の一端にも触れられる場所だ。
Column
やまむろ
【住所】富山市総曲輪2丁目1-5
【TEL】076-421‐3433
【営業時間】月~土曜日8:00~19:00、日・祝日8:00~17:00
【定休日】火曜日
【立山そば】富山駅名物!シロエビ天ぷらそばとますのすし
最後に紹介するのは、JR富山駅構内にある「立山そば」。地元民なら一度は口にしたであろう歴史深いそば・うどん店である。
「立山そば」は北陸新幹線が開通するよりもはるか前の1952(昭和27)年2月に開業。かつては富山駅構内とホームに店を構え、列車出発前のほんのひとときに立ち寄り、さっと腹を満たす――。そんな光景に旅情を感じたものだ。筆者も学生時代からその味に親しんでおり、富山駅に用事があるたび、引力に引き寄せられるかのように足が向いた。少し背伸びをした気分で、サラリーマン客に交じって立ち席でそばをすするのが好きだった。
北陸新幹線開業にともなう富山駅の建て替えを経て、現在は駅構内の商業施設「きときと市場とやマルシェ」の付近に店を構えている。朝7:00の開店と同時に出張客や旅行者が次々と店に入ってゆく。場所が変わっても、そのにぎわいは昔のままだ。店内は立ち席と椅子のあるカウンター席があり、多い日で一日800人が利用するそうだ。
旅行客に人気の「しろえび天ぷらそば ますのすしセット」(1150円)を実食。入口の券売機で食券を買って奥の調理場に出す。出来る限り素早い提供を心掛けているとのことで、コップに水を汲んでいる間に、もう出来上がりの声がかかった。
セットには、富山名物として知られる「シロエビ」の天ぷらそばに、「立山そば」の運営元「ますのすし本舗 源」の「ますのすし」、さらに日替わりのうま煮が添えられており、富山名物を存分に堪能できる。シロエビ天ぷらをつゆにそっと浸して口に含む。ぷちっと弾ける食感と上品な甘み、そこにつゆの旨味が重なり、思わず笑みがこぼれる。「立山」と文字が刻印されたカマボコを食み、そばを口に運ぶ。関西と関東風の中間のような香り高いつゆの風味が、心の奥にじんわりと染み渡る。醤油にかつおや昆布などをブレンドした門外不出のつゆは、あっさりとした口当たりながら、余韻に深い旨味を残す。
そのつゆに魅了されて、何度も来店する県外客も少なくない。ますのすしは、幼少期から慣れ親しんだ味で、この日のうま煮もまた格別。魚の身に昆布が巻かれて柔らかく煮込まれており、舌ざわり良く、後を引くような味わいだ。このセットが富山旅行の思い出の一つになるのも納得である。
【立山そば】”普段使い”地元民の推し・大きな油揚げの「きつねそば」
さらに、地元民の“普段使い”として、筆者がよく口にするメニューは「きつねそば」(460円)。一般的なものよりも1.5倍ほどの大きな油揚げが特徴で、甘辛く煮付けられたジューシーな味わいがたまらない。つゆに浸し、二つの味が混ざり合った油揚げをほおばる瞬間に、ささやかな幸せを感じる。
「立山そば」は、筆者が添乗員業務で富山駅集合の際、待機するまでのわずかな時間があれば思わず立ち寄ってしまう場所でもある。駅そばならではのスピードで提供されるそばを、限られた時間の中ですする。その状況こそが、美味さを何倍にも引き立ててくれるのだ。
Column
まとめ
富山駅周辺や市中心部には、朝から温かな食事を楽しめる店がある。たまごかけごはんで一日を始めるのも良し、喫茶店でコーヒーの香りに浸るのも良し、駅そばでさっと腹を満たすのもまた旅らしい。富山で迎える朝。散策がてら足を向ければ、この街の空気も一緒に味わえるはずだ。
※各店舗のメニュー価格は取材時点のもの。
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