地理マニア必見!「立山カルデラ砂防博物館」でプチ・アルペンルートツアー

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冬の休業期間でも、雨の日でも、まるでアルペンルートを歩いたかのような体験ができる博物館をご存知ですか?
今回は立山カルデラ砂防博物館、通称「立カル」について特集します。熱烈な地理マニアにも、そうでない方にも楽しめる本格的「大人の社会科見学」。行けばきっと、立山にハマること間違いなしの魅力スポットをぜひご覧ください。

愛称は「立カル」

立山カルデラ砂防博物館、略して「立カル」。立山の地理、自然、そして砂防について学べる博物館です。カルデラとは、簡単に言うと火山が爆発してできた地形のこと。はるか昔に起きた大噴火が、美しく厳しい現在の立山連峰を形作りました。

次に砂防って何?という話ですが、雨などに伴う土石流などの土砂災害を防いだり、被害を減らすための対策のことです。特に砂防堰堤(さぼうえんてい)は、川の上流から襲い来る土石流を受け止める堤防を指し、防災・減災に欠かせない建造物です。

雄大な山川は崩落と隣り合わせであり、立山は現在も少しづつその形を変えています。立カルは今なお続く砂防建設のドラマを公開しつつ、自然災害の恐ろしさを伝える、重要な施設でもあるのです。

立山駅から徒歩1分

最寄駅は、富山地方鉄道立山線の終点である立山駅

電鉄富山駅から電車で1時間10分ほど、車で50分程かかります。立山駅から歩いて1分、長い屋根のモダンな建屋が目印です。車の場合は無料駐車場をぜひ利用しましょう。おすすめの来館方法は、ズバリ立山線。車窓から見える山川は本当に美しく、ローカル線ながらまさに小旅行気分が味わえますよ。

道中、千垣駅 - 有峰口駅間で見える「芳見橋(よしみばし)」は絶好のフォトスポットです。

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地理マニアを唸らせる展示の数々

カルデラ、扇状地、氷河。

このワードに反応したあなたは今すぐ立カルへ行きましょう
充実の実物展示、精巧なジオラマ、多種多様なコンテンツが地理マニアをおもてなしします。

※許可を得て撮影させていただきました。

・充実の無料展示コーナー

正面玄関から入ると、広々とした吹き抜けに富山平野の衛星写真がお出迎え。2階へ上がると展示室が広がり、無料 / 有料コーナーに分かれています。

砂防工事で当時稼働していた実物のトロッコが鎮座し、中はミニシアターになっています。
そして大迫力の白岩堰堤(しらいわえんてい)ジオラマ。崩落を防ぐため崖をワイヤーで吊る構造、このジオラマで初めて知りました。

他にもVRを利用したコーナーなどもあり、無料とは思えぬ充実のコンテンツが楽しめます。

・ディープな有料展示コーナー

無料コーナーで予習をしたら、いざ魅惑の有料コーナーへ。こちらはアルペンルートに広がる自然の神秘をクローズアップしています。

立山の大自然を再現した空間は、まさに圧巻。まるで屋内でアルペンルートを歩いているかのような体験です。
掲載写真の他にも多種多様な学びがあり、有料の価値はあると断言します!個人的おすすめは、なんと紙芝居!詳細は、ぜひ現地でお楽しみください。

・ドキュメンタリー鑑賞

1階にはシアターがあり、大きなスクリーンでダイナミックな立山の自然映像を鑑賞できます。1本20分で全3編あり、シアターと展示コーナーを行き来しながら楽しむと良いでしょう。

※シアターと有料コーナーへの入場は、入口で有料券をお求めください。

おすすめしたい「立カル」の楽しみ方4選

1. ケーブルカー待ち時間に立カル
立山駅から美女平駅を繋ぐケーブルカーですが、混雑時は2時間近く待つこともあります。そんな時は立カルへ!30分だけでも濃密な社会科見学ができ、あっという間に感じますよ。

2. アルペンルート休業中に立カル
アルペンルート休業期間の11月-4月でも、雪の日でも、立カルは通年で営業しています。冬は来館者の出入りが少なく、より落ち着いてじっくりと見学できます。また、学芸員さんに質問できるチャンスです。隅々まで見て回れば、あっという間に半日過ごせるでしょう。

3. 立博とセットで立カル
アルペンルート周辺のもう1つの社会科見学スポット、それが立山博物館。少し、立山駅からは遠ざかりますが、国道6号の道中にあり車でアクセスがおすすめ。
地理と自然の立カル、歴史と文化の立博。セットで来館すれば、立山の奥深い世界観がさらに広がります!ご利用は、両館を割引で楽しめる「立山博物館共通割引券」をどうぞ。

4. 体験学習会参加で立カル
カルデラ内の白岩堰堤および砂防工事エリアは、崩落の危険があるため立ち入り禁止となっています。しかし、抽選で参加可能な体験学習会が実はあるんです!
立山奥地にそびえ立つ巨大建造物を、その目で楽しめる希少な体験ツアーとなっています。詳細は公式HPからどうぞ。

Column

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観覧の後は立山駅ランチ

やや大人向けな展示が多く、しっかり見学すると充実感がある立カル。観覧後は、立山駅前のグルメもぜひ堪能あれ。今回は代表的な2店をご紹介します。

まずは立カルの真向かいに建屋を構える老舗食堂「あおき」
「室堂平と玉殿溶岩カレー」は、室堂平と弥陀ヶ原火山を一皿に表現した面白メニュー。注文すると、もれなく読み応えあるチラシがついてきます。
じゃがいもならぬ、里芋で作った「立山コロッケ」もセットでどうぞ。里芋の粘り気が、ほくっと美味しい一品です。

アルペンルートに登るハイカー達が選ぶ、永遠の定番。それが「おにぎりの志鷹」のおにぎり弁当です。
富山米をパリパリの海苔でふっくら優しく包んだ、素朴なおにぎり。お米粒のうまみとちょっと大きめのボリュームで、満腹間違いなし。おそばやうどん、丼物もリーズナブルでこちらもとっても魅力的です。

まとめ : ロマンの宝庫、たてやま

今回は立カルの魅力をお伝えしました。
筆者は熱烈な地理マニアというほどではないですが、移住してから日々立山の大自然に心動かされています。なぜ、立山は人を惹きつけるのか?その秘密の一端が、立カルの訪問で少し分かった気がします。

アルペンルートといえば「世紀の大工事」と呼ばれた黒部ダムが有名ですが、砂防建設も負けず劣らずの一大事業。
詳細はぜひ現地で見ていただきたいですが、先人たちの努力と執念が災害続きの富山平野を救った事実に、胸を打たれました。観覧後には、富山市の平和な街並みが少し違って見えることでしょう。

立山の大自然、そしてアルペンルートが大好きになる、そんな立カルへぜひ足を運んでみてください!

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