【登山記】初めての岩と雪の殿堂「剱岳」へ!

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「岩と雪の殿堂」と呼ばれる険しくてカッコいい山。

いつもカッコいいなーと眺めており、遠くから写真を撮る時もついメインにしてしまう、憧れだった剱岳に、初めて登ってきました。

メインルートは2つ “ 私は早月尾根から登頂”

標高2,999mの剱岳には岩壁を登るようなバリエーションルートもいくつかありますが、多くの方が登るメインルートは2つあります。

① 室堂から別山尾根を経由するルート
立山黒部アルペンルートを利用して室堂へ入り、雷鳥沢から剱御前を経て剱沢キャンプ場へ下ります。そこから、一服剱、前剱を経て登頂するルートで、剱澤小屋・剱沢キャンプ場や剣山荘を拠点にして、一泊二日、または二泊三日で登る方が多いようです。
剱岳の難所として知られる、岩に張り付いて這うように進む「カニのたてばい」や「カニのよこばい」があるルートです。

② 馬場島(ばんばじま)から早月尾根(はやつきおね)を登るルート
車で行ける上市町の馬場島(標高約750m)からスタートし、早月尾根をひたすら登って剱岳の山頂を目指すコースです。室堂からのルートのように乗り物を利用しないので時間制約がなく、早朝から日帰りで登る方もいますし、途中の早月小屋(キャンプ場)を利用して一泊二日で登る方もいます。  
危険個所は①別山尾根ルートより比較的少ないとされますが、標高差は2,200m以上、往復で約14kmにおよぶ長丁場のコースになっています。

どちらのルートでも十分な体力・装備・計画を整え、安全に配慮して臨むことが必須です。

怖いルートに怖じ気づいた私は、“②馬場島から早月尾根を登るルート”を早朝から日帰りで登ってきました。

Column

馬場島荘-1

馬場島荘

登山口にあり、こちらに宿泊して早朝からアタックする方もおられました。 立ち寄りのお風呂や食事も提供されていますが時間帯は要確認です。

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1.「登山開始」~「早月小屋」

前日は早めに就寝し、午前1時半ごろに自宅を出発しました。登山口のある馬場島に着いたのは午前3時過ぎ。 

この日は祝日ということもあり、登山口最寄りの駐車場はすでに満車。おそらく宿泊していた方や、私より早い時間に出発された方の車だと思われます。私は一つ下の駐車場へ回りましたが、こちらは数台しか停まっておらず、駐車することができました。
ザックには食料、飲料、行動食、タオル、レインウェア、滑り止め手袋、ヘルメットを詰め込み、首からカメラを提げ、トレッキングポールを両手に持って、熊鈴、熊スプレーを装着して準備完了。駐車場から登山口までは舗装路を歩いていきます。

昔、この辺の山に来た時に見た「試練と憧れ」の石碑を探しましたが、この時は見つけられませんでした。

いよいよ登山開始。 「さあ、いよいよ登るぞ!!」と強く意気込んだ気がします。
しばらくはヘッドライトに照らされた山道を黙々と進むのみでしたが、前にも後ろにも登山者がいて、心細さや怖さはなく安心感がありました。

樹林帯を登り続けていると、やがて視界が開けた場所に到着。眼下には登ってきた尾根が続き、その向こうには市街地の夜景が広がっていました。これまでの登りを実感でき達成感に浸りました。

空が徐々に明るくなり、木々の隙間から空を見上げると一面の曇り空。晴れ予報だったので快晴を期待していましたが、「もしかすると残念な一日になるかも」という思いが頭をよぎりモチベーションが下がりました。

ですが後ろを振り返ると、朝焼けに照らされた毛勝三山が美しく、少し元気が出ました。

単調な登山道が続く中、突然ハシゴが現れ「お、いよいよ核心部か?」と身構えましたが、それも一瞬で再び同じような山道へ。ただ徐々に岩場も増え、周囲の山々も険しさを増してきたように感じました。

登り始めて約3時間。ようやく尾根上の小さなピーク「丸山」に到着しました。開けた場所からは「早月小屋」が見えとても安心しました。が、剱岳の山頂は見えず、まだまだかな~という複雑な思いもありました。

早月小屋(標高2,200m)の広場で持ってきた軽食でエネルギー補給しました。 

2.「早月小屋」~「頂上」

10分ほど休憩して、後半戦スタート

少し進んで開けた場所、やっと周りの木々がなくなり森林限界を突破した感じです。

道中、何度も振り返り、「こんなに登ってきたんだ」と達成感を味わいながら登りました。
さすが北アルプス三大急登と言われるだけあって、スマートウォッチを確認する度にぐんぐん標高が上がっていくのが面白かったです。

早月小屋から約800m進んだ標高2,400m地点。 この辺りから岩場が増えてきたのでヘルメットを装着。岩を掴むためにトレッキングポールもしまって、滑り止め手袋を装着しました。

ちょっと怖い場所が増えてきました。ゆっくりと慎重に、一歩一歩進みます。

標高2,600m地点!頂上まであと距離1.6km、登る高さ399m!
ここまできて、ずっと見えなった頂上がいよいよ見えてきました

厳つい!荒々しい!カッコいい!あれが!!!もう少しだ!という高ぶりがありました。
ちょっとガスでくっきりとは確認できませんが、それがまた良い雰囲気です。

尾根の直登から右に少し回り込むような道になり、端から山の向こう側が見えました。大日岳、立山室堂、弥陀ヶ原方面が見えて「お!いつも行っている知っている場所だ!」と嬉しい気持ちになりました。

標高2,800m、頂上までの距離があと700m地点で、え!?ハシゴ?と嫌な物が見えてきました。

どうやら、最近(2025年)崩落があり、そこを避けるようにハシゴ新ルートが出来たようです。

垂直のハシゴを登る時も十分怖かったのですが、登り切った先で横へ移る時、体を岩に張り付けるようにして進んでいる時もかなり怖かったです。

ここまで来ると、頂上周辺の岩の雰囲気。あの向こう側はどうなっているんだ?どう見えるんだ?というモチベーションで突き進みました。

先ほどの岩を登りきると、立山室堂からやって来る①別山尾根ルートと合流しました。
それまで正面の山に隠れていた剱沢キャンプ場や立山の景色が一気に目の前に広がり感慨深い気持ちに。さらに登山者が一気に増えて賑やかになった事で気持ちが高ぶりました。

「頂上は本当にすぐそこ!」

それにしても、別山尾根ルートの切り立った岩壁は上から見ているだけでも怖さが伝わってきます。

3.「頂上」~「下山」

約5時間半かけて、ようやく登頂!!! 

SNSなどでよく見る場所、いろんな方が登頂達成の記念写真を撮る祠「これが、あの!!」と思いました!

みなさん、思い思いに過ごされています。尖がっているように見える山ですが、頂上はそこそこ広く多くの方がゆっくりされていました。
私も景色を眺めたり、いろんな方と会話をしたり、1時間以上は頂上を堪能しました。

青空が広がる「最高の天気!」ではありませんでしたが、視界は良好。遠く穂高連峰や槍ヶ岳までしっかり見る事ができました。なにより、初めての登頂を果たした達成感が最高でした!

まだまだ頂上にいたい気持ちはありましたが、下りも時間がかかりそうなので名残惜しく下山を開始しました。

下山開始。あのはるか下の川まで下らなくてはならないと思うと、ぞっとします。 また、下りの道は登りよりも怖く見え、実際に足を置く場所など難易度が増していました。

登りの時に、こんな道通ったかな?と思えるほど違う道に見え、とても怖かったです。一歩ずつゆっくりと、慎重に。

岩場が終わり一安心。ただ、ガスが出てきて視界もなくったので楽しくない下山となりました。

なんとか無事に下山できました!この「試練と憧れ」石碑を登り始める時に探しましたが見つけられず、ようやく発見。
休憩を入れて約11時間かかりましたが、終わってみると楽しい山行でした。

ずっと憧れ! いつかは『剱沢キャンプ場』からも!

登る前は「カッコいいな、いつか登れるかな」と憧れていましたが、登った後もやっぱり「カッコいい山だな。また機会があれば登ってみたいな」と感じました。

そんな初めて剱岳に登った数日後に、富山県と長野県に跨る『唐松岳』に登頂してきました。「数日前はあの頂にいたのか」と思うと、不思議な気持ちになりました。

以前『剱沢キャンプ場』を利用した事はありましたが、次はここをベースに①別山尾根ルートで剱岳登頂を狙ってみたいと思います。
ここは、本当に大迫力の剱岳を見ながら宿泊できるのでお勧めのキャンプ場です。できれば二泊三日でゆっくり山を楽しみたいです。

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