富山に魅了され、自然栽培の米づくりを生業に。AGUMOGU(あぐもぐ)・麓絵里さんを訪ねて
肥沃な土、おいしい空気と水に惹かれ、1人で富山に移住した女性がいます。それが、麓絵里(ふもとえり)さん。今回は彼女が立ち上げたAGUMOGU(あぐもぐ)の事務所と田んぼ、畑を訪ね、自然栽培で育てているお米や、それを使ったお酒やお餅についてお話を伺いました。記事後半では、おすすめ商品を紹介します!
自然とともに育てる、AGUMOGU(あぐもぐ)の米づくり
麓さんの事務所があるのは、富山市婦中町の外輪野(そとわの)という、昔から農業が営まれてきた地域です。田んぼはそのすぐ近くの道島という地域に4か所あり、3ヘクタールほどを管理しているそうです。
田んぼでは、コシヒカリや酒米、古代米、もち米を育てています。特に感動したのは、森を抜けたところにある、山と川に囲まれた田んぼ。「真夏は暑くて大変ですが、春や秋はさわやかな空気や空、まわりの景色や川の音が本当に気持ち良いですよ」とのことで、私も風が通り抜けた時の心地よさに感動しました。
麓さんは化学肥料、有機肥料、農薬を一切使わず自然本来の生命力やまわりの自然の力を最大限に生かして育てる「自然栽培」という栽培方法で、作物を育てています。始めてから数年、田んぼの周辺には様々な生き物が暮らすようになりました。「ある夏の夜、『数十年ぶりに田んぼで蛍を見たよ』と田んぼの近くに住んでいる方から電話をいただいたときは、本当にうれしかったです」と、麓さんは笑顔で語っていました。
出張で訪れた富山に魅了され、移住へ
埼玉県出身の麓さんが富山に来たきっかけは、限りなく偶然に近いものでした。今から10年前、2016年に医療機器メーカーで働いていた時に長期出張で約3か月滞在する機会があり、食や自然の豊かさに魅了され、その後も定期的に通うように。その出張の前に自然栽培でリンゴを生産する木村秋則さんをモデルにした映画『奇跡のリンゴ』を観て、強く惹かれ「趣味として自然栽培に取り組みたい」と思い始めていたころでした。そんな思いが伝わったのか、仕事の取引先の方の紹介で畑を借りられることになり、東京から通いながら自然栽培を開始しました。翌年の2017年には農業法人としてAGUMOGU(あぐもぐ)を設立し、仕事を辞めて2018年2月に富山へ移住したそうです。
もともとは趣味にしようと思っていた自然栽培を生業にすることにした理由を聞いたところ、こんな答えが返ってきました。
「父が難病を患う姿を見て『人はいつ動けなくなるかわからない』と感じ、『やりたいことは今やった方がいい』という考えになったんです。当時は20代後半で、守るものがなかったこともありました」
自然栽培のプロから学び、自分のスタイルを模索
就農してからは、本を読み勉強しながら、自然栽培に取り組む農家を訪ね、独学で自身の場所、土に合った育て方を模索してきました。特に大きな気づきは「土」の重要性。収穫後にいかに良い土にするかを考えながらお世話をすることが、次の年の田植え、収穫の成功を決めるそうです。
また、お餅づくりやお酒づくりのきっかけも、印象的でした。「富山産のもち米で作るお餅がとにかくおいしくて、自分でも作って食べたいと思った」「お酒が好きなので、自分の酒米で作りたかった」といった、「口にしてみたい」という思いがきっかけになっているのです。その熱い気持ちを伝え、お餅は近所の加工所で、お酒は八尾にある福鶴酒造で製造してもらえることになりました。
就農してから今年で9年目。「毎年、『今年はどうなるかな』と思いながら取り組んでいるので、全く飽きないです」と楽しそうに語る麓さん。2019年に取締役に就任した、近所に住む西田俊和さんと強力なタッグを組み事業を進めています。親子ほどの年齢差を感じさせない2人の息の合ったやりとりは、どこかほほえましく、そこから「自然栽培をこれからも続けていきたい」という思いが、じんわりと伝わってきました。
最近では田植えや収穫のイベントを開催したり、あぐもぐの米粉を使ったお菓子とお茶によるアフタヌーンティーを企画したりしています。これからの展開も楽しみです!
おすすめ商品を紹介!
ここからは私が選ぶ、あぐもぐのおすすめ商品を紹介します。
まずは、2023年から作り始めている「福めぐり」の「純米生原酒」をご紹介します。精米歩合78%で、八尾(やつお)にある福鶴(ふくつる)酒造が手作業で丁寧に仕上げています。米のうまみを生かしたお酒に仕上げているのが大きな特徴で、毎年天候や気温の違いで味が変わるそうです。飲んでみると、身体の奥底から力が湧いてくるような、力強い風味に驚きました。「二日酔いが無い」「直感的に身体が喜んでいる」といった飲んだ方からの感想にも、同感です。
こちらは、無農薬・無肥料で育った古代米「朝紫」です。抗酸化作用の高いポリフェノールの一種「アントシアニン」が含まれています。お米に混ぜて炊くと、ほんのり紫色になります。お米に朝紫のつぶつぶとした食感が加わって、食べていて楽しいです。
お餅は、今回は「玄米餅」と「紫玄米餅」を食べてみました。どちらも使用しているのは「幻のもち米」と呼ばれる富山自慢の品種「新大正もち米」の玄米。紫玄米餅はそこに朝紫を加えてあります。どちらも、食べてみると「コシと粘りとなめらかさを兼ね備えている」というもち米の特徴が伝わってきました。朝食や昼食用に焼き、のりで巻いて食べるのがお気に入りです。
無農薬・無肥料の自然栽培で育った雄山錦の米粉です。パウンドケーキを焼くときなどに活用しています。お米本来の甘みがあり、できあがりはもちもちの食感になります。無農薬なので安心感が高いことはもちろん、おいしく仕上がるのがうれしいです。
購入できる場所を紹介!
あぐもぐの商品は、オンラインショップの他、富山県や東京都にある取り扱い店舗で購入できます。
県内では、以下の店舗で「福めぐり」が購入できます。「リカーショップよしだ」はこだわりの品揃えが人気のお酒の専門店で、これぞというお酒のお土産を探すのにおすすめのお店です。
「D&DEPARTMENT TOYAMA」と「地場もん屋」は、お酒以外に富山ならではの食品や雑貨も多数あり、私もよく訪れています。
また、現在は県内の以下の飲食店で「福めぐり」が飲めます。
「美乃鮨」は富山湾鮨のレポート記事があるので、よろしければお読みください。
富山の自然の力を最大限に生かして作られている、あぐもぐのお米やお餅、お酒には唯一無二の魅力があります。ぜひ味わってみてください!
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本記事は2026年10月時点の情報です。最新の情報とは異なる場合がありますので、ご利用の際は公式サイト等で最新情報をご確認ください。