TJAR2026【8月9日0時】富山から始まる日本一過酷なレースに挑む地元の選手!

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2年に一度、富山県魚津市(うおづし)から始まる『TJAR(トランスジャパンアルプスレース)』。富山県の海岸から静岡県の海岸まで、3,000m級の日本アルプスを越えて総距離約415kmを走る、「日本一過酷」とも呼ばれる山岳レース。

TJAR2026 のスタートは、8月9日(日)0時

この6月、その出場権をかけた選考会を現地で見てきたのですが、当日は強風雨のサバイバル状態。全国各地の屈強なツワモノが70人も集まったのに、合格したのはわずか28名でした。
今回は、そんな厳しい選考を突破し、3度の落選を乗り越えて今回大会「富山県内唯一」の本戦出場を掴み取ったランナーの、激闘をレポートします。

1.【大会概要】そもそもTJARってどんなレース?過酷な驚きのルール

もともとは2002年、創設者の岩瀬氏がお盆休みを利用し、仲間内数名で日本縦断を試みたのが始まりだったそうです。2年に一度の開催を重ねる中で徐々に参加者が増え、現在では多くのランナーが憧れる「日本一過酷な山岳レース」とも言われるようになりました。また、選手だけではなく、多くのファンが注目し熱い声援を送る一大イベントにもなっています。

私がTJARを知ったのはここ数年のことで、調べていくうちに本戦の過酷さだけではなく、「スタートラインに立つこと」自体に信じられないほど高い壁があることに驚きました。

【本戦へ出場するためには】
本戦に出場するためにはを走力、技術、知識だけはなく、“運”も必要となります。
【1】書類選考:厳格な山岳経験、走力証明、救命講習の有無などを厳しくチェック。
  ↓
【2】1回目の抽選:書類通過者の中から、ライブ配信の抽選で70名に絞られる。
  ↓
【3】選考会:南アルプスでの実技・筆記試験(※今回、私が見届けてきました!)。
  ↓
【4】2回目の抽選:本戦に出場できる30名が最終決定。
実力があっても運がなければ出られない、本当に狭き門です。


【TJAR本戦の過酷なルール】
富山湾から太平洋まで、北・中央・南アルプスをすべて自分の足で繋ぐ、異次元のスケールです。
・ルート:富山県魚津市(早月川(はやつきがわ)河口)~ 静岡県静岡市(大浜海岸)迄のチェックポイントを繋ぐ
・総距離:約415km / 累積獲得標高:約27,000m
・制限時間:196時間(8日間)
・山小屋の利用不可:食料の購入は不可(水のみ購入可能)。自給自足のツェルト泊。
・サポート禁止:他人からの支援は一切受けられず、すべて「自己完結」。

※この他にも必携品、荷物デポ、ヘルメット・走り禁止区間など様々なルールあり。

そして驚くことに、これだけ過酷な大会でありながら、優勝賞金はなんと「ゼロ(なし)」。

大会創設者の「他人からのサポートを一切受けず、すべて自己完結で挑む」というコンセプトに共感した人だけが、己の限界に挑みます。走力や体力だけでは絶対に完走できない。それこそが、TJARが日本一過酷と言われるゆえんなのだと思っています。

2.【地元選手】3回落ちても諦めなかった富山のランナー山野本さん

そんな、体力、技術、知識、さらに運までも揃わないとスタートラインにすら立てない超難関レースに、今大会(TJAR2026)、富山県在住の選手として唯一本戦出場を決めた選手がいます。
それが、山野本陽平(やまのもと・ようへい)さんです。

山野本さんがTJARに出場したいと思ったのは、TJAR2018(2018年大会)を応援するため南アルプスを訪れていたときのこと。目の前を凄まじい勢いで疾走していく選手たちを見かけ、強烈な衝撃を受けたのがすべての始まりでした。

「自分も出場したい」そう決意したものの、そこから本戦出場への道は想像を絶する厳しさでした。

TJAR2020(コロナの為2021年):応募するも、最初の「書類選考」にて落選。

TJAR2022・2024:書類は通ったものの、今度は「選考会(実技試験)」の壁に阻まれ連続落選。


万全の準備をして挑むも、一度落選すれば次のチャンスが巡ってくるのは2年後です。これだけの長い歳月、過酷なトレーニングをこなしながら、体力とモチベーションを維持し続けること自体が並大抵の事ではありません。
それでも山野本さんは決して諦めず、TJAR2026(今大会)で見事、4度目の挑戦にして念願の出場権を獲得しました。

これほどまでにTJARへ執念を燃やす山野本さんですが、実は以前は全く別の職種で働いておられました。しかし、「もっと山に携わる仕事がしたい」という強い想いから一念発起して前職を退職。現在は、山に関係する職業に就き、まさに山と共に生きる日々を送っています。
今では自身のSNSなどを通じ、多くの人々へ山の素晴らしさ、そして過酷さを精力的に発信されています。

3.【現地レポ】本戦出場の壁は想像以上。猛烈な強風雨の選考会

TJAR2026本戦への出場をかけた選考会は、6月20日、21日と2日間にわたって南アルプス周辺で行われました。

ーーー【選考会のタイムスケジュール】ーーー
■1日目 (駒ケ根ファームス集合
2:15〜3:45:受付、装備品チェック
4:45~5:00:走行スタート
19:00:長衛小屋着。
緊急対応、露営具(テントなど)設営試験
■2日目
2:00:走行スタート
10:45:仙流荘ゴール。筆記試験

※選考会では、スマホ等の機器は使用できず、紙の地図から指定されたルートやチェックポイントに行かなければなりません(読図試験)
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今回、私は初めてその選考会へ山野本さんの応援に行ってきたのですが、夕方から猛烈な強風雨が吹き荒れる厳しい状況でした。過酷な本戦を想定しているとはいえ、「え、これでも中止じゃないんだ?」と思ってしまうほどの酷い天候。その中でも必死に頑張る選手たちの姿には圧倒されるばかりでした。

暗闇の中始まった、装備品チェックやブリーフィングの様子。ピリピリとした緊張感が漂っていました。選手、スタッフや応援・観戦する方たちで、とても多くの人数が集まっていました。

いよいよスタート!
この選考会では、ゴールの順位よりも正確さや適性が評価として重視されるとのこと。そのため、少し小走りで出ていく方、じっくりとゆっくり歩き出す方など、それぞれが自身のペースでスタートしていきました。

私は林道バスに乗り、1日目の終着点となる「長衛(ちょうえい)小屋」(標高1,989m)へ先回り。 ここでは露営具(テントなど)設営試験が行われる予定となっており、一番上のテント場は貸し切り中。ずらりと並んだ設営済みのテントは、すべて準備を整えたスタッフのものでした。

この時はまだ雨は降っていなかったので、選手が通過する予定の仙丈ケ岳(せんじょうがだけ)頂上(標高3,033m)へ向かう事にしました。しかし、登るにつれだんだんと激しい雨風となってきたので途中で断念。
こんな激しい雨風の中、3,000m級の稜線を走破してくる選手たちはすごすぎると感じました。

この仙丈ケ岳7合目を走破する選手たちの写真は、他の応援者の方から共有していただきました。
一方、私はそのずっと下、2合目の樹林帯で選手たちを待つことに。6月末とはいえ、標高2,000mを超える山での風雨。木々に囲まれた樹林帯の中にいても、体は震えるほどに寒かったです。

いつ、誰がやってくるかも分からない。選手たちもそうですが、こちらもかなりの孤独を伴う時間でした。視界の先から選手たちの姿がパッと現れた瞬間は、孤独から解放されかなり嬉しかったです。応援と少しの話をさせていただきました。

何名かの選手が通過した後、山野本さん登場!1日目のゴールはすぐそこなので、19時の関門にもしっかりと間に合いそうなペース! 声をかけさせていただいた後、颯爽と走り去っていきました。

この後は、緊急時対応の課題、ゴール後の露営設営の試験が待ち受けています。何十キロも走り疲弊した状態で行わなければならない上に、試験で立ち止まることで一気に冷えるのではないか!?
私でもかなり震えているのに、選手の皆さんは全身ずぶ濡れで強風雨にさらされる。大丈夫なのかな?と心配になりました。

テント場に戻った私は、到着した選手から順次始まってい露営具試験を目の当たりにしました。
1.制限時間内に設営する。
2.その後、スタッフが四方から引っ張る。
(露営具の倒壊は、厳しい評価が下されます)


晴天の平地なら難なくこなせると思われますが、状況が凄まじいものでした。すぐ目の前で設営する選手たちの手は、寒さでガタガタと震えているのが分かりました。突風で激しく煽られ、雨でドロドロに緩んだ地面にはペグが刺さらない。見ているこちらにまで、焦りと緊迫感が痛いほど伝わってきました。また、すでに試験を終え、ツェルトの中で休んでいる選手の姿も横目に見えました。激しい雨で中までびっしょりと濡れてしまっているのでしょう。外側の幕が中の身体へ張り付いているその状態からでも、内部の過酷さが伝わってきました。中で休んでいる選手も震えているようにも見えました。

到着順に行われるため、後から来た選手は日が暮れて雨風がどんどん強くなっていく中で露営具を設営していました。私は寒さで最後まで見届ける事は出来ず、自分のテントへ戻りました。


【選考会2日目】

深夜2時、雨風はさらに勢いを増し雷も鳴り響く、まさに嵐。気温も一段と低下しており、「さすがに中止なのでは?」と思うほど。しかし、容赦なく選考会二日目は行われました。 この暗闇の凄まじい状況の中、選手たちは再び標高3,000mの仙丈ケ岳を目指します。

1日目に70名でスタートしたこの選考会ですが、深夜2時の点呼に集まったのは、50数名。
厳しい1日目の関門にあと一歩届かなかった選手、極限の寒さのなかで自らの体調を冷静に見極め低体温症の手前で勇退した選手、寒さで身体を休められないほど環境に晒されながらも命を守るためにリタイアを決断した選手たちがいたと聞きました。

TJARという日本一過酷なレースに挑むために、想像を絶するトレーニングを積み重ね、厳しい選考基準をクリアしてこの場にやってきた選手たちですが、山と真剣に向き合い、己の限界を冷徹に見極めたからこそ出来た決断なのだと、胸が熱くなりました。

嵐がおさまった朝7時ごろ、私はテントを撤収し、再び林道バスを利用して2日目のゴールとなる「仙流荘」へと先回りしました。 選考会の最後は、この林道を選手たちが力を振り絞って走ってきます。

2日目のゴール関門は10時45分。山野本さんは10時20分頃に見事ゴールを果たすことができていました!想像を絶する過酷な環境を走破してきたというのに、なんとも爽やかな笑顔でのゴールでした。

しかし、選手たちは到着次第、すぐに筆記試験が行われ、それを経てようやくすべての選考会プログラムが終了となります。
私はここまで見届け帰路につきました。この極限の過酷な状況は、本戦以上に見ごたえがあったのではないか?とさえ思えました。毎回この選考会を応援しに足を運んでいるというファンの方もいらっしゃいましたが、今ならその気持ちがよく分かります。

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■【TJAR2026 選考会結果】
 ・参加者: 70名
 ・合格者: 28名


山野本さんは、見事「合格」をされました!
また、「今までで一番過酷な選考会だった」と、その壮絶さを振り返られています。
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■さらに後日【本戦出場への抽選会】
(選考会を免除された前回完走者4名を加えた計32名)

こちらも、本戦へ出場できる30名の一人に当選!

4.【応援ガイド】スタート地点「ミラージュランド」やオンライン応援、注意点も

TJARは通常の一般道や登山道を走破するため、沿道や山中で選手に応援を送ることができます。
スタート地点では同時に全員を見ることができ、またスタートから近い場所であれば、走行する選手たちの間隔も詰まっているため、短時間で多くの選手たちを応援する事ができます。

【開会式・スタート】
■ミラージュランド(富山県魚津市)

スケジュール
・8月8日(土)21:00~:開会式(ミラージュランド芝生広場)
・8月9日(日)0:00:スタート(早月川河口)
当日の営業、施設(通常16時閉園)
・ナイター営業中(21時まで一部遊具運転)
・園内休憩所「しおかぜ」利用可能
・スタートまで滞在可能
入園料金・駐車場
・入園無料
・駐車場無料(普通車1,000台)


【現地で応援】
■剱岳山頂

早月川河口を0時にスタートした選手たちが最初に登る、北アルプスを代表する山です。選手たちが山頂にやってくる頃にちょうど夜が明けるため、険しい岩場に挑む姿を見られる人気の応援スポットとなっています。近隣の山小屋やテント場に宿泊し、未明から登山をして応援する方も多くいます。

■立山周辺
常にたくさんの登山者で賑わっている立山は、初日の日中に選手たちが通過していきます。雄山〜一ノ越間は選手たちも走行禁止区間となっております。気を付けましょう。

■上高地(長野県)
北アルプスを縦走してきた選手たちが、久しぶりに人里へと降りてくる場所です。一安堵の表情が見られ、ここで休息をとる選手もいるかもしれません。


【オンラインで応援】
■GPSトラッキング(IBUKI GPS)
全選手の位置情報や順位がリアルタイムにマップ上へ表示されます。選手が今どこを走っているのか確認できるため、近くを通過するタイミングを狙って応援に行くのにも便利です。
※大会期間中は、公式ホームページにリンクが掲載されます。

■公式SNS投稿、Live配信
期間中はTJAR公式のInstagramやFacebookで大会の様子が随時アップされていきます。また、Live配信も頻繁に行われますので、感動のゴールの瞬間なども見ることができました。

【応援ルールとマナー】
良かれと思った応援が選手のルール違反(失格)に繋がることがあります。以下のルールを必ず守るようにしましょう。
■ 禁止されているサポート行為
・選手および持ち物に触れる事(マッサージ等は不可。単純な握手などは可)
・物品の受け渡し(差し入れ、ゴミや不用品の回収)
・荷物の搬送
・選手の行動にシンクロナイズした継続的な伴走、それに類する行為

■ マナーと地域への配慮
・他の登山者や山小屋に迷惑をかけない
・国立・国定公園内でののぼり旗や横断幕の設置は控える
・ゴール付近(大浜海岸)は住宅地のため、21:00~6:00までゴール及びその付近での応援は禁止。(砂浜は制限しない)

5. 【同日開催】海上花火と世界が認めた祭り!!じゃんとこい魚津まつり2026

毎年8月の第1金曜~日曜日にかけて行わている魚津市最大のイベントが、今年2026年は8月7(金)~8月9日(日)と、TJAR2026の開会式・スタートと同日時に開催する予定となっています。

■2026年8月8日(土)
 ・14:40-16:00    UO!JAZZ Opening ACT
 ・16:00-21:20    UO!JAZZ 2026
 ・18:30-22:00    うおづキャンドルロード
 ・19:40-20:20    海上花火大会
 ・20:30-         たてもん祭り
 ・21:00-      TJAR2026 開会式
 ・24:00(翌0時)TJAR2026 スタート!

いずれの会場もそれほど遠くなく、海上花火は「ミラージュランド」の海岸でも見れそうです。また、「たてもん祭り」は2016年ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の一つに登録されており、魚津市に来たなら是非とも見ておきたいお祭りです。

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※19:40-20:20

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「魚津のタテモン行事」を含む全国33の 「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されています。世界が認めたお祭りです。
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街中を綺麗に彩るキャンドル。「日本夜景遺産」に認定!!
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