【富山市日帰り観光モデルコース】NYタイムズで話題の街を電気自動車「テスラ」でめぐるエコなコンパクトツアー!

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世界的メディアの「ニューヨーク・タイムズ紙」にて、「2025年に行くべき52カ所」のうちの一つに選ばれた富山市は、話題の観光地として国内外旅行客の耳目を集めている。同市は一方で、SDGs(持続可能な開発目標)未来都市に選定されており、経済・社会・環境の三側面に配慮した持続可能なまちづくりを掲げる。今回は環境の側面から、排ガスのない電気自動車レンタカーに乗り、同紙に載った観光地を取り入れつつ、地元民おすすめの箇所をコンパクトにめぐるエコな日帰りツアーを実体験に基づいて提案する。

【10:00】「E-bo(イーボ)」で電気自動車テスラのレンタカーを借りいざ出発!

今回乗車するアメリカ産の電気自動車「テスラ」のレンタカーを取り扱うのは、富山市田中町にある商社「杉政貿易株式会社」の電気自動車部門「E-bo(イーボ)」。2025年4月よりレンタカー業務を始めた。予約は専用アプリ「BOXIV SHARE(ボクシブシェア)」、ホームページおよび電話にて受付。配車は同社か、または富山駅北の北陸電力本社前も対応する。車種はセダンタイプで、1回の充電で約300km走行可能。富山市内を観光するには十分で、ガソリン車でよくある満タン返しの必要はない。本店以外のレンタカーの充電設備は1か所、富山市丸の内にある。

同社の吉崎宏介チーフマネージャーに運転操作法や諸注意の説明を受け、少し緊張しながら出発。アクセルを離すと自動でブレーキが効く、などの最新の装備を体感しながら最初の目的地へ車を走らせた。

【10:20~10:40】「呉羽山公園展望台」立山連峰と富山市街地が映える行くべき写真スポット

初めに訪れたのは富山市安養坊(あんようぼう)の呉羽山公園展望台。同所は富山ならではの風景をあおぐ“特等席”として、地元メディアや写真愛好家らに重宝されている。無料駐車場は障がい者用を含めて5台。
20年以上前の話だが、筆者が地元新聞記者だったころ、冬の曇天続きから青天になった日、待ってましたとばかりに新聞社写真部のカメラマンが同所を訪れ、夕陽に照らされて紅に染まる凛々しい立山連峰と富山市街地の一瞬を収め、新聞第一面の中段に掲載していたものだ。
写真の出来栄えが良いと、「太田ァ~、どうよこの写真!素晴らしいやろ~」と話しかけられた。
「いやあ、オレじゃあ絶対に撮れないです。やっぱ腕凄いですねえ!」と返せば、「そうだろ~。じゃあ、お前の腕で写真に付ける雑感(この場合は、その日の天候を中心とした感想風記事)書いてね~。よろしく!」と、まんまと仕事を増やされたのを昨日のように思い出す。

それほどまでに、呉羽山公園展望台は写真撮影地として行くべき場所であり、地元メディアはその場所を季節や天気のニュースを報じる素材としてよく選ぶ。
今では北陸新幹線の運行する様子も写せるようになった。この地での写真撮影の際には、立山を開山した伝説の人物「佐伯有頼(さえきありより)」の銅像を構図に入れて撮るのをおすすめしたい。

【10:45~11:45】見所満載!地元民の古き良き民俗文化を知る「富山市民俗民芸村」

呉羽山展望台からそのまま道を北に進んでいくと、富山市安養坊の「富山市民俗民芸村」にたどり着く。同村は富山市民の昔の民俗文化を知って学び体験できる9つの施設がある。無料駐車場は2か所ある。
駐車場に車を停めてまず目にするのは「民俗資料館」。茅葺き(かやぶき)の合掌造りの建物は、富山市山田中村にあった江戸時代後期のものを移築した。内部には昔富山市民が農耕に使用した用具や、雪ぐつなどの生活用品が収蔵展示されている。

同村にある「民芸合掌館」も合掌造りで、ここでは囲炉裏や広い空間を活かした江戸時代の大型家具が見所だ。どちらの館も富山県南砺市の世界文化遺産「五箇山合掌造り集落」の雰囲気が感じ取れるので、もし五箇山方面への旅行計画のない場合は、こちらを訪ねてみてはいかがだろう。

民俗民芸村の見所はまだある。茶室の「円山庵」は、風格ある大正時代の建築物で、清らかに整備された庭園を眺め、四季の彩を感じながら抹茶と和菓子で一服するのも趣深い。

「とやま土人形工房」は、縁起物である土人形の展示販売と絵付け体験を開催しており、年末に向けた干支の土人形制作風景がよくメディアで報じられる場所だ。過去には国民的アニメ番組のオープニングにも取り上げられている。鮮やかな色合いで描かれた愛らしい表情の人形は、お土産にも最適だ。

そのほか、富山の薬売りの文化習慣を知る「売薬資料館」、富山市出身の日本画家篁牛人(たかむらぎゅうじん)の作品が展示された「篁牛人記念美術館」、「考古資料館」、「売薬資料館」、「陶芸館」、「民芸館」がある。全館を見学するには1時間では足りず、今回は5箇所をめぐり、昼食場所へ向かった。

【12:00~13:15】フランス料理店「シェ・ヨシ」で地産食材使用のランチを堪能

昼食場所は富山市中心部へ。富山市舟橋南町のフランス料理店「シェ・ヨシ」は、富山県ゆかりの作家や作品を展示する「高志の国文学館」内にある。店内に入ると、緑鮮やかな庭園が目に映る。降り注ぐ太陽の木漏れ日と木々とのコントラストを眺めながら味わう料理は格別だ。車は「高志の国文学館」の駐車場を利用し、3時間まで無料となる。

Column

富山ゆかりの文学等を知る「高志の国文学館」-1

富山ゆかりの文学等を知る「高志の国文学館」

「シェ・ヨシ」が入る「高志の国文学館」は、富山県ゆかりの作家や作品を紹介している。ジャンルは文学のほか、絵本、映画、漫画、アニメなど幅広く、富山県の創作の世界を深く知ることができる。

高志の国文学館

ランチメニューは2種類あり、Aランチ(2750円)を注文した。まずは「本日の前菜盛り合わせ」から。紅ズワイガニのテリーヌやスモークサーモン、糀(こうじ)和牛のタタキなどが盛られており、見た目が美しい。一つ一つ素材を生かす味付けがなされた品をしたため、富山県で製造されたノンアルコールシャンパンを口にして優雅な気分に浸っていく。

続いてのフランスパンは、バジルソースを付け香り良く楽しむ。メイン料理はパスタ、リゾット、ガレットの3種類から選べ、この日は地産食材を使用した「小矢部産そば粉と黒部産ヒナタノチーズのガレット」を選んだ。そば粉のもちもちの食感と、チーズと玉子の豊かな風味が合わさり、思わず顔がほころぶ絶妙な味わいだ。

デザートはバスクチーズケーキとカシスシャーベット。濃厚とあっさりの2品を交互に味わい、お腹と心が充分に満たされた。

【13:30~14:30】お土産にも最適!「吉田屋鱒寿し本舗」の手作り体験

食後の腹ごしらえとして体を動かそうと選んだのは、富山名物「鱒の寿し」の手作り体験。訪問したのは昼食場所からすぐ近く、富山市安野屋町(やすのやまち)2丁目の「吉田屋鱒寿し本舗」。1941(昭和21)年創業の老舗の同店では、平日は13:30、日・祝日は10:30から約1時間手作り体験を開催している。2名から受け付けており、料金は3500円。店の横に専用駐車場がある。

体験では、3代目店主である吉田正寿さんの説明の下、まずは容器に笹を並べて立てる。笹の上に鱒を敷いて、鱒の上からすし飯を入れ、均等にする。笹を畳み、梱包するまでの一通りの作業をし、作り終えた鱒の寿しは持ち帰りできる。この日、名古屋からのリピーターと一緒に体験しており、その人に推しポイントを尋ねると、「店主の説明が丁寧で分かりやすいですね。笹を立てる工程がツボで、対角線上に一発できれいに揃うと、心が整うようで楽しいです。それにハマって、もう5、6回来てますよ!」とにこやかに答えた。

余談ではあるが、店主の吉田正寿さんは昔、ヒップホップのラッパーとしても名を馳せており、アドリブの効いた話術は超一級品だ。店主とのトークを目的に来店しても、富山旅行の思い出に深く残るだろう。

【14:45~15:45】カフェ「nōte」愛らしいデコレーションスイーツの「くまのティラミス」

時刻は“おやつの時間”の15:00近く。休憩しようと少しばかり車を走らせた先は、2025年4月にオープンした富山市布瀬本町(ぬのせほんまち)のカフェ「nōte(ノート)」。長細いレイアウトの店内には、カウンターと2名掛けのテーブル席がある。同店では、空間を演出しようと音にこだわっており、店内で流れる音楽はミュージックセレクターに選曲を依頼、県内に一台しかないスピーカーを使っている。コーヒーにも注力し、入念にコーヒー豆を選んでお店オリジナルのブレンドを設えて提供している。店の裏に専用駐車場がある。

加えて、SNSで話題を集めているのが「くまのティラミス」。クッキーを枕に見立て、くまが寝そべっている様子をティラミスのデコレーションで表現している。くまは同店のマスコットキャラクターで、模した品はほかに「くまの氷コーヒー・オレ」がある。
早速くまのティラミスとホットコーヒーを注文。すると、ティラミスは大人気のため残り1つとなっていた。香り高く雑味のない澄み切った味のコーヒーを口にしながらティラミスを眺めると、可愛すぎて食べるのをためらってしまう。周りの女性客にも「くまちゃんカワイイね~。食べちゃうの?」と声掛けされたが、味を書かなければライターの責務を果たせない、と断腸の思いでくまにスプーンを入れる。口当たり濃厚だが後味あっさりの食べやすい品で、コーヒーに良く合う。心地よい空間でしばしの休憩時間を過ごした。

【16:00~16:45】NYタイムズの紙面を飾った「富山市ガラス美術館」ミュージアムショップもおすすめ

ツアーの最後に訪れたのは、写真付きでニューヨーク・タイムズの紙面を飾った富山市西町の「富山市ガラス美術館」。「ガラスの街とやま」を発信する文化芸術拠点として著名建築家の隈研吾氏が設計を手掛けた建物で、館内には2か所の常設展を中心にガラス作品があちこちに並んでいる。駐車場は近隣の有料パーキングを利用する。
紙面に掲載された構図の写真スポットは2階で、6階までの吹き抜けを囲むように配置されたフロアを下から撮ると、幾何学的なデザインが表出した芸術的な雰囲気の一枚になるだろう。
 

2階にはそのほか、カフェやミュージアムショップがある。ショップには富山県がブランディングする「寿司といえば、富山」にちなんだお寿司のガラス作品も販売されており、「2025年に行くべき52か所」へ訪れた記念として購入してみてはいかがだろう。なお、ガラス作品は一点物も多く在庫がない品もあるため、購入の際は実際に訪問して販売品を確認してほしい。

【17:00】コンパクトに観光、燃料をほとんど使わずエコにツアーを終える

ガラス美術館の観光を終え、レンタカー返却時間の17:00に「E-bo」に到着、無事に一日めぐり終えた。電気自動車の燃料も20km程度の消費にとどまり、コンパクトに観光地をめぐるエコツアーを体現できた。
今回のツアー内容を、富山市観光の一つのモデルコースとして参考にしていただければ幸いだ。

今回訪れた場所の地図はこちら

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