富山・利賀村のレストラン「L'évo(レヴォ)」体験記|秘境で味わう富山の真髄

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富山県南砺市利賀村(なんとしとがむら)にあるレストラン「L'évo(レヴォ)」を訪れました。富山市内からは車で約1時間半。庄川沿いを進み、いくつものトンネルを抜けて山を越えていきます。
進むにつれて道は細くなり、周囲の景色も少しずつ山の表情に変わっていきます。清らかな水の音、土の匂い。どんどん濃くなっていく森の緑。その先に、L'évoがあります。

山奥果ての地、秘境の人気レストラン「L'évo」

四月半ば、桜が散り始める時期に、南砺市利賀村の「L'évo(レヴォ)」を訪れました。


オーナーシェフの谷口英司(たにぐち えいじ)氏は1976年大阪生まれ。フランス料理の研鑽を積んだ後、2014年に富山市でL'évoを立ち上げました。その後、2020年にこの南砺市利賀村へ移転。店内に入ると、オープンキッチンで真剣に料理と向き合うスタッフの方々の姿が見え、厨房には心地よい緊張感が漂っています。


私事ですが、実はここは、かつて夫がプロポーズをしてくれた大切な場所でもあります。残雪が光り、ふきのとうが顔を出す春の空気に触れながら、再びこの地を訪れることができた喜びを感じました。

山と海の恵みを、ひとつの流れで味わう

コースは前菜から始まり、この土地の食材が少しずつ展開されていきます。

序盤にいただいたコシアブラのフリット。ザクザクとした衣の中からコシアブラの青い香りと春を感じさせる苦味があふれ出してくる、シンプルながら印象に残る一皿でした。茎を持ってそのまま食べるスタイルで、素材の持つ力をダイレクトに味わう感覚があります。

富山の地形を旅するように

後半に登場したのが、大門(おおかど)素麺でした。富山県砺波市大門地区に伝わる伝統的な食材ですが、ここでは半生麺を使用しています。スープは山羊のチーズとふきのとうのオイルを合わせた複雑な味わい。チーズの濃厚さと深みがありながらも重たくなりすぎず、ふきのとうの香りでするりと爽やかに入っていきます。

私のような地元民にとっては食べ慣れているはずの地元の食材が、谷口シェフの感性によって全く新しい表情を見せる。その鮮やかな変化に感服するばかりでした。

料理全体は、富山の豊かな地形を旅しているかのようでした。 富山湾の真鰯や水蛸、大越中バイ、そして春の象徴であるホタルイカ。それら海の幸の合間に、ツキノワグマや猪といった山の力強い滋味が組み込まれています。
 

富山の海から山へと続くダイナミックな広がりを、そのままコースに凝縮したようです。

「命をいただくこと」を実感する、心に残る一皿

終盤に提供された鶏足は、お店を象徴する一皿。足一本丸ごとで提供されるその見た目にはインパクトがあり、「命をいただく」という行為と覚悟をあらためて意識させられます。

この鶏は、この店のために飼育されているもので、肉はしっかりとした旨味があり、皮の香ばしさが印象的でした。鶏肉の中には、熊肉の旨味を吸った米が入っています。この米の存在が料理に奥行きとシェフの技をいっそう感じさせてくれます。

利賀村でしかできない「食体験」

この場所に向かうまでの時間や環境も含めて、一つの完成されたストーリーなのだと実感します。山奥にある利賀村という場所と向き合い、独自の表現を形にし続けるシェフやスタッフの姿勢に、静かな強さを感じました。
 

この唯一無二で特別な体験を糧に、また明日から仕事を精いっぱい頑張ろう。そんな前向きな力を与えてくれるレストランです。

店舗情報:L'évo(レヴォ)

店舗情報:L'évo(レヴォ)

所在地:富山県南砺市利賀村大勘場田島100番地
電話番号:0763-68-2115
定休日:毎週水曜日、第1・第3火曜日 [8月上旬は夏季休業](詳細は公式サイトを確認)
予約方法:完全予約制。公式サイト内の予約システムより受付


 

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