【VISIT富山県】親子で、伝統木製建具職人による「縁起組子」体験 ~富山県砺波市にて~
富山県砺波市にある 河島建具 で、「縁起組子」体験を家族4人(小学生2人含む)でしました。
「組子(くみこ)」とは、日本の伝統的な木造建築に用いられる繊細な木工装飾のこと。
約1400年の歴史を持つ、釘を一本も使わずに木材を組み上げる日本ならではの職人技を、実際に見て感じられます。
今回、体験したのは、祈願やご利益の意味が込められた模様を組み上げる「縁起組子」。そして、和室の見学も。細かなパーツを一つひとつ組み合わせていく工程は、集中しながらも楽しい時間。
少しずつ形になっていく様子に夢中になり、完成したときの達成感も格別です。
初心者でも作りやすいように準備されており、3歳から90代まで年齢を問わず楽しめるのも魅力のひとつ。伝統工芸に触れながら、自分だけの組子細工を持ち帰ることができる、家族で楽しめる貴重な体験でした。
砺波市にある「河島建具」
ここを訪れたのは、雪が解け、春の陽気が漂い始めた3月。
あぜ道にはつくしが顔を出し、青い色の花、オオイヌノフグリが咲いていました。
散居村と呼ばれる大きな家屋が点在し、周りには田んぼが広がるのどかな風景。
昔は和室も多く、襖や欄間(らんま)などに「組子(くみこ)」が使われていたそうです。
静かな空気と木のぬくもりに包まれ、体験が始まる前から、ほっと一息つける素敵な雰囲気が広がっていました。そんな落ち着いた空間で、いよいよ組子体験が始まりました。
伝統木製建具職人さんによるレクチャー
まずは、伝統木製建具職人さんによるレクチャーからスタート。この道30年という親方が、直接教えてくださいました。
「縁起組子とは?」といった体験の説明はもちろん、木の性質や扱い方についてもとても詳しく、世界が広がった感覚がありました。長年の経験に裏打ちされたお話はとても興味深く、一つひとつの言葉に重みがあります。体験前から、職人の世界に引き込まれていきました。
丁寧に教えてくださる職人さん!とてもやさしく、体験が初めてでも安心。4種類の組子を順に紹介してくださいました。組子ごとの形や模様の意味、作り方のコツまでわかりやすく教えてくださり、早く作ってみたいとワクワク。実際に触れると、その精巧さに思わず感嘆の声がもれました。
「組子体験」スタート!
実際の使うパーツがセットされた組子キットが4種類。この中から1つ、選びます。
「りんどう」は誠実や忍耐、「あさのは」は子どもの健やかな成長や魔除け、
「ごまがら」は豊かさや子孫繁栄、「桝つなぎ」は幸せや財運が積み重なること
を象徴していることを教えてもらいました。形の美しさとともに込められた願いを知り、ひとつ賢くなった気がしました。
手元に注目してください。まずは、各パーツを同じ大きさごとに並べます。
このパーツは、一つひとつ職人さんの手作業で作られています。
数ミリ、いや0.01ミリの世界で削られ、ぴたりと組み合わさるように仕上げられたもの。
その繊細さに、思わず「すごい!」と声をあげていました。
見守ってくれたり、声をかけてくれたりと、ちょっと不安があっても安心です。
子どもたちも困ったときは「これでいいの?」と確認しながら、少しずつ形になっていくのが嬉しそうでした。
時には、「こうやってやってみて」と見本を見せてくださり、
「わかった!できる!」と、8歳の娘でも理解できるやさしい説明も。
最初はとても真剣な表情でしたが、徐々に楽しく取り組めるようになっていました。
家族で同じことに取り組む時間もとても貴重で、それぞれの進み具合を見ながら声をかけ合ったり、作品を見せ合ったりと、自然と会話も弾みました。
普段はなかなか味わえない、ものづくりに集中するひととき。家族みんなでゆっくりと楽しめる、特別な時間を過ごせました。
スタートしてから約20分ほど。
同じ模様になるようにパーツを組み、順番にはめ込んでいくと、少しずつ形が整っていきます。
最後のパーツを入れれば、いよいよ完成です。
完成した作品に大満足の息子。
「見て見て!ぼくが作ったんだ!」と、誇らしげに作品を掲げていました。
木のぬくもりと香り、細かな模様の美しさを感じながら、子どもたちの目が輝いているのがわかります。そんな中、息子がふと思いついた様子で、「違う幾何学模様が作れるんじゃない?」と。「違う模様にしてもいい?」と問いかけ、職人さんも笑顔で「もちろん、挑戦してみよう!」と応えてくれました。
少しの工夫で、同じパーツから全く新しい模様が生まれる面白さ。試行錯誤しながら形が見えてくる過程に、家族みんなで歓声を上げ、さらに体験が盛り上がりました。
「竜胆(りんどう)」のキットですが、「こうやったら、どうかな?」と、楽しそうな息子でした。
完成品を手に、記念撮影!
息子は「見本と違うけど、こういう形もいいんじゃない?」と、自分だけの工夫を楽しんでいました。木のぬくもりや香りに包まれ、細やかな模様の美しさに目を輝かせる姿は、まさに体験の楽しさそのものです。こうして家族で過ごす時間が、思い出の一コマとしてまた一つ増えました。
家族4人で作った作品は、作る楽しさだけでなく、その後のワクワクもいっぱいです。例えば、コースターにしてジュースを置いたり、クリスマスには小さなオーナメントとして飾ったり。光にかざすと模様が浮かび上がり、太陽の光が当たると影も面白く、飾っておくだけでもその価値がよくわかります。自分たちの手で作ったものが、日常の中で生き生きと活躍するのを見るのは、子どもにとっても特別な体験です。
職人さんから直接、伝統技術を学べる機会は、本当に貴重です。家族で過ごす時間と思い出を一緒に作る楽しさを、ぜひ多くの方にも体験してほしいと思います。
組子意匠書院・和室見学へ
歩いてすぐの隣接する建物では、建具に使われている欄間などを見学もできます。その見学も体験の一つです。細かな細工を間近で見れば、組子作りの魅力や奥深さに息をのむほどです。昔の人々の卓越した技術が今まで受け継がれてきたこと、その緻密さと美しさは、言葉では表現しきれないほどの感動があります。実際に目の前で見ると、作った作品への愛着も一層深まります。
釘を使わず、2種類の木材を精巧に組み合わせた組子。その緻密さと美しさには驚かされます。昔の人々の卓越した技術が今も受け継がれ、職人さんの努力と想いが込められていることに言葉に出来ない感動がありました。技術を継承されている親方から、直に説明を受けるのも特別な体験です。
木の性質や組み方の工夫、模様の意味まで教えていただき、作品の一つひとつに込められた想いを肌で感じることができました。
こちらは、曲線が多数で、組子の中でも最も難しい技法のひとつだそうです。間近でぜひ、ぜひ見学してほしい!と、心から思いました。組子の美しさは現代の暮らしの中でも十分に楽しめます。棚や小物入れ、照明の装飾など、ちょっとした場所に取り入れるだけで、日常に和の趣や温かみを加えることができます。
何千年も前から受け継がれてきた伝統技法を、現在、未来にも残していきたい、という職人さんたちの想い。そのためには、実際に体験して作ってみることが何より大切だと感じました。自分の手で触れ、形にする経験が、技術への理解や愛着を深め、次の世代へつなぐ一歩になるのだと思います。
特別な体験も!
実際に使用している桧(ひのき)の木を使い、薄く削ることの難しさを実感しながら、同じ厚さで削ることで美しい断面が生まれることを学びました。そして、桧はとても香りがよく、消臭剤としても利用されていることも教えてもらい、驚きと発見のある体験もできました。その丁寧さや精密さには改めて驚かされます。自分の手で触れ、形にしていく体験を通して、職人さんの技のすごさや伝統の重みを肌で感じることができました。
最後に・・・
自分の手で形にした作品は、見るたびにあのときのワクワクや達成感を思い出させ、伝統技術への理解や愛着を深めてくれます。親子で一緒に作り上げる時間は、単なる体験以上の価値があり、未来へと伝統をつなぐ大切な一歩になるのだと実感しました。
小さいお子さんから学生、家族連れ、お友達同士など、みなさんにおすすめしたい貴重な体験でした。
【立ち寄りスポット】砺波チューリップ公園
富山県といえばチューリップ🌷
砺波市には一年中チューリップを見ることができる、チューリップ四季彩館があります。
色とりどりのチューリップは可愛くて、華やかで、思わず笑顔になる美しさです。
「河島建具」より車で約8分。体験とあわせて、ぜひ!
毎年4月下旬からゴールデンウィークにかけて開催される「となみチューリップフェア」。砺波チューリップ公園を舞台に、色とりどりのチューリップが咲き誇る富山県を代表する春の一大イベントです。多くの人々で賑わいます。小さいお子様には、遊具がある場所もあり、滑り台やブランコで遊びながら、チューリップも楽します。春の陽気の中、散策しながら色鮮やかなチューリップの世界も満喫してみてください!
【立ち寄りスポット】糀スイーツ専門店「糀ASOBI」
「チューリップ四季彩館」から約600メートル。歩いて行ける距離に、糀(こうじ)スイーツ専門店「糀ASOBI」があります。砺波の気候や風土が生み出すおいしい水と米を使い、米粉100%・グルテンフリーの糀スイーツを製造販売しています。看板商品の「高道(たかんど)ロール」は、季節ごとの味が味わえる商品もあり、春は「さくら」がおすすめ。チューリップを楽しんだあとに、砺波で生まれたスイーツも一緒に味わってみてはいかがでしょうか?