【利賀村】「SCOT (スコット) 」の魅力!世界が認める演劇祭が富山の山奥に!?

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富山県南砺市利賀村(なんとしとがむら)で毎年夏に開催される「SCOTサマーシーズン」を知っていますか?

世界31カ国84都市以上で公演を行う国際的な劇団SCOTが、富山の山奥で繰り広げる日本初の国際演劇祭です。

正直、私も長年富山に住んでいながら、つい最近まで知りませんでした。でも実際に足を運んでみると、「こんなすごいことが富山で行われていたなんて!」と、改めて富山の奥深さを思い知る感動体験となりました。

この記事では私が実際に体験した、想像を超える利賀村SCOTの魅力をお届けします。「富山にこんなイベントがあったのか!?」と興味を持ってくれる人が1人でも増えたら嬉しい限りです。

想像を絶する!野外劇場で打ち上がる大迫力の花火演劇

まず声を大にして言いたいのは、利賀の野外劇場で見る「世界の果てからこんにちは」の圧倒的な迫力です。
山に囲まれた静寂な野外劇場。池を背景にした舞台で演劇が進むのですが、クライマックスで突然夜空に大輪の花火が打ち上がる瞬間は、まさに鳥肌もの。
ナイアガラの滝のような花火のほか、打上げ花火が何発も連続で上がり、まるで演劇と花火が一体となった芸術作品のようになります。

「えっ、こんな山奥でこんなことが!?」と、初めて見たときの衝撃は、今でも忘れられません。
これは間違いなく利賀の野外劇場でしかできない、特別な体験です。だって、花火の上がる演劇なんて見たことありますか?

演劇初心者の私でも、最初から最後まで釘付けになってしまいました。
 

こんな山奥に世界各国から観客が!? 国際演劇祭の実力

利賀村は、富山駅から車で約2時間かかる、まさに秘境と呼んでも過言ではない場所。でも驚くのは、そんな山奥に世界各国から演劇ファンが集まってくることです。

SCOTは、旧早稲田小劇場を創設した鈴木忠志氏が1976年に活動拠点を利賀村に移して創設した劇団。1972年のパリ世界演劇祭での初海外公演以来、日本を代表する現代劇団として世界で高く評価されています。

『リア王』『ディオニュソス』など、多くの代表作が世界各地で上演され、まさに「世界は日本だけではない。日本は東京だけではない。この利賀村で世界に出会う」というスローガンを体現しています。

実際に会場を見回すと、明らかに海外からの観客らしき方々も多数。演劇が終わった後の雰囲気も独特で、本当に演劇を愛する人たちが世界中から集まっているのを肌で感じます。

「ご随意に」という粋な料金システムに感動

SCOTで最も感動したのは、観劇料が「ご随意に」というシステムであることです。

通常の演劇なら決まった料金を支払うものですが、利賀でのSCOT公演では入場料金という考え方をとっていません。観客一人ひとりが「利賀村での活動を応援したい」という気持ちに応じて、金額を自由に決めて支払うのです。

学生や社会人になりたての頃など、「演劇を見たいけどお金が厳しい」という人でも気軽に足を運べる。そして経済的に余裕ができた時に、今までの分も含めて支援すればいい。この温かい仕組みに、富山人として本当に誇らしくなりました。

実は、このシステムにしてからの方が収入は増えているという話も。人の心の温かさを信じる、素晴らしい取り組みだと感動しました。

演劇後の酒樽割りで一体感MAX!

もうひとつ印象的だったのが、公演後の特別な時間です。 演劇が終わると、鈴木忠志さん自らが舞台に登場して観客に向けて話をします。

この話が実に面白い!忖度なし、自虐も交えながら、東京から富山の山奥にやってきて何十年も演劇を続けている方ならではの含蓄のある話に、みんな聞き入ってしまいます。

そして最後には酒樽を割って、観客みんなでワイワイ乾杯!世界各地から集まった演劇好きの人たちとの一体感は、なんとも言えない特別な体験でした。この交流の時間もSCOTの大きな魅力のひとつです。

アクセス・宿泊情報をチェック!

実際にSCOTを観に行く際の情報をまとめました。

【アクセス方法】
富山駅からの連絡バス(要予約)が便利です。富山駅、高岡駅、新高岡駅、福光駅、金沢駅から片道500円とお得!運行日が限定されているので、事前の予約を忘れずに。
自家用車の場合は富山市中心部から約2時間。無料駐車場があるので安心です。



【会場について】
富山県利賀芸術公園内の6つの劇場で上演されます。

・利賀山房
・新利賀山房
・利賀大山房
・創造交流館
・岩舞台
・野外劇場

会場によってはグルメ館から距離があるので、早めの移動がおすすめです。
 
【宿泊選択肢】
・テント泊
・利賀村内の宿(長崎温泉、民宿 瑞峯、瞑想の郷など)
・富山や高岡のホテル(日帰りも可能)

【食事】
期間中はグルメ館が「天空と星空のシアターヴィレッジ」となり、キッチンカーや屋台が出店。地元の利賀そばなど、地場のグルメも楽しめます。

「富山なんもない」なんて言わせない!

正直に言います。利賀村SCOTを知るまで、私も「富山って何もないよなあ」と思っていた一人でした。
でも、実際に足を運んで分かったのは、世界レベルの文化芸術が富山で体験できるという贅沢な現実です。

花火と演劇が融合した舞台 (その他にも多数舞台あり)、「ご随意に」という温かいシステム、世界中から集まる演劇愛好家との交流。こんな素晴らしい文化的財産が富山にあるなんて、知らない人がいるのが本当にもったいない!
確かに利賀村は遠いです。山道を2時間運転するのは正直大変です。
でも、それ以上の価値がSCOTにはあります。一度でも体験すれば、きっと「富山すごい!」と思えるはず。

まだ行ったことがない富山県民の皆さん、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと富山への見方が変わりますよ。

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